突然の
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「あれ?
もしかしてもう着いたのか?
俺寝てたんだな…。」
「タケゾウくん
ゆっくり寝れましたか?
今着いたところでですよ。」
タケゾウはすでに城の中にいた。
「悪かったなヘイズ。
ここまで歩いて来たんだろ?」
「ええ。
ですが何も気に病むことなどありませんよ。」
タケゾウはヘイズの背から降りると
まだ本調子には程遠く
フラフラしてしまった。
「タケゾウ。
まだ歩き回れないんだから。
ほら捕まって。」
そこにいち早く駆け寄ったのはすぐ隣にいた
ステラだった。
タケゾウに肩を貸し
ゆっくりと歩く。
「ステラも仕事で疲れてるでしょ?
タケゾウの世話はあたしが変わるから。」
「そうですね。
ここは世話役の私が。」
ルーナとマルースはステラにそう言ったが。
「ううん。
このくらいはさせて欲しい。
タケゾウがフラフラしてるのも
私のせいだし。」
そう言うとタケゾウの背に手を回したステラ。
『ぐぬぬぬぬ。
出遅れてしまった!』
『うむむむむ。
やってしまった。』
「「でもまぁ今日くらい…」」
ルーナとマルースは思ったことが
重なって声となったことに
ぷふっと笑って顔を見合わせた。
「タケゾウ!
どうしたのです?」
そこにアレースとサリースがやってきた。
ヘイズが事情を説明する。
「そうだったんです。
さすがタケゾウです。
では食事にしようです。
タケゾウはその前にお風呂にするです?
それとも…」
「食事にしましょう姉様!」
「そうよ!食事にしよう!」
ルーナとマルースが故意に
アレースの言葉を遮り
皆に言った。
『ふふふ。
それとも少し仮眠を取りますか?って
聞こうとしただけなのですが…。
ふふ。
必死に食らいついてくるですね。』
アレースはクスクスと笑った。
「そうだな。
とりあえず飯くいてーわ。」
「ふふふ。
ではそうしましょうです。」
皆が食堂に移動した。
移動中、後ろの三人からは火花が散っていたが
そのことに誰も気付いてはいない。
「ぐおん。」
「おお。
ただいまサリース。」
タケゾウの席の横にサリースが来て
タケゾウに声をかける。
「ぐ、ぐおん。
ぐおん?」
「ん?いや特に何も忘れてないけど…。」
サリースとタケゾウが会話していると
食堂にニチカがやって来た。
「あ、タケちんいたいたー。
どう調子?
明日は頑張れそー?」
「ん?何の話だ?」
「いやいやあのね。」
「タケゾウさん明日は武闘会の日ですよ。」
「え!?
そうかもうそんなに経ったのか。
忘れてたー。」
タケゾウは頭を掻いた。
「まったくもうです。
昨日と今日のことで
すっかり頭から離れてしまったようです。」
「あはは。
タケゾウらしいって言えばらしいけどね。」
そんな会話を笑いながらしつつ
皆は席に着いた。
ヘイズはタケゾウの隣に座り
逆隣には肩を貸していた
ステラが座った。
「タケゾウくん。
そんな時に本当にすまない。
ありがとう。」
「これは俺がやりたくてやったことなんだから
気にしなくていーよ。
しかしほんと良かったわ。
多分これは俺じゃなきゃダメだったと
思うわ。
いや…もしかしたら
サクヤでも…。」
「タケゾウ。
あたしもそれについて聞きたかったの。
どうやって治したの?」
「俺の世界じゃ目の内部の詳細までわかってるんだ。
ルーナが言ってたイメージってのをして
やってみたんだ。
目がそこにあって無くなってないのに
再生出来ないってのはなんか違う気がしてさ。」
「タケゾウの世界だとそんなことまでわかってるの??
すごいね。
それに顔の傷も元通りになってるし。」
「それは発想の転換だよ。
そこがえぐれて無くなったなら
他から持ってくればいいかなってさ。
俺の世界には手術ってのがあって
その真似事みたいなことしたんだ。」
「へぇ。
タケゾウの世界ってほんとにすごいんだね。
それ魔法なしでやるんでしょ?」
「ああ。
そもそも誰も魔法なんて使えないしさ。」
「ちょっと待って。
タケゾウの世界って何?
まるで違う世界みたいな言い方…。」
「そうですね。
私もそれが気になりました。」
「あれー?
知らなかったの?
