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再開は突然に

「サヤ!」





タケゾウは叫ぶように名前を呼んだ。

そしてタケゾウはサヤ目掛け

駆け寄ろうとしたが

その前に一人の人物が割って入る。




「タケゾウくん。

まずは無事で何よりだよ。」

その人物はそう言うと

ローブを取った。




「キヨト。

お前ら…ほんと無事で…

他のみんなは!?」

「みんな無事…。

タケゾウくん。

この質問に答える前に

先に質問があるんだけどいいかな?」






キヨトはクラスの中心人物。

要するにリーダー的存在だ。

何にでも明るく真面目に取り組み

皆のことをまとめる時は決まって

キヨトがその一番上に立っている。

綺麗な目鼻立に

百八十センチという長身。

綺麗な黒髪。

学校中にファンがいる。

そんな人物だ。





「タケゾウくん。

魔族と龍人族は手を組んだと

聞いているけど、それは本当かな?」

いつもは温厚なその目つきが

今は鋭くタケゾウに向けられた。

キヨトは珍しく苛立っていると

タケゾウは感じた。

そしてタケゾウは即答できなかった。

これをどう答えるかで

もしかしたら魔族と龍人族にとって

もの凄く不利益なことになる可能性があるからだ。





「タケゾー…。」

サヤは悲しそうにうつむいた。

キヨトが続ける。

「…。

やっぱり即答はしてくれないんだね。」

「べ、別にやましい事があって即答できない

わけじゃない!

どうしたんだよキヨト。

とにかくみんな無事なら一緒に魔国に行こう!」

「あらあら。

キヨト。

やっぱり神の言っていた通りのこと

を言ってきたようねお友達は。」

ローブの者が二人、キヨトの横に立ち言った。

「おい!

何の話だよ!

ってかお前誰だ!」

「私達は人族の者ですよ。

そんなことよりいいんですか?

二人がとても悲しそうにしていますよ?」

「タケゾウくんと言ったね。

サヤやキヨトからよく話は聞いているよ!

私達は君を助けに来たんだ!

さぁ、早くこっちにくるんだ。」

「何言ってんだお前ら!!!

お前らがみんなを奪っていったんだろーが!

それにお前らが魔王を会談で殺して

そして俺とルーナのことも森で襲っただろうが!

助けに来ただ?

嘘ついてんじゃねーよ!

サヤ!キヨト!

こっちに来い!」

「何を言ってるんだいタケゾウくん?

私達の王は魔王に殺されたんだ。

相打ちでなんとか王が被害を食い止めたが

魔族が先に協定を破ったんだ。

…キヨト。

やはり神の言った通りのようだね。」

「はい…。

それでもタケゾウくんは僕らの大切な仲間なんです!

必ず連れ戻し、その洗脳も解いてみせる!」

「は?キヨトまで何を言ってるんだ?

こいつらが元凶だろうが!

目覚ませ!」

「タケゾー。

なんで刀をしまってくれないの?」

「サヤ!

そいつらは危険なんだ!

こっちに来い!

俺を信じろ!」

「サヤ。

タケゾウくんはもう洗脳を解かないと

ダメなんだ。

神の元に連れて行かなきゃ。

大丈夫。

きっとできるよ。

タケゾウくん…。

辛かっただろう。

洗脳までされて。

今、その後ろの敵を蹴散らして

タケゾウくんを奪還してみせるから。

タケゾウくんの洗脳も

きっと俺達がなんとかしてみせるよ!!」






そこに上空をまるで戦闘機のようなスピードと

音で飛んでくる何かが迫ってきた。

そして空気を突破する音とともに

すぐさまタケゾウの真上までやってきた。

急減速し、その姿を確認できた。

ルーナだった。

愛は音速をも超えた。

そしてまっすぐタケゾウの元に降り立った。





「タケゾウ!

う、ぅううぅう…よがっだよー!!!

生きててぐれでよがっだよー!!」

そう言うとタケゾウに抱きつき

人目もはばからず泣いた。

さすがの人族も

いきなりの展開に声が出ない。




「ルーナ。

…ほんと心配かけたな。

今まで何かやってたんだ?

それに今、俺の姉のサヤと仲間のキヨトが

そこにいるんだ!

頼む!

