表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/89

元魔王と主人公とツンデレと無表情

「うん。

大体事情はわかった。

先に転移させられた人達が心配ね……

それに半年前のこととも

何か関係がありそうね。」

「そう思っておくのが自然じゃろう。

一応、国の警戒態勢も

万全にしておかなくてはな。

異世界の者たちは

きっと戦力として転移させられたのじゃろうな。

神が関係しておるのは間違いなさそうじゃの。

そうじゃタケゾウ。

お前さん魔法は使えるのか?」

「元の世界じゃ使えなかったぞーーーーーっておい!

俺の世界でのこと聞いたあとの

二人の自己紹介!

元魔王ベルスと現魔王ルーナっておい!

そんな気軽に

俺と話してていいのんかい!

と言うより

なんでこんなとこに元魔王住んでんの!

てか夜に魔王が護衛もつけず

なんで気軽に出歩いちゃってるの!

てかルーナ18歳とか嘘だろ!

歳上だったんかい!

あーすげーな。

魔王が二人も目の前にいるなんて

ってなるかい!

あーもう。

ツッコミとか俺の分野じゃないのに。」

タケゾウはツッコミ終えると

少し長い髪を手でグシャっとしながら席に着いた。









驚愕の事実をさらっと言った二人。

元魔王と現魔王がいるのは

現在、山の上。

木でできている

少しお洒落目な家ではあるが

無防備にもほどがある。

それにルーナが18歳なのにも驚いた。

吸血鬼は魔族の中でも長寿とされ

見た目は寿命が残りわずかになってくるまで

ゆっくりとしか老けないそうだ。

寿命は五百年程。

能力や力は共に多種族の中で

最上位とされている。

魔族の王たる由縁でもある。

その特徴は赤い目。

『その目を見たら逃げろ』が

他種族では合言葉の様に浸透しているとか。

ちなみに爺さんは582歳である。









「そういえばさっき

聖域がどうとか言っていたがどういうことだ?」

「ここが聖域の入り口

ワシはその門番といったところじゃ。」

「そうなのか。

聖域ってのには神が祀ってあるのか?」

「そうじゃ。

お前さんをこちらに召喚した神様が住んでいる。

中に入ってみるかの?」

「そうね。

人族を入れたとなっては

大問題になるけど

タケゾウさんなら問題ないわね。

何せ神様に連れてこられたんだもの。

神様の伝えたいことや

器についてなんかももしかしたら

手がかりがあるかもしれないわ。」

「そうじゃな。

では行くとしよう。」

「ちょっと待てよ!

そんな簡単に信じていいのか…。」

「いいのよ。

ベル爺ちゃんが信じたんだもん。

理由はそれだけで充分。」








二人は席を立ち外に向かった。

タケゾウも二人の後に続く。








「そんな理由だけでお前らな……。」

外に出て歩く二人に言う。

「あたしにとっては『そんな』じゃないわ。

あたしを信じ、この目を気持ち悪いって

言わない唯一の家族だもの。」









ルーナはこの美しい目のせいで

生まれた頃より迫害を受けていた。

吸血鬼にとって目の赤くない子供は

災いを呼ぶと言い伝えがあったためである。

そのため実の母にまで嫌われてしまっていた。

前魔王の父と爺さんは違った。

ルーナを可愛がり

その目を美しいと褒めてくれた。

ルーナはそれがとても嬉しかった。

今ではその父も死に

会談に同席していた母も死んだ。

残された吸血鬼は爺さんルーナと

家族以外の親族の者が数名である。

そのほかにも

魔族はたくさんの種類があるようで

それを国とし束ねているのが

現在魔王進行形のルーナである。










「だがルーナは

国ではすこぶる人気者じゃぞ。

頭も良いしカリスマ性にこの美貌。

この目も国では人気の一つのなんじゃがな。

まあ、とは言っても

ワシとルーナの父以外の者に

真正面から褒められのは初めてだったんではないか?

