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負けられない再戦

『こいつの速さは尋常じゃない。

動きを止めるにも掴めやしない…となると…。』

タケゾウはゆっくりとイオに歩みよっていった。





「さあこいよ!」

タケゾウは駆け引きもくそもない作戦に打って出た。

イオは躊躇なくタケゾウに高速で接近し

その鋭い爪で攻撃を仕掛けた。





「ぐはっ!」

タケゾウはその爪を左腹部に食らうや否や

右拳でカウンターを狙いにいった。

そしてイオはすでにその場にいない。

タケゾウの拳は空を切る。





『ぐ、やべー。

再生で全然治らね。』

その傷は治りが遅く

タケゾウは最初から

強烈な一撃をもらってしまった。





『こうじゃねーな。

消えた瞬間に踏み込むか。』

タケゾウの作戦とは

痛みが走ったら殴るという

作戦と呼べるかどうかも怪しいものだった。

そして前方に意識を集中させるという

狙いもあったが

いつまで持つかまったくわからない状況だ。



「おら!もう一発こいや!」

イオはまたも消えるほどの速さでは

今度はタケゾウの背中に一撃を食らわせる。

「ぐ!!」

イオも警戒したのかこの一撃は浅かった。

タケゾウは前に踏み込み

拳を突き出していたのでそれも幸いしたようだ。





『やっぱ尋常じゃねーな…。

こんなの何発ももらってたら死んじまう。

制限解除リミットリリース

キルクルス

あとは…当たんねーのはわかってるし…

一か八かだが…あとは…。』

タケゾウはキルクルスした魔力を再生と防御に費やし

攻撃を繰り返した。




「ぐはっ!」

「タケゾウ!」

ステラが叫んだときには

イオの一撃はタケゾウの背中にクリーンヒットしてしまい

タケゾウが膝をついてしまう。

肉がえぐれ

血が滴り落ちている。

だがどの傷も浅いようだ。





イオもタケゾウのキルクルス

を警戒しているようだ。

さらにタケゾウには好都合なことに

おそらくスピードが落ちている。

蓄積した疲れと

先ほどのダメージがここにきて

イオに動きを鈍らせたのだろう。

それもあり

イオは一気に勝負を決めず

じわりじわりとタケゾウを弱らせてから

仕留めるつもりのようだ。




だがそれでもタケゾウには

捕まえることなどできず

イオの攻撃は確実に

タケゾウを弱らせていった。

立ち上がては膝をつき

立ち上がってはガードをし

立ち上がっては倒されると

そんな一方的な攻防が繰り返された。




『背中…はぁ…はぁ…背中に集中してきたな…。

警戒はしてる。

やっぱ当たらなかったが

あとは…やるしかねーな…。』

タケゾウはゆっくりと立ち上がり、構えた。

そしてキルクルスをした魔力を体内に取り込み

わかりやすく前方を腕で覆い隠し防御した。





「ぐ…おらどうした?こいよ!!」

イオも頃合いとみたようで

高速接近し

前方に一撃フェイントを入れ

即座に後方に回り

思い切り踏み込み

本命の渾身の一撃を放つ。





その瞬間。





イオが後方にものすごい勢いで飛ばされる。

「ぐ…何が…。」

地面を転がって倒れたイオは事態が飲み込めず

起き上がろうとした際に手に激痛を感じる。

「お、折れて、る?」

イオは自分の腕が

曲がってはいけない方向に曲がっている

のを激痛とともに

目で確認した。






「おらぁ!!!」

タケゾウがすかさず距離を詰め

キルクルスした魔力を全て詰め込み

イオの腹部に思い切り拳を突き立てた。

イオの体は石畳に埋まり、クレーターができた。

ついにタケゾウが渾身の一撃をイオに叩き込んだのだ。

イオの意識は断ち切られた。





「はぁはぁはぁ…ステラぁあ!行け!!!」

「わかった!!!!」

タケゾウは間髪入れずステラに指示を出す。





「マルースは…。」

タケゾウもマルースの方に

加勢しようとマルースの方を向くと…。





炎大行進デッドエンド!」

ものすごい地響きとともに大地が揺れた。






「はは。

こりゃすげーや。」

「タケゾウさん!!」

マルースは近くにある穴という穴に

炎大行進デッドエンドを打ち込み

地中にいる獣人を攻撃した。

そしてすぐさまタケゾウの元にやってきた。






「マルース…ぐ…すげーなほんと。

あれなら間違いなく倒したな。」

タケゾウはそう言いながらフラフラと

こちらに向かってきている

マルースに近寄っていった。

「い、いえ…どうかはわかりません。

とにかく行きましょう!」

マルースはタケゾウの元に来るとそう言い

ステラの方に走る出す。

だがタケゾウの足には

すでに力がなく

膝をついてしまう。

「ぐ…マルース、先に行け。

今の俺じゃマルースほど速く動けない…。

必ず行くから。

アレースとステラを頼む。」

「タケゾウ…さん。

わかりました!必ず来てください!!」

マルースは少し迷ったがステラ、アレースのほうに向かった。





「ふう。

なんとかなりそうだな…。

良かった。

俺も…行かないと。

再生をして…。」

「油断していていいのかい?」

「な!?」

タケゾウはすぐさま跳びのき、戦闘態勢を作る。





「お前…まだ諦めてねーのか!」

タケゾウの背後に出現したのはメルだった。

魚人の兵士はおそらく力尽きたのだろう。

「随分と余裕そうだったのでつい声をかけてしまったよ。

あちらはいいのかい?」

そう言うとメルはゼニス、ルーナの方を指差す。

「あいつらは強い!