力を貸して…」

ルーナはタケゾウの言葉を遮るように

いきなり突き飛ばした。

そしてすぐさま振り返り、腕につけている

鉄鋼で振り下ろされた剣撃を受け止めた。





「あなたがタケゾーを!

よくも!よくも!!」

一撃、二撃と剣が振り下ろされたが

ルーナは難なく避けた。





ルーナは突き飛ばした

タケゾウの元まで下がると

鋭くサヤを睨んだ。

「ひぐっ!いきなり何すんのよ!

タケゾウが怪我したらどうすんの!」

そう言ったルーナを

目を真っ赤にして泣きながら

サヤは睨みつけた。

「いてて…。

おいサヤ!落ち着けよ!

何すんだよ!」

「だってそいつが…

お前のせいでタケゾーは…

許さない!

タケゾウの洗脳を解きなさいよ!」




その一連の動きにようやく

我に返ったキヨトが

口を開く。

「ここまで神の言った通りの展開とはね。

もはや確信するしかない。

あなたが魔王でしょ?」

「そうだけど。

あなた達がタケゾウの仲間なの?

聞いていたより…」

その話を遮るように次はキヨトが

ルーナに斬りかかった。

キンっという鈍い音とともに

タケゾウがその剣撃を受け止めた。

「おいキヨト!」

そしてキヨトはサヤの元まで

一旦下がった。





「お前のせいで…

デンジやモトカズ達が…。

返せよ!

俺の弟を返せよ!」

キヨトが憎しみの感情を露わにしながら

ルーナに叫んだ。





「おいキヨト !

何の話だよ!

モトカズとデンジがどうしたんだよ!」

「そいつが…その白髪の悪魔が

デンジ達を殺させたんだ!」

「な!

殺した?

モトカズが死んだ?

何バカなこと言ってんだキヨト!

それにルーナがそんなことするはずないだろ!

ルーナはずっと俺と…」

タケゾウの言葉を最後まで聞かず

今度はサヤとキヨトが一斉にルーナに斬りかかった。

それをルーナが反射を使い、跳ね返し、押し戻す。





「お前ら!話を聞けよ!

なんでこんなことすんだよ!」

「あらあら。

これじゃどうしようもないわねキヨト。

もう不意打ちとはいかないし。

なーんて。」

人族の一人が押し戻されたキヨトに

話掛けるふりをして今度はタケゾウに斬りかかった。

タケゾウは制限解除リミットリリース

していたおかげで反応でき

斬りかかってきた者の斬撃を後ろに少し下がり

避け、体制の少し崩れたところに

反射的に攻撃を仕掛けた。

日頃の特訓のおかげの反応だった。

頭上から斜め一線、その刀を振り下ろした。

そして一人の者がそこに割って入った。

鮮血とともにタケゾウの斬撃によりその者は倒れた。






「あらあら。

そちらからってしまいましたね。」

「ハル!」

サヤが叫んだ!

タケゾウの斬撃でローブが取れ

足元に横たわる

鮮血を浴びた見知った顔を

タケゾウは見下ろした。





「ハ、ハル!」

タケゾウは急ぎハルを抱きかかえる。

「タケ…しゃん。

おひさ…。

へへ。

失敗…しちゃった。

タケしゃん…もう…

誰も…死なせ…たく…。」

何かを言いかけてハルの意識は途絶えた。





「あらあら。

洗脳されてると

心配してくれていた友すら

その手で斬ってしまうのね。

皆の者!

すでにこの者は話すら聞けない状態だ!

龍人を皆殺しにし

力づくで奪還するのだ!」

不意打ちを仕掛けた者がそう言うと人族が

タケゾウの後ろで構え

その動向を見守っていた龍人の兵士達に

一斉に攻撃を仕掛ける。

そしてキヨトとサヤはルーナに

斬りかかった。






「お前が洗脳したせいでハルまで!!!

許さない!!!」

「必ずお前を倒してやる!!!」

「ちょ、待ちなさいよあんた達!」





「ハル!しっかりしろ!