あんなに真っ赤に……………ブグハっ!」

爺さんがトリプルアクセルを決めた。

「真っ赤な血を流したいのね

ベル爺ちゃん!」

「も…う…流れて…ます…。」

トリプルアクセルのせいで

地面に足が突き刺さった爺さんは

血を流しながら言った。










ルーナは歩きながら後ろを見ずに言う。

「べ、別に嬉しくなんて

なかったんだからね!

勘違いしないでよね!」








…………初めて現実で聞いたと

タケゾウは思った。

後ろから見える耳が先まで真っ赤だ。

『これがツンデレか……』

「それにまだ幼い顔立ちにも関わらず

礼儀作法は一人前。

国では王の気品漂う

立派な立ち振る舞いをしておる。

そんな固そうな強そうな子なのじゃが

こういう乙女なとこを

時折見せるという可愛らしさ。

人気者になるのは当たり前じゃ。」

爺さん復活速っ!と思ったタケゾウ。












「人気者で、いきなり国を背負い

身内に疎まれてと

中々に波乱万丈なのじゃ。

父の死後、塞ぎ込みがちだったんじゃが

今日久々に笑顔が見れた。

ありがとのう。

タケゾウ。」

「いや。

素直な感想を言っただけだよ。

それに俺もあんな綺麗な笑顔

見れてすげーラッキーだったしな。

ありがとうはこっちのセリフだ。」

「何二人でコソコソ話しているの?!

またベル爺ちゃん余計なこと言ってるんじゃ……」

「違うぞ。

ルーナさんの笑顔を見れて

俺がラッキーだったって言ったんだ。

すげー綺麗な笑顔だったからな。

絵画みたいだった。」

タケゾウは爺さんをかばって言った。

トリプルアクセルは可哀想に思えたからだ。











「な?!?!……………」

すでに言葉にならないようです。

タケゾウは割りかし素直なやつなので

こう言うこと言えたりする。

普段は恥ずかしがりやなくせに。

今回は爺さんはを庇ったからとはいえ

ルーナさん大ダメージ?です。











そうこうしているうちに

聖域の入り口に到着。

真っ赤なルーナはこちらを見ず

神の石像に手をかざす。

その途端地面が動きだし

石像がズレ下に階段が出現した。










「こっちよ。」

こちらを見ずに言うルーナ。

ゆっくりと階段を降り始める

タケゾウと爺さん。










『どこまで続くんだ?

長い階段だな……。』

「間も無く着くよ。」

振り返りタケゾウの表情で

察したのか声をかけるルーナ。

「あ、ああ。

ありがとう気を使ってくれて。」

タケゾウが礼をすると

ルーナはニッコリとして前を向く。










「着いたわ。」

薄暗い階段を抜けると

そこには光る大きな泉と

広い空間があった。

いきなり明るくなったので

目を細めるタケゾウ。

目がようやく慣れ周りを見渡すと

岩肌にはツタのようなものが生えている。

よく見ると岩肌も所々光っていた。

大きな泉の中央には

何か人工的な物があるように見える。










「この泉の奥に行くよ。」

ルーナが手をかざすと

光が強くなりその光が反射し始め

綺麗に中央まで真っ二つに光が裂けた。

足元を見ると橋が出現……していない。

泳いで行くのかな?と

タケゾウ思っていると

二人は背中から翼を生やした。

爺さんは先に行くぞと飛んで行った。









「ルーナさん。」

「何?タケゾウさん。」

「光が真っ二つになった間を

飛んで行くということは

この光に触れたり

泳いで行くのはまずいのかな?」

「すごいねタケゾウさん。

その通りよ。

ただ種族によって

効き目は違うと言われていて

一応あたしたちは避けているの。

死んだとかは聞いたことがないけど

それが古くからの習わしのようなものね。

ちなみにこの泉は

『魔の泉』と呼ばれているの。

一度だけこの泉を触ったことが

あったのだけれど

肌が赤くなってしまったの。

それとこの光には

魔の力があるのだけれど

岩肌を見てくれる?」

「あの光ってる石がもしかして?」

「そう。

あれは『光晶石』と言って光る石?

