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食事取らなきゃ

「食事取らなきゃ

死んじまう。

睡眠取らなきゃ

死んじまうと昔からよく言いますので

しっかりと食事と睡眠からですよ

タケゾウさん。」

「それに似た言葉

俺の世界でもあったよ。」

「そうなんですね。

やっぱりどんなことも

食事と睡眠からということですね!

では私が何か作ってきますので

タケゾウさんは座って待っていてくださいね。」

食堂についたタケゾウとマルース。

マルースは意気揚々と

料理を作りに行った。

タケゾウはマルースに言われた通り

椅子に腰をかけた。






『マルース…。

自分のことで大変なのに…。

今度、お礼しなきゃな。

やっぱりそれはアレースを…。

…アレース…無事でいてくれ。

アレースは未来が見えるから

攫われたんだったよな…。

そう言われれば合点がいく場面が

いくつもあるな。

待てよ…。

未来が見えたなら

なんでこの最悪の出来事のこと

黙ってたんだ?

言ってくれれば

対処出来たはずだ…。

ニチカが裏切ったのも気になる。』

タケゾウは今回の出来事の

疑問について考え始めた。






『やっぱりおかしいよな…。

未来が見えるならこれ防げるもんな。

となるとやっぱりわざとなんじゃ…。

マルースみたいにいつ、何が見えるか

わからないのかな…。

そこはマルースに聞いたほうがいいよな。

神が言ってる通りの戦いなら

ニチカの戦いも変だ。

数で勝ってる時点で

ニチカには圧倒的に有利な状況だ。

それがお互いに牽制してるってのは変だ。

ルーナとゼニスが牽制していたのは

ニチカを傷付けないようにとか

周りの被害のことを考えてとか

そんな理由だろうけど

ニチカが牽制する理由が見当たらない。

むしろルーナかゼニスのどちらかでも

仕留めたかったはずだ。

なのになんで…。

二人の行動を考えると

やっぱりわざと捕まって

裏切ってみせたとしか思えない…。』

タケゾウが悶々と悩んでいると

マルースが料理を運んできた。





「大したものは作れませんでしたが

一応、肉詰めとお味噌汁は作れました。」

「おお!ありがとマルース。

いただきます。」

マルースは肉詰めと味噌汁、それに白いご飯を

運んできた。

「うわ。

あー…染みるわ。」

「よかったです。

タケゾウさんは悩んでる顔より

そっちのほうがいいと思います。」

マルースはタケゾウの正面に座り

ニコニコとタケゾウに微笑みながら言った。






「俺だって悩むことあるんだぞ?

