表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/89

孫と爺さんと主人公

驚いているものたちが三人。





ある者は間の悪さに。

ある者はいるはずのない

人族を目にしたことに。

ある者はその少女の美しさに

まさかこのじじいの孫がこんな……

ということに死ぬほど驚いている。








「…うそん。」

爺さんはそういうと

この後の事態を

予想できたのかコメカミを抑えため息をつく。

「こ、こ、これはいったいど…」

「うおおおい!!

じじい!!!」

タケゾウは少女の言葉を遮って

怒号のような叫び声をあげる。

そのまま爺さんの首に腕を回し

締め上げながら少女に背を向ける。

「へっ…?」

少女はいきなりの怒号にも似た

男の叫び声にキョトンとしてしまった。

爺さんもまさかの展開に驚いている。









タケゾウは優しい少年である。

それは過去の出来事から

命の尊さや失う辛さを知ったことに起因する。

人の話は最後まで聞いたりと

その人を理解しようとする思いやりもある。

また強さを求めているので

一度決めたことはやり遂げようとする。

曲げない、逃げないが心情だ。

動物が好きで、基本的に無益な殺生

というのを嫌うので

虫も殺さない。

そして、興味が無いことには

全く関心を示さない。

元の世界では義姉や友人が見ている

テレビドラマだったり

流行りの言葉や物だったりには全く興味がなかった。









そんな男が話を遮って爺さんに言う。

「どういうことだ?!」

「な、何がじゃ?」

「何がじゃじゃないだろが!

どんな突然変異が起きたら

爺さんの遺伝子であんな美少女が生まれるんだよ!」

「ま、待て、落ち着け…

よく似ているじゃろう目とか鼻とか。」

「全くもって似ても似つかないわ!!!」

爺さんをぐっと締め上げながら言うタケゾウ。









そうなのである。

まさに美少女。

腰まである長く美しい白髪。

ルビーのような

紅く美しく透き通る片目に目を奪われる。

背は低く百五十センチくらいだろうか。

その細く雪のように白い腕や

足を見ただけでスタイルの良さをうかがわせる。

着ている黒のワンピースのような

ひとつなぎの衣服は肌の色を一層白く見せている。

歳は14か15くらいといったところだろうか。









「ま、待て

ルーナは本当にワシの孫なんじゃ。

し、締めるな、お、おい。」

爺さんはタケゾウの腕を

振りほどこうとするもほどけない。

『お、おかしいのじゃ。

こやつ人のくせに力が強すぎる。

魔力…?

く、そんなことより……

し………ぬ…』









そんな仲良さそうに?

じゃれ合う?

男と爺さんの後ろ姿を

見ながらふと我に帰った少女ことルーナ。

「二人ともまずはこっちを向いて。」

その声は凍てつく吹雪のような

冷たさを放っていた。

「「は、はい…。」」

恐る恐る振り返る男と爺さん。

「まずは座ろうね二人とも。」

その笑顔は美しさとは裏腹に

それはもう世にも恐ろしい物だった。

「「は、はい。」」

大人しく床に正座で座る男と爺さん。

「それで?」

早く説明しろよじじい。

そんな威圧を放つ言葉と表情。

「これには事情がありまして……

そのかくかくしかじかのこうこうこういう理由が………。」

爺さんは恐る恐る事の経緯を説明した。

「ふ〜ん。

ベル爺ちゃん。

ここはどこなのかな?」

「神を祀っている聖域の入り口です。」

「うん正解。

それで今現在の人族との事情を知りながら

なぜ報告しなかったの?」

その笑顔、氷点下。

「今からしようかなーなんて思ってまして…

てへっ。」

いっけねとばかりに下を出し

ウインクしながら頭をコツンとする爺さん。

誰得である。

「ベル爺ちゃーん?」

「ご、ご、ご、ご、ご、ご、ご、めんなさーいーーーーーー!!!!!」

謝った爺さんは

手を合わせまるで

悪魔に命乞いをする人のようである。

一瞬で間合いを詰めルーナは一言。

「問答無用。」

ゴシュっ!っという轟音。

瞬く間に床に埋まっていった爺さん。

ピクピクと動いていることから生きてはいるようだ。










「さてと……。」

タケゾウはビクっとした。

背中を冷たい汗がつたう。

「初めまして。

あたしはルーナ。

このピクピクしている生物の孫です。」

ピクピクしている生物を

チラっと見ながらルーナは言った。

言葉とは裏腹に

とても礼儀正しい印象を受けたタケゾウ。

ルーナは続けて質問する。

「違う世界から来たと

言っているようだけどそれは本当?

