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修学旅行といえば喧嘩

「昼間はごめんな。

鹿怖いっての恥ずかしくて

それがサヤにバレるのが

嫌でつい怒鳴ってしまった。」

「そうだったんだね。

誰にでも苦手なことあるもんね。

本当にごめんね。」

「いいんだよ。

それで話ってのは今後の俺達について

なんだよね。」

「そうだよね。

少しギクシャクしちゃったし

タケゾーも呼んで…きゃっ!」

ショウジロウはサヤの腕を掴み迫った。







「サヤ。

そうじゃない。

そうじゃないんだ。」

「シ、ショウジロウくん!

痛い!

は、離して!」

「聞けよサヤ。

俺はこれからの俺とサヤとのことを

話したいんだ。」

「い、痛いってば!

や、やめて!」

「サヤも俺と同じ気持ちなんだろ?

俺を見て笑ってくれたじゃんか。

なぁ?

班にも誘ってくれて…」

ショウジロウはサヤの目をジっと見つめた。









「やめろ!!」

そこにタケゾウが駆けつけた。









「何だよタケゾウ。

お前のことは呼んでない。」

「何してんだよ!

サヤから手を離せ!」

「うるさい!

邪魔なんだよお前。

昼間もおあいこってなんだあれ!

おそろいの間違いだろうが!

お前ら姉弟だろうが!

気持ち悪いんだよ!

サヤは俺のもんだ!

お前は引っ込んでろよ!」

ショウジロウはタケゾウのほうを向き

罵声を浴びせた。








「…。」

そう言ったショウジロウにタケゾウは

ゆっくりと歩み寄り

思い切り殴った。

ショウジロウはそれを頬に受けると

そのまま吹っ飛んだ。










「サヤ、大丈夫か?」

「う、うん…。

大丈夫…。」

タケゾウはサヤの無事を確認すると

そのままサヤを背中に

倒れているショウジロウの前に立った。











「いぐっ…。

お前、殴ったな!」

「お前もサヤに似たようなことしたじゃねえか

ショウジロウ。」

「うるさい!」

ショウジロウは立ち上がると

タケゾウに殴りかかった。

タケゾウはそれを簡単に手で受け止める。










「なっ!

離せ!」

「お前はサヤが離せって言って

離したのかよ。」

そう言うと

タケゾウはショウジロウの頬を思い切り

殴りつけた。












「いぎっ!!」

ショウジロウは

また後ろに飛ばされ倒れた。













「ぐ…ぐぞ!

何だよ!

邪魔すんな!

くそ!

こんなはずじゃない!

こんなはずないんだ!

俺はタケゾウにも劣ってない!

俺は!

俺はぁあぁぁああ!!」

ショウジロウは立ち上がると

また、タケゾウに殴りかかったが

またも簡単に受け止められてしまう。













「離せよ!

離せ離せ離せ!!」

「遅い、見え見え、力も弱い。

お前、何で劣ってないつもりなんだ?」

「うるさい!」

「お前努力って知ってるか?

俺はお前よりしてるよ。

お前がしてるのは勘違いだ。」

タケゾウはそう言うと

ショウジロウをまた思い切り殴り飛ばした。












「どんな勘違いしてるか

知らねえけど

サヤが嫌がることすんな。

お前がやったことは

力で女ねじ伏せようとした

ただのクソだ。

二度とサヤに近ずくなカス。」

「ぐ…俺を…バカにするな…。

俺は…

お前なんかよりずっと…

強くて…

賢くて…

ぐあ!!」

タケゾウは倒れたショウジロウの腹を

さらに踏みつけた。










「タケゾー!

もういいよ!」

サヤが慌ててタケゾウを

後ろから抱き止め

それをやめさせた。









「謝るのが先だろうが!