なんだけど

その何倍もの大きさのものが

泉の奥底にあるとベル爺ちゃんに聞いているわ。」

「なるほど。

とりあえず皮膚赤くなるくらいなら

大丈夫だろうし泳いでみるか。」

タケゾウが試しに泉に手を入れる。

「うっ!!!?」

溶けてはいない。

ビリビリと肌に何か感じる。

表現するなら炭酸のお風呂のような。

「タケゾウさん!!大丈夫!!?」

ルーナが心配そうに翼をしまい駆け寄ってくる。

「大丈夫。

暖かいのかこの泉。

山の泉で暖かい……。」

タケゾウは周りを見渡す。

違う岩肌には水が

上からつたってきていた。

奥に泉に注ぐように

小さな川のような物がある。

川の注がない反対側奥には

湯気のような物が見えないでもない。

光に邪魔され見づらいが……

『まさかな………………』

タケゾウの頭には

とある日本人の好きな物が浮かぶ。

とその時。

手に暖かい感触とともに

ぎゅっとにぎるような感触。

「ル、ルーナさん??」

「か、勘違いしないで。

今治癒しているから。

特に傷は無いようだけど少し赤いね。」

手はとても暖かい心地よさに包まれた。

「こ、これで大丈夫。

あ、あ、あ、あ、っちまで

あたしがつ、つれてってあげるから。」

「あ、いやルーナさん?

もしかしたらこれ………。」

ぎゅっとタケゾウを後ろから抱きしめる。

『は、は、ずかしいけど

こうしないと飛べないし

し仕方ないのルーナ。

結構筋肉質なんだな………

……っっって違う!

髪の毛結構くせっ毛なんだな

って違う!!

あ…いい匂い……

……ってちっがーーーう!

しっかりしてルーナ。

タケゾウさんのためにも

離さないようにしなきゃ。

ほんとしっかりしてルーナ。』



『せ、っせなかに…

…あっいい香りだ。

え、えとそうだ

ちがうことかんがえよう…

U’イコール(1/2)kえっくすじじょうの弾性力の

位置えね…っっっちがう!

確か質量には関係なく…っ違う!

えーと弾性係数には

って違う!

そうだ円周率は3.14159265359…………

よし落ち着いてきたな。

確か円の面積を求めるのは

半径×半径×3.14っだから

まずは円のちゅうし…

っちっがーう!

そうだ。

体積にしよう vイコール4/3ぱいあーる…

ってちがーーーーう!

後ろにぱいあーるじゃない!

…………………………………………。

違うぞタケゾウ。

お前はそんな不埒な男では無いだろう。

落ち着け。

これはあっちに行くために必要なこと。

必要なこと。

必要なこと。』









二人はぎこちなく空に浮かび

フラフラと進む。

そして到着。

「あ、ありがとな。」

ぶっきらぼうに

背を向け言うタケゾウ。

初めての飛行は

全く頭に入っていない。








「どういたしまっしゅ……て」

盛大に噛んだルーナ。

言うまでも無いだろうが

二人ともユデダコのようだ。

どんな経験をしてこようと

どんな信念があろうと

ふたりはまさに思春期。

見てるこっちが

ドキドキしてしまう二人だった。

ごちそうさまでした。









「なんじゃ二人とも真っ赤になって。

まさか飛ぶためにタケゾウを後ろから

だ・き・し・め・……………

プーバデーっ!!!!?」

爺さんは

伸身ムーンサルトをしながら星になった。








………

沈黙が続く中

星になった爺さんが

流れ星のように飛来し復活をとげた。

この爺さん不死身なのかと

タケゾウは内心思っていた。

ルーナは照れすぎていて

それどころじゃ無い。










「さてじゃあ神様に会いに行こうかの。」

「え、会えんの?!