タケちんとニチカは出身が同じ世界なの。」
「「ええええ!!!」」
「あれ?言ってなかった?」
「言ってないってーの!」
「ま、そういうこと。」
「ふふふ。
タケゾウくんは面白いですね。」
ステラとヘイズは驚きを隠せない様子だ。
「これでタケゾウがもっと
再生に慣れたらもしかしたら
なんでも再生できるかもね。」
「いや…俺にその知識はそこまでないからな…。
今回はたまたま知ってただけだしさ。」
「それでもすごいです。
さすがタケゾウです。」
「そうですよ。
タケゾウさんすごいです。」
「ありがとな。
ステラもヘイズも喜んでくれたし。
今日はいい一日になった気がするわ。」
タケゾウが隣にいるヘイズに
笑いながら言った。
「それでタケゾウくん。
お礼のことなんですがどうでしょう?」
「いやほんといらない。
これからはもっと
楽に生きていけばいーじゃんか。」
「そうはいきませんよ。
皆からも説得してもらえませんか?」
「お礼くらい受け取ってもいーんじゃない?」
「タケゾウさん。
せっかくお礼をしたいと言っているのですから
受け取ってあげるべきですよ。」
「そうね。
タケゾウは良いことをしたのだし
その対価をもらっても
何も恥じることはないわ。」
「そうです。
わたくしからもお願いします。」
皆がヘイズに協力し
お礼を受け取るようタケゾウを説得する。
「あのなみんな。
ヘイズの言うお礼が何か知ってるのか?」
「そう言えばそうです。
ヘイズ。
何をお礼に差し出すつもりなのです?」
「この命とこの身を
タケゾウくんの願いを叶えるために
使って欲しいと言いましたよ。」
「そ、それはやりずぎじゃ!」
マルースが驚きながらヘイズに言った。
「いえ。
私の命より大切な妹を縛っていた…
いえ…私達を縛っていた呪いを
タケゾウくんは解いて来れました。
この命を差し出すのは当然として
タケゾウくんの願いを叶えたいと思います。」
「そ、そこまで…。
タケゾウの願いって何なの?」
ルーナはタケゾウの願いが
気になりタケゾウに質問をした。
「ちょっと待て。
何でみんなそんな顔してんだよ。
人様に命使ってもらってまで
叶えてもらいたい願いなんてねーよ。
じゃヘイズ。
俺の願いは腹減ったから飯食いたいだ。
今すぐ飯食おう。
みんなで。
それがお礼だ。
これでヘイズのお礼の話は終わり。」
「い、いやでも…」
「でもとか無し。
それとも何か?
俺の空腹を満腹にしたいと願う
この願いは馬鹿臭いとでも?」
「い、いやそうは言ってないですが…。」
「じゃ今すぐ飯食おう。
そして欲を言うなら
これからも妹を大切にする兄で
あってくれ。
(俺には…できなかったことだからな。)
以上!
じゃ飯!」
タケゾウがまくしたてるように
最後は小声で
ヘイズに言った。
ヘイズもとりあえずは
諦めたふりをして
自らが料理を運んだ。
「「「「「「じゃいただきます。」」」」」」
「ぐおん。」
皆はようやく飯にした。
「そう言えばマルース。
弁当ありがとな。
すげーうまかったよ。」
「い、いえ。
もし良ければ仕事の時は
これから作りますよ?」
「そうだな。
それ助かるわ。
マルースさえ良ければだけど。」
「良いですよ。
何か食べたい物があれば
言ってくださいね。」
マルースは弁当を褒められ
嬉しい気持ちを
その笑顔いっぱいに表現し
タケゾウに言った。
そこにルーナがとアレースが割って入る。
「マルース。
今度はあたしが作るわよ。
一人じゃ大変でしょ?」
「ルーナはそろそろ国に帰らなきゃ
いけないです。
かわりにわたくしが作るですよ。」
「あ、あのさタケゾウ。」
「ん?どうしたステラ?」
そんな弁当論議に今度はステラが割って入った。
「タケゾウはどうしてこの世界に来たの?」
「仲間がこっちの世界に無理やり
連れて来られてさ。
それを取り戻しに来たんだ。」
「そうなんだ。
じゃ、これからもギルド回ってお金稼ぎながら
その仲間を取り戻しに行く予定?」
「ああ。
そのためにギルドに入ったし。」
「じゃ私も連れてって。
必ず力になるって約束する。
私もタケゾウになんかお礼したいんだ。」
ステラはタケゾウにお願いした。
その目からはとても強い意志を感じる。
「い、いやそんなことしなくて
いいって。
ヘイズも悲しむだろ。」
タケゾウはヘイズの方を向き
ヘイズの顔色を確認するように言った。
「タケゾウくん。
私もその願いを
叶える力になりたいと思います。
ギルドを渡りながらどこまで
行く予定ですか?」
「……。
人族のところにいるはずだから
そこまで行くつもりだけど。
ほんと二人とも気にし過ぎだよ。」
「タケゾウ。
頼むよ。
私にできることなんて
ほんとに少ないんだ。
それでも何か…タケゾウに返したい。
お願いだ。」
「私も必ず力になろう。
ギルドを渡りながらということなら
私はマスターでいたほうが
何かと便利に事が運びそうですね。
根回しは任せてくださいね。
それにいざという時は必ず
駆けつけます。」
二人が真剣に言うその言葉に
タケゾウは押され
少し考えてから言葉を発した。
「…。
ほんとにいいのか?