それが本当なら

とても信じられないけどすごいことよ?

それにどうやら月の神様に

連れて来られたみたいじゃない。

これがもし嘘なら私たちの神を侮辱したことになるわ。

心して答えなさいね?」

タケゾウは恐る恐る顔をあげ答えようとした。

ふわっと開いている扉から夜風が入る。

それは巻き上げてはいけないものを

少しふわっとさせた。

バっと手で抑えるルーナ。

「見……見えた?

……見たわよね?」

確認するように

タケゾウにいうルーナの頬は赤い。

雪のような白い肌と相まってより一層赤く見える。








「綺麗だ………。」

タケゾウは呼吸するように

自然と呟いた。

本人は声に出した事すら気づいてはいない。

目の前の光景に見惚れていた。

「あなた何を言って!」

ルーナは少し怒り気味に恥ずかしそうに言う。

「その目……。」

タケゾウは呟く。

少女の赤い目の隣の目。

月のような青白いその目は

宝石のように透き通っていた。

髪で隠くれていたその目が

風にふかれ露わになった。

ルーナは気が付いてとっさに顔を手で覆う。

そんなルーナの仕草に

ようやく我に帰ったタケゾウ。

「あ、いや、その、

なんて言うかすごく綺麗で………

あの、ほら、なんか………ごめん。」

タケゾウはあたふたしながら

とりあえず謝った。









「よかったのうルーナ。

お前のその目はやはり綺麗だぞ。」

いつの間にか爺さんは床から出でおり

優しくルーナに話しかけた。










「……………………………………

………………………………………。」










無言のまま顔を手で覆い

しゃがみこんでしまうルーナ。

よく見れば耳の先まで真っ赤である。

「気持ち悪く……ない?」

指の隙間から

こちらを覗きながら言うルーナ。

「気、気持ち悪くないよ。

とても綺麗で美しい目だよ。」

タケゾウの言葉でさらに顔を隠すルーナ。

ものすごく嬉しいんだろうなと

誰が見てもわかる反応だ。









少ししてルーナが

意を決して立ち上がる。

「そ、そんな褒めたって

あなたへの聴きたいことや

疑問がなくなるわけじゃないんだからね!

…………けどありがとう。

褒めてくれて。」










ルーナは笑った。

窓から差し込む月明かりに

少し照らされたルーナの笑顔は

まるで絵画のような芸術作品に見える美しさと

純粋無垢な可愛さを兼ね備えていた。








タケゾウはルーナの笑顔に

心奪われまた見惚れていた。

そんな自分を見つめる

タケゾウに気付きルーナは

恥ずかしそうに顔をそらし背を向け言った。







「と、とりあえず

あなたのことを教えてもらってもいい?」








……………反応がない。

おかしいなと思ったルーナが

振り返り見るとタケゾウがまだこちらを見つめていた。









「もう………あんまり見ないでよ。

なんか恥ずかしいじゃん。

……。

ねぇ?

……おーい?

…………聞いてる?

…………………もしもーし?」










「………………………

君はとても綺麗だ。」












タケゾウは目の前の光景に

対して言葉を発した。

無意識に出た言葉である。

突如

ボンっ!

ルーナから煙が出る。

慌てて後ろを向くルーナ。

少しの沈黙。








ようやく我に帰ったタケゾウ。

「あ、そ、そうだね。

俺のことを話すよ!」










三人は椅子に座り今の現状について話すことにした。

とある一人はまだどこか顔が赤かったとか。



今後も少しずつ投稿していきますので、良ければお付き合いの程、よろしくお願い致します。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