そういやさっき住んでるって…。」

「ええ。

ここに住んでいるもの。」

驚愕の事実。

住んでいた。

驚いていると

ルーナは長方形の

腰の位置くらいの高さの

石の前で手をかざした。

途端目の前の岩肌に

亀裂が入り横に動き始めた。

その奥には畳20畳ほどの空間と

人が居住しているような

椅子やテーブルに少しの衣服。

奥や横には扉があり

他にも部屋があるようだ。

明かりは光晶石を使用しているようだ。

ガチャっと扉を開け奥から人が出てきた。

タケゾウには見覚えのある人物である。

「あ、ルーナ。

おひさー。

てかあれ?

もう来たの?

少年やるね。

意外にも早々に

ルーナとベル爺を

仲間に引き入れるなんて。

結構人たらしなのね少年。

選んだ甲斐があったってもんだわ。」

タケゾウは開いた口が塞がらない。

そこにはタケゾウを

召喚した黒髪ロングが

普通にいたからである。








黒い長い髪に

前髪は七三ほどで分けている。

そこから覗く少し気だるそうな目に

真っ黒な瞳。

無機質な感じは無くなったが

無表情さは相変わらずである。

その無表情のせいで

美人ではあるが

サバサバしていて

とっつきにくいなという印象を受ける。

身長は百五十センチくらいだろうか。

全体的にシャープな体つきをしている。









ふうっとため息をつき

もうツッコミもいいかと思い言う。

「とりあえず転移の時

聞き取れなかった言葉とか

色々教えろ黒髪ロング。」

「じゃ自己紹介からね。

私はサクヤ。

一応この世界の

月の神をしている

長く生きている普通の17歳の女の子よ。

ちなみに出身は

少年と同じ世界の住人ね。

あーそのリアクションは

すると思っていたけど

まさかルーナも

そんなリアクションしてくれるなんて。

可愛いね二人とも。

ベル爺からは聞いてなかったみたいね。

さて話を戻すね。

この世界に来たのは

ある神に転移させられたの。

私を含め数人でね。

その神のことは他言できないよう制約があるの。

だから時が来るまで話せない。

ごめんね。

それでこの世界を平和にすることになり

平和にしましたちゃんちゃん。

とここまでは良かったんだけどね。

種族特有の魔法を全種族に使えるようにするには

私たちを人柱というか各地に留める必要があったの。

元々帰すつもりは神になかったようだったし

しょうがないかーって人柱してるの。

まあここから抜け出しても

少しくらいなら大丈夫だし

七人の神様になった者たちの部屋は神同士なら

気軽に行き来できるよう神が

『ゲート』を作ってくれたのだけど…

それがここ一年ほど前から

一切行き来できなくなってしまったの。

その後ルーナの父も殺されてしまった。

少年の世界でも

集団転移の事件があったでしょ?

