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復讐と先生

『…。』

タケゾウはヨシオカが打ち込んでくる

剣撃をいとも簡単に

刀で弾き返していた。







『修練…してきたんだろうけど…。

先生、昔からキヨトと違って

鈍臭いからな…。』

ヨシオカは中肉中背の

背もあまり大きくない

絵に描いたような中年男性だ。

今は顔を見るに

少し痩せたように見える。

やつれたと言った方が適切かもしれない。

周りの兵士同様

鎧を纏い

剣を持ち

タケゾウに襲いかかってくるヨシオカは

昔のたくさんの優しさと少しの厳しさを

持ち合わせた頃のヨシオカとは程遠い印象だ。








『復讐か…。』

タケゾウはあまりに弱いヨシオカが

執念深く打ち込んでくるその剣と

自分を少し重ねていた。








『一撃、一撃に殺意が乗ってる。

先生…俺のこと本気で殺すつもりなんだな。』

「考え事とは余裕だな!!!」

ヨシオカは天高く剣を構え

そのままタケゾウの頭目掛け

一直線に振り下ろした。






キンっと鈍い金属音とともに

ヨシオカの剣が宙を舞った。

タケゾウが下からえぐるように

ヨシオカの剣を弾き飛ばしたのだ。







「な!!」

ヨシオカは宙を舞い地に落ちた剣を

拾おうとタケゾウに背を向けて走った。

タケゾウはそれを後ろから追い越すと

剣の前に立ち

ヨシオカに切っ先を向けた。








「先生、終わりだ。」

「タケゾウやめて!!!」

「ぐ…まだ…まだぁぁあ!!!」

「あらあら。」

ヨシオカは拳を構え、タケゾウの胸元に

飛び込んだ。







バキンっという音とともに

ヨシオカは地に崩れ落ちた。

タケゾウは刃を返し、棟で

ヨシオカの胸当を粉々にした。







「さてと…。

おい。

先生は戦えないのを知ってて

やらせたな?」

「あらあら。

何のことかしら?」

制限解除リミットリリースすら

ろくに出来てないだろ。

それに魔法の一つも使ってこなかった。

俺に先生を殺させるつもりだったのか?」

「あらあら。

言いがかりはよしてほしいわ。

先生がどうしても行くと聞かないから

連れてきてあげたのよ。」

その女は月に照らされながら

タケゾウをバカにするように

微笑んだ。

後ろの兵士達も同様の顔で笑った。









「…。

もういい。

死ね。」

タケゾウは地をえぐるほどの蹴り足で

加速すると

兵士の首を狙い刀を振った。

それをリオが剣で防ぐ。






「う!

タケゾウ!

お願いやめて!」

「ふう。

あのな。

そういう場合か。」

「姫様!」

もう一人の兵士がタケゾウ目掛け

斬りかかった。

タケゾウは軽く飛び

その剣をかわす。






「みんな!

もうやめて!」

「あらあら。

お言葉ですが、姫様に刃を向けた

その者は危険です。

お下がりください。」

「おほん!

私の権限により命令する!

直ちに戦闘を中止しなさい!」

「申し訳ありません。

その命令を聞くことはできないのです。

お前達。

抑えなさい。」

「な!

離しなさい!!

やめろ!

離せと言っているんだ!」

兵士はリオの手を抑え

連れていこうとした。







「おい。

その手を離せ。」

タケゾウからほとばしる

殺気にその場の空気が一変する。







「「ひ、ひぃ!」」

二人の兵士は情けない悲鳴と

共に尻餅をついた。







「タケゾウ!

こ、殺さないで!」

リオは尻餅ををついた兵士を庇う

ように前に立った。








「まだそんなこと言ってんのか。

お前も言ってただろ。

結局のところ

どちらかが死ぬしかないんだ。」

タケゾウがそう言い

刀を構えたその瞬間

その間を断つように

一つの剣撃が降ってきた。

それは大地を割り

亀裂を生じさせた。











「タケゾウくん!

もうやめようよ!」

その男の声ではあるが

可愛い少し高い声がタケゾウの耳に

届いた。

そしてその姿が月に照らされる。








「ショウジロウか。」

身長は低く

おそらく百六十センチといったところだろう。

その身長はには似つかわしくない

自分ほどあろうかという

刀を持ち、その男はタケゾウの

目の前に立った。

幼く可愛らしい顔立ちに

柔らかそうな黒い髪。

女装でもすれば

その辺の女よりも可愛く見えるだろう。

ただ、ショウジロウを見たタケゾウの

顔は険しく曇った。









「タケゾウくん!

もうやめようよ!

何でみんなが争わなきゃいけないんだよ!」

「随分とまともなこと言うじゃねえか。」

「そ、それは…。」

「ま、いいさ。

来いよ。

お前、俺に生きていられると不都合だろ?」

「そ、そんなことない!

今は…もう変わったんだ!」

「そうかよ。

生憎と俺も変わったんだ。」

「それは…見ただけで少しわかるよ。」

ショウジロウはそう言うと

刀を天に向けた。








「だから!

だからタケゾウくんを助けたい!

助けたいんだ!」

そうショウジロウが叫ぶと

暗い闇が割れるような

光が放たれた。








「ぐ!眩しい!」

タケゾウはたまらず腕で

目を覆った。

その瞬間。

「く!」

背後に気配を感じ

とっさに横に飛ぶも

腕を何かがかすめていった。






そして着地した瞬間

タケゾウは体数カ所から

痛みと衝撃を感じた。







『ぐ、目が見えねえ…。

くそ…なんだ。

再生が効かない…。

毒…か。

くそ…意識が…。』

タケゾウは意識が薄れ

地に両膝をついてしまった。








「タケゾウくん。

死なないから安心して。

僕は…のとき…変わ…。

今は…少…眠…。

…。」

タケゾウはショウジロウの言葉を

聞き終わる前に

意識が途切れてしまったのであった。







読んでいただきありがとうございます。

ブックマーク、評価お願いします。

ようやくショウジロウというキャラを出せました。

少しショウジロウとの話も書くと

思いますので

お付き合いいただければ幸いです。

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