なんで…なんで!」

タケゾウは再生を使い

ハルの治療をした。

なんとかすぐに傷を塞ぐことは

できたものの

ハルの意識は戻らない。





「ハル…やっと会えたのに…

なんでこんなことに…。」

タケゾウはハルを抱きかかえ、立ち上がり

辺りを見渡した。

そこではたくさんの者が傷付いていた。

血を流し、また一人、また一人と

倒れていった。




シレーヌス達は序盤でその騒ぎを聞きつけ

動向を見守っていたが

人族が攻撃を仕掛けた為、止む無く戦いに参戦していた。

ステラが傷を負い、ネルとダイモスがそれを

カバーしつつ

シレーヌスが統率し始めたが

タケゾウの仲間だと聞いてしまっているので

シレーヌス、ネル、ダイモスはうまく動けず

ネルを庇ったダイモスも人族の刃に倒れた。

シレーヌスがその状況を打破する為

人族を押し退けようと炎による防御壁を作った。

その壁の内側ではネルがダイモスに必死に再生を

使っているが、傷は未だに塞がらない。






人族は殺そうと龍人に襲いかかり

龍人は何とか無力化できないかと

そんな戦い方だった。

そしてその差は簡単に龍人の劣勢を招いた。

状況はすぐにタケゾウにとって悪い方へと

動いていった。





「やめろ。

もうやめろよ!!!!!!!!」

タケゾウは叫んだ。

それでも戦いは終わらない。




『ああ…まただ…。

俺が弱いから…。

もう嫌だ。

なんで何もうまくいかないんだ。

なんで誰かが傷付かなきゃいけないんだ。

なんで何一つ守ることができないんだよ!』

そんなタケゾウにルーナが叫んだ。




「タケゾウ!

叫んでも強くなんてならない!

守りたいものも、取り返したいものも

今、ここに!

目の前にあるでしょ!!!

ちゃんと見て!

理由なんて探してないで

戦えタケゾウ!!!」

「ルーナ…。」





タケゾウは少し移動し

ハルをソっと下ろすと

キルクルスを使った。

制限解除リミットリリース

ハル…。

ルーナの言う通りだ。

弱さも虚しさも

生も死も知った。

立ち向かうんだ。

出来る出来ないじゃない!

もう誰も…失いたくない!

後悔してる暇なんてない!

ハルだってまだ死んだわけじゃない!

サヤは目の前にいる!

俺はまだ失ってなんかない!

制限解除リミットリリース

魔力との調和だ。

キルクルス

制限解除リミットリリース

…』

タケゾウはキルクルス制限解除リミットリリース

を闇雲に使った。

『戦うんだ!

戦うんだ!

もう逃げない!』

「うあぁおあおあおああああああ!!!!!!!!!!」

タケゾウはキルクルスを使い具現化するたび体に

取り入れていった。





「あらあら。

なんか少し危なげな雰囲気。

よくないわね!」

人族の者がタケゾウに斬りかかった。

「おらぁああ!!!!」

タケゾウは反射を使い跳ね返し、押し戻す。






「あらあら怒っちゃって。

けどその怒った顔は好みよ。」

「どうすれば…止まる…

…折るか…壊す…。」

「あらあら。

独り言なんて連れないのね。

そんなじゃモテ…」

その言葉を遮りタケゾウは

人族の者の腕を手刀でへし折った。

人族の者はたまらず持っていた剣を落とした。






「ぐ…

あらあら。

折れてしまったのね。

女性に暴力なんて感心しない…って

もういないのね。」

人族の者は地面に膝をつき

折れていない方の腕で剣を拾った。






「サヤ!」

タケゾウはルーナ、サヤ、キヨトの

戦いに参戦した。




「もうやめろ!!」

そこにもう先程の二人の人族のうちのもう一人が

やってきた。

「耳を貸すな。

二人は魔王を倒すんだ。

俺はタケゾウくんをなんとかする。」

「「わかった!!」」




「おい二人とも!!」

「タケゾウ!

もうみんなのとこも限界だと

思うの!

無力化するためには傷つけることになる!

覚悟して!」

「ルーナ…。

すまん!覚悟はしてる!

二人を頼んだ!

シレーヌスのことも頼む!

みんなに自分の命を優先してくれって伝えてくれ!!」

「わかった!!」





そこに一線、剣撃が飛んでくる。

「タケゾウくん!

目を覚ますんだ!」

「お前に何がわかんだよ!

目を覚ますのはお前らのほうだ!!」






タケゾウの守り、取り返すための戦いが始まった。

遅くなり申し訳ありませんでした。

読んでくださりありがとうございます。

コツコツ投稿していけたらなと思っています。

よろしければ評価、ブックマークお願いします。

楽しんでいただければ幸いです。

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