それはおそらく七人のうちの一人

人族の神がやったことなの。

転移の力のことは

神の話になってしまうから

話せないのだけど…

おそらくかなりの命という

犠牲を払ったはず。

あんなに優しかった彼が…………。

少年の目的を果たすには

彼が必ず障害になると思う。

戦う覚悟はしたほうがいいわ。



とまあ話はこんなとこかな。

それで私は少年を見つけたの。

私と人族の神はまあ

あのあれでかなりの限定条件の中で

少年の世界に意識を飛ばすことが出来るの。

そして召喚もね。

ただ代償が必要なんだけどね。

私はその力を代償にして

少年をこちらの世界に召喚したの。

だからもうその力はない。

そして少年には

『器』と『制限解除リミットリリース』をできるようにした。

『器』というのは

魔力の入れ物のこと。

そして『制限解除リミットリリース』は

制限を解除してくれる能力。

例えばもっと速く走りたいって

時に使うと速くなるとかそんな感じ。

使い方は魔力と身体の調和と

なんちゃらって言われたけど

忘れちゃった。

要するに感覚ね。

ただこの能力は

人族向きじゃないの。

魔族なんかは元々体が強くて

戦闘向きだから負荷にもある程度耐えられるけど

人族は作りが他より

軟弱だから負荷に耐えられず

壊れてしまうの。

向き不向きで言えば

魔族、龍人、獣人、魚人は向いていて

天空人、小人は普通、人族は不向きってとこ。

そして何よりこの能力は

ほんと使うの難しいの。

無理すれば間違いなく

体と脳がボロボロになって死ぬわ。

まあちなみに完全に解除できる人は

聞いたことないけどね。

とりあえず練習あるのみって感じかな。

そしてさらに私の元に来てくれた時に

私の力を授けようと思っていたのだけど

こんなに早く来るとはね。

さて、ということで力を授けます。」

怒涛の展開に戸惑う

タケゾウの額に手をかざすサクヤ。

次の瞬間体に何か流れ込み

力が溢れるのを感じた。

「うわっ!!!!!!!!!」

体に流れ込む違和感に

思わず声を出すタケゾウ。

「これで終わり。

と言っても仮の状態にしたわ。

まだ魔力に慣れていないだろうからね。

あとは少年次第。

頑張って修練することね。

ベル爺?魔法のことは話した?」

「はいですじゃ。」

「そう。

少年。じゃ火を強くイメージして手のひらに力を込めて。」

「わ、わかった。」


タケゾウは火を強くイメージし

手のひらに力を込めた。

……………


「んーーーーー!!!」


…………… …



出ない。







「とまあ出ません。」

「おい!!!!

どういうことだ!!!」

「だって授けたの

月の魔法『再生』の能力だもん。

ちょー一生懸命にやっちゃって

少年かわういういーぷーくすくす。」

こいついつか凹ましてやると

タケゾウは心に誓った。







「じゃ次ね。

ベル爺。

私の腕に傷つけて。」

「はいですじゃ。」

こいつら何言ってんだ

という顔をしているタケゾウ。

そんな中サクヤの手首を

ベル爺が手刀で切る。

途端に血が吹き出し

サクヤの顔色がかなり悪くなる。








「え、爺さんな、、何してんだ!!!」

タケゾウが慌てて

サクヤに駆け寄る。

「少年……早く治して…

じゃないと死んでしまう。」

サクヤの血は止まらない。

顔色がさらに悪くなり膝が折れてしまう。

「お、おい!

しっかりしろ!

ちきしょう!

そんなんできるわけねーだろ!

おい黒髪ロングしっかりしろ!」

「助けて…しょう…ねん。」

タケゾウは歯を食いしばり

手首に手をかざすと強く念じた。









『助けたい助けたい助けたい助けたい助けたい助けたい』








するとタケゾウの手から

柔らかな光が出て

ゆっくりと傷が治り

血は止まった。

タケゾウは驚いたあと

すぐさま振り返り

爺さんの胸ぐらを鷲掴みにする。

「おい!!!

命をなんだと思ってやがる!

簡単に失くなってしまうんだぞ!

じじい!

ふざけんなよ!!!」

「まあ落ち着けタケゾウ。

確かにお前さんの言う通りじゃ。

命は簡単に失ってしまう。

けれどワシやルーナなら

間違いなく治せる。

その確証があったからやったのじゃ。

まあお前さんも

きっと治せると信じていたがな。

はははは。」

「あんなに慌てて

私を助けてくれるなんて

もしかして惚れちゃったの少年?