俺なんかじゃ邪魔になるほどにな。

ニチカだってあいつらには勝てないさ。」

「ふーん。

そうなのか。

マルースちゃん達はお仲間と合流したみたいだね。」

タケゾウは振り返り

マルース達が龍人の兵士と合流したのを見て安堵した。

「はは。

もう諦めろよメル。」

「さてそれはどうかな?」

メルはその口の端を吊り上げて

不気味に笑った。





「ジョゼ!?」

「マルース様!」

マルースの元にやってきたのはジョゼだった。

「よかった。

ジョゼ!姉様を安全な所へ!

私はルーナさんに加勢に向かいます!」

「承知致しました!」

「知り合いみたいね。

よかった。

私もゼニス兄に加勢に行く!」

二人はジョゼにアレースを受け渡し

ジョゼに背を向けた。








「それはどうかなってもうお前らの目的は…」

その瞬間、ジョゼに背を向けた二人は

後ろから斬りつけられてしまった。






「マルース!ステラ!!」

「まったくもって学習能力がないねきみたち。

先ほど兵士が裏切ったばかりだと言うのに。」

「て、てめー!!」

「おっと。

そんなノロマな動きで僕に攻撃が当たるはずないだろう。」

タケゾウの伸ばした拳は

簡単にメルに避けられてしまい

タケゾウは伸ばした拳に引っ張られるように

フラフラと前方に進んだ。





「ちきしょう!!」

タケゾウは振り返り

メルを睨んだ。

「ははは。

そんな目で睨むなよ。

弱いタケゾウくんが悪いんだから。

何も守れないねきみは。」

「ぐ、このぉ!!」

「あーめんどくさい。

弱いくせに。」

メルはタケゾウの拳をまたサっとかわすと

脇腹に蹴りを入れ、タケゾウは飛ばされ

倒れてしまう。

「ぐ、この…。」

「あはは。

ほらどうした?」

「タケゾウ殿!」

「あらあら増援か。

全くもう。」

タケゾウとメルの間に三人の龍人の兵士が割り込んだ。





「タケゾウ殿!大丈夫ですか!?」

「大丈夫…お前らは…」

「安心してください!味方です!

王は現在、意識のない状態ですが

安全なところに避難致しました!」

「そうか…一緒に戦ってくれるのか?」

「もちろん!タケゾウ殿はアレース様の恩人ですので。」

「ありがとう。

心強いよ!」

二人は構えメルを警戒し、一人がタケゾウに手を差し伸べる。

「ふーん。

そんなに油断してていいのタケゾウくん?」

メルがそう言うと突然差し伸べられた腕が切り落とされた。

地面には鋭い氷の刃が突き刺さる。





「ぐぁああ!!!」

兵士の腕が血飛沫とともに転がり落ちる。

タケゾウと三人は必死にメルから距離を取った。





「ぐ!んん!ふぅ、ふぅ!」

兵士は必死に自分の腕を布で縛り上げる。

「おい、お前大丈夫か!

今再生で…」

「平気です!それより来ます!!」





メルは剣を抜き

タケゾウと兵士達に突っ込んでくる。

「ぎゃぁぁぁぁ!」

「この!!!…うわぁああ!!」

一人の兵士は足を切り落とされ

崩れ落ちる頃には頭部は胴体と繋がってはいなかった。

もう一人は腹部から分断され

嫌な音とともに地面に転がった。






「あ、ああ…やめろよ…やめろよ!!」

タケゾウはその惨状を見るや否や

飛び出しメルの背後から攻撃を仕掛けたが

回し蹴りにて押し戻され倒れてしまった。

タケゾウを背に腕を無くした兵士がメルとタケゾウの間に割って入る。





「タケゾウ殿…ぐ…生きてください…必ず!

立って!マルース様の元に早く!!」

「あ…ダメだ!それじゃあんたも…行くな!」

「早く!!!

アレース様を…マルース様を…お願いします!!」

兵士はそう言うとメルに斬りかかった。






「やれやれ。

そんな剣では届きはしないよ。」

「ぐぁああああ!」

兵士ももう一本の腕が宙を舞う。

「タケゾウ殿!早く!!」

「で、でも…」

「タケゾウ殿!!」

「ぢぎじょう!!」

兵士は突進し

メルに体当たりをした。

その隙にタケゾウはマルース達の元に走り出した。







読んでいただきありがとうございます。

次回は本日の夜に投稿できればと思っています。

よろしければ評価、ブックマークお願いします。

楽しんでいただければ幸いです。

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