あ、マルース。

千里眼のことなんだけど

少し聞いてもいいか?」

「…はい。

姉様のことですね。

なぜ未来が見えたのに

教えてくれなかったかですね?」

「さすがマルース。

その通りだ。

何かわかるか?」

「これはあくまで推測ですが…。

おそらく姉様の千里眼も

不安定なものなのだと思います。

私の千里眼は直近の未来が断片的に見えます。

またその見えるものも

不鮮明だったり

一瞬すぎることだったりと

かなり不安定です。」

「なるほど…。

見えたはいいが

なんだったかわからないこともあるのか。」

「はい。

鮮明に見えることもありますけどね。

それで今回の件ですが

姉様はしっかりと見た可能性もあります。

あの速さでの反応は知っていないと無理なのでは

とも思います。

それに見た未来が一つとは限りません。

色々なシーンを見たのかもしれません。」

「ん?ちょっと待てよ。

直近のってどの程度近い未来なんだ?」

「私の場合はすぐ起きることから

一日後のことまでが今のところ

最長です。」

「となるとアレースはいつの未来が見えたんだろう…。

様子を見ていると少し変なところがあったから…。」

タケゾウはまた考え始めた。

「それはやはり姉様しかわからないです。

姉様の力について私は知らなかったので…。」

「なるほどな…。

もしかしてアレースもう少し先の未来が

見えていた可能性ってあるのかな?」

「それはあると思います。」

「なるほどな…。

何にしてもシレーヌスを守った件はやっぱり

見たことがあるというのが

正しいような気がする。

もしかすると

あいつらに捕まったその後を

見た可能性もあるもんな。

…やっぱり直接聞いたほうが早いな。

いくら考えても

この答えは本人しかわかんねーわ。」

タケゾウは飯を食べながら

マルースに言った。





「ぷふ。

タケゾウさんらしいです。

では姉様をどう探すかが

問題ですね。」

「そうだな。

ゼニスの用足しも気になるが…

まずは飯食って

しっかり寝ることにするよ。」

「なんかその辺はタケゾウさん

起きてから変わった気がします。

前のタケゾウさんならそんなこと

言わないで

今すぐ探そうって言いそうです。」

マルースがそう言うとタケゾウは頭を掻きながら

苦笑いしつつ言った。





「いや…実はそうしたいんだけどさ。

なんつーかさ…。

たったこの数日で色んなことに

気付いたんだ。

自分がすげー無力なんだなとか

初めて本気で殺意というか怒りって

なんなのかとか

覚悟するってどんなことなのかとか

わかったよ。

それに…さ。」

「それになんです?」

タケゾウは頭を掻きながら顔を下げ

少し考えた後

マルースを気恥ずかしそうに見ながら言った。





「たはは…。

やっぱなんでもねーわ。」

タケゾウはそういうとマルースを見て

いつものいたずらっ子のような笑顔で笑った。

それはとても無邪気で

気恥ずかしそうで

そんなタケゾウの笑顔につられマルースも

笑ってしまった。

「もう。

何なんですか一体。

気になります。」

「はは。

雰囲気で察してくれ。

言葉に出さなきゃわからないって

よく言うけど

伝わるようにこれから

俺、頑張ってくんで

よろしくなマルース。」

「全然わかりません!

気になります!」

「ははは。

そんなに気にすんなよマルース。

けど、俺なりには伝えたつもりだ。

これからアレース探すの頑張ろうな。」

タケゾウはそう言うと

ご飯をさらにおかわりし

たくさん食べた。

マルースは気になりますと

ずっとタケゾウに問い詰めていた。





そして食事が終わり

タケゾウは例のごとくソファで寝てしまい

マルースは掛けるものを

持ってきてタケゾウに

掛けてあげた。





『タケゾウさん結局教えてくれなかったな…。

うー…。

気になるー…。』

タケゾウの寝顔を見ながらマルースは考えた。

『まったくもう…。

人の気も知らないで無邪気に寝て…。』

マルースはタケゾウの頬を軽くつねってみた。

『意外と柔らかい肌してる…。』

タケゾウの無防備な寝顔を見て

マルースはつい意地悪につねってしまった。

そして少しだけ顔を近づける。

『タケゾウさん…。

本当にありがとうございます。

私を救ってくれて…。』

「う…う…。」

「はわ!

私…何を…!」

タケゾウがつねられて少し声を出し

マルースはそれに驚き

すぐに離れた。





『び、びっくりした。

私、何をしてた…。

は、恥ずかしい…。

私も寝なきゃな。』

マルースは赤くなった頬に手を当てながら

洗い物を済ませると

タケゾウとは別のソファで

眠ることにした。

『タケゾウさん。

おやすみなさい。

ゆっくり休んでください。』

マルースはそう心の中で呟くと

ゆっくりと眠りに入っていった。






翌朝。






タケゾウは扉が開く音で目を覚ました。

そこには傷だらけのゼニスと

肩を貸しているステラの姿があった。





「おい!

ゼニス!

どうしたんだ一体!!」

タケゾウは飛び起き

ゼニスとステラに駆け寄った。

マルースもそれに気付き起き上がる。

「ゼニスさん!

一体どうしたんですか!」

マルースも慌ててゼニスとステラに駆け寄った。





「かは…。

少し…暴れすぎ…たかもな。

ま、心配…すんな。」

そう言うとゼニスは意識を失った。

「ゼニス兄?

ねぇ…ゼニス兄!」

「ゼニスさん!」

「お、おい…嘘だろ…ゼニス…

ゼニスーーー!!!!」




タケゾウの大きな声が朝の食堂に

響き渡った。











読んでいただきありがとうございます。

コツコツと投稿できたなと思います。

よろしければブックマーク、評価お願いします。

楽しんでいただければ幸いです。

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