もう。

あんな情熱的に思われたら

おねーさんキュンとしちゃうじゃない?」

タケゾウはやり場のなくなった怒りと

一人で焦っていた自分に苛立っていた。









「もうあんなことすんじゃねーぞ……。」

意外な返しに

三人はキョトンとして

少し罪悪感にさいなまれた。

「悪かったって少年。

もうしない。

約束する。

ただ一つ覚えていて。

少年の大切を取り戻したかったら

命を奪い取る覚悟を

しなくてはならない場面が

必ずくるの。

平気な顔して

殺せってことじゃなくて

その命を背負う覚悟をしろってことね。

命の大切さは少年が

よくわかっているみたいだし

しっかり覚悟をするのよ。」

サクヤは真面目な顔で言った。











「……………わーっったよ!」

少しふてくされて言うタケゾウ。

「さてこれで私からは

渡せるものは渡した。

これから各地にいる

神のところに行き器を満たしてほしい。

体のどこかに

今は仮だから

薄っすらしか出ないだろうけど

紋様が出ているはず。

それが集まれば

少年の力に必ずなる。

そうすればきっと

少年の大切も

取り返せると思うわ。

そして身勝手なお願いなのは

わかっているんだけど…

ついででいいから…

できれば人族の神…

太陽の神の

彼の目を覚ましてあげてほしい。

お願い出来るかな?」

「………わーったよ。

そいつをなんとかしないと

みんなは取り返せそうに無さそうだしな。」

「ありがとう。

けれど少年。

君はまだこの世界のことも

魔法についても知らなすぎる。

ベル爺。

この子のこと頼めるかしら?

私は力をほぼ渡したのと

加護を授けたので今はほぼ力がない。

少し療養する必要があるの。」

「任せてくださいですじゃ。

ルーナと共に少年に

色々教えてやりますじゃ。

ルーナには手取り足取り教えてもら………

パワハっ!!」

爺さんは外の泉に飛んでいった。








「そういえば外の泉ってもしかして…」

「その通り。

あれは温泉よ。

しかも炭酸泉。

美肌に効果があるのよ。

もちろん療養は温泉でします。

あっちの部屋に引いてあるから

たまに来て使ってもいいよ。」

「やっぱりか。

そういえばなんで俺の言葉みんなに通じるんだ?」

「そういう疑問にも答えてあげる。

けどまた今度ね。

私も少し休まないとほんとに死んでしまうわ。」

「わかった。

じゃまた来る。」








岩の扉の外に出るとゆっくり岩が閉まる。

『あいつ、まだ顔色良くなかったな………

無理させてしまったんだなきっと……

血までは再生できなかったんだろうな……

何にしても早く強くならなきゃな。』


『さてこれから

少し忙しくなりそうじゃの。

タケゾウの仲間たちが

なぜ召喚されたか気になるが………

まずはタケゾウを鍛えねばな。』



『タ、タケゾウさんに

て、て、手取り、あ、あ、足取りなんて

教えられるかな…

べ、別に変なことなんてしないし。。。

どうしたんだろうあたし。。。

胸がドキドキする。。。

とにかくタケゾウさんの

仲間のことも気になるし

一度国に戻って警戒態勢を………

なんか胸がチクってするな。。。

離れ………

違う!あたしは王。

まずはやることをやらなきゃ。』








三人は決意を新たに聖域を出る。



________________________________________________



おまけ



「タ、タケゾウさん!

あちらに渡るためなのでそのあれです。

あのそのちょっと

きつく抱きつかなきゃ

いけないのであ、あ、あ、あ、あ、ありましてですね…

ふ、ふ、ふ、深い意味は

あの特に無くてででですから……」

「いやあのルーナさん?

実はこの泉

体に良い可能性があ…って

ちょちょちょまって…心の準備が…」

ぎゅっ。。。

「あ、あ、あの行きますよ!!!」

「わ、わかった。」


ルーナが翼を広げると

ユラユラと光の間をと飛んでいく。

二人の心境は………………

まあ言うまでもないだろうから

ご想像にお任せしようと思う。







聖域を出た後

乙女の心に土足で入った老人は

星となったのは言うまでもない。

その真っ赤な肌になった乙女の後ろに

百戦錬磨の地獄の魔王を幻視した少年は

絶対に怒らせてはいけないと

固く心に誓ったとか。。。







外はすっかり明るくなり

とりあえず三人は

休息を取ることにしたのだが

ベッドに枕を二つ並べた老人は

魔王のスタンド使いの少女に

またも星にされたとかされないとか。。。









そんなこんなで

三人は別々の部屋で

睡眠を取ったのであった。

不死身の老人のイタズラは

これからも続くのであった。



コツコツ投稿したいと思います。誤字脱字気付いた方教えて頂ければ幸いです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