正真正銘クズ野郎だな。」

「俺…は…お前より…。」

「もういい。

サヤ、行くぞ。」

タケゾウはサヤを連れ

その場を後にした。











「俺…は…。

ぐ…くそ。

くそくそくそがぁぁぁぁあぁああ!!!!」

その後、ショウジロウは部屋に戻り

腫らした顔を隠し

修学旅行を終えた。

タケゾウとサヤとはそれ以来話すことは無かった。













そして通常の学校生活が

始まったが

ショウジロウはあの三人からすら

ハブかれてしまい

孤立した状態になってしまった。










そして月日は流れ

三年に上がる頃には

誰からかいじめを受けていた。

おそらく、あの三人からだろうことでは

あったのだが

体操着がない、靴がない

などの陰湿な犯人を特定すること

ができないものばかりだった。











そしてそんないじめも

無くなり

クラスでも自分の存在が

無くなったのだとすら

思うようになり

季節は夏を迎えた。











『死にたい…。

殺したい…。

何でこんなに俺の居場所が

無くなったんだ。

全部、タケゾウのせいだ。

いつか…

いつか仕返ししてやる…。』

ショウジロウはタケゾウへの復讐のこと

ばかり考えるようになった。













『そういえばもうすぐ

夏の大会とかあるんじゃないか?

剣道の道具無くなれば

…。

くくく。

よし。

朝早く来て

道具壊してやる。

見てろよタケゾウ。』

ショウジロウは

そんな安易なことを考えつき

次の日、誰よりも早く学校に来た。













『さすがにまだ誰も来てないだろう。』

ショウジロウは意気揚々と

学校の道場に向かって歩いていた。











『一応、中を確認しておくか。』

ショウジロウは

道場の足元に設置されてある

小さな小窓から

中の様子を伺った。













「百二十二!

百二十三!」

そこにはすでに汗だくになっている

タケゾウの姿があった。









『な!

あいつ一体いつから…。』

ショウジロウは驚き

その場から逃げた。









『こんな朝早くから…。

スポ根野郎が…。』

ショウジロウはそんなことを

思いながら

あの日の夜のことを思い出していた。











『…。

まぁいい。

夜遅くに来て

やってやればいいさ…。』

そんなことを思いながら

グラウンドの横を歩いていると

そこではキヨトが

すでにグラウンドで

サッカーの練習をしていた。













『あいつも…。

何なんだよ。

くそ!』

ショウジロウは足元の石を

思い切り蹴飛ばした。








そしてショウジロウは放課後一度帰宅し

夜になってから行動を開始した。










『さすがにもういないだろ。

見てろよタケゾウ。

お前の道具も場所も

めちゃくちゃにしてやる。』

ショウジロウは

朝とは違い

家にあった破壊に使えそうな

ハンマーや小さいバール

をリュックにいれ

学校に向かった。











「そ、そんな…。

まだ明かりがついてる…。」

ショウジロウは学校について唖然とした。

グラウンドの照明は一部を残し

消えていたが

その下でまだ自主練のようなことを

している者達がいた。

そして学校に目をやると

教室なども場所によっては電気がついていた。









「もう七時すぎてるのに… 。」

校門から入ったショウジロウは

大人と目が合う。

おそらく子供を迎えに来ている

親達なのだろうと

ショウジロウは思った。









『まさかな。

タケゾウは朝早くやってんだ。

さすがにもう帰ってるだろ。』

ショウジロウは校舎の裏にある

道場を目指した。










『おいおい…。

まさか…。』

道場に電気はついていた。









ショウジロウは足音をたてないよう

ゆっくりと近づき

足元の窓から

中の様子を伺った。







「五百十一!

五百二十ニ!」

タケゾウは朝の数倍汗をかき

素振りに没頭していた。








『嘘だろ。

何でこんなに…』

「シ、ショウジロウくん?」

ショウジロウは飛び上がるように

声のほうを向いた。









「サ、サヤ…。」

二人の間に少し気まずい

空気が流れた。








そして少ししてサヤがゆっくりと

口を開いたのであった。

読んでいただきありがとうございます。

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楽しんでいただければ幸いです。

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