もしかしたら
戦いとか変なことに巻き込んじまうかも
しんねーぞ?。」
タケゾウはステラとヘイズに真剣に言った。
それを二人も真剣に受け止め
即答する。
「いい。
それでタケゾウの役に立てるなら。」
ステラが言い切る。
「私もステラと同じ意見です。
もとよりこの命はもう
タケゾウくんのために使うと決めたのですし。」
ヘイズが続き、これまた言い切った。
タケゾウは観念したかのように
二人に言った。
「…。
じゃ頼むよ。
けどさ…。
死ぬのだけは無しな。」
「ふふ。
ようやく折れてくれましたか。
これで恩を返せます。
必ず仲間を取り返しましょう。」
「やった!
タケゾウ!
私すげー頑張るから!
それとさ…。」
ステラはそう言うと
隣に座っているタケゾウに
こっちこっちと手招きをした。
日頃のステラからは
想像もできない程
少しの恥じらいと女性らしさを
感じる姿だ。
「どうしたんだ?」
タケゾウはそのギャップに少し驚いたが
内緒の話でもするのかと耳を近づけた。
すると頬に柔らかい感触がやってきた。
耳元ではチュっという音が響く。
タケゾウは何事かと頬に手を当てた。
他の一同は声すら出ず
口を大きく開け、目を見開いている。
「そ、それとさ…。
髪…綺麗にしたし…
顔もタケゾウに治してもらったしさ。
あの…お婿さんに来てくれる話…
考えてくれない?
あ、そ、その…
お嫁さんに行くでも良いよ。
………。
あ、で、でも
そばに置いてくれるだけでもいい。
私ね、タケゾウのこと
好きだよ。」
「「「「えー!!!」」」」
一同は開いた口から
割れんばかりの声を放出した。
「あはは。
タケゾウくん。
お婿さんが無理ならお嫁さんでも
もちろん良いですよ。」
「私…今の初めてだったんだ。
責任…取ってよね…。」
タケゾウは驚きながら
隣を見た。
そこには知っているステラではなく
すごく綺麗な女性が座っていた。
その恥じらう綺麗な女性は
今までのステラからは想像も出来なかった。
そのギャップと頬に感じた感触に
タケゾウは頬が熱くなり
鼓動が早まるのを感じた。
「ちょっと待って!
今のは自分からしたんだし
責任取るのは違うじゃんステラ!」
「そ、そうです!
これは無しです!」
「そ、そうですよ!
これは無しです!
ステラさんいきなり
反則ですよ!」
ルーナ、アレース、マルースが
動揺を隠せないままステラに言った。
「責任取っては冗談半分だけどさ
今言った事は本気だよ。
それにタケゾウの願いを叶えるのに
私はいた方がいいと思う。
みんなは国のことがあるじゃん?
私はこの世界のどこに行っても
問題ないし。
みんなにはそれ、出来ないんじゃない?」
ステラの的確な言葉に
すぐさまマルースが反論した。
「私は出来ます!」
マルースがすぐさま反論したのに
対してルーナ、アレースは少し悩み
答えた。
「あ、あたしだってできるもん!」
「わたくしはできません…です…。」
「ルーナもほんとは出来ないでしょ?
マルース様はほんとにできるとしても
ギルドのことだったり
外の世界のことは知らないよね?」
「あ、あたしは…。」
「外の世界のことも知っています!
タケゾウさん!
私も連れてってください!
お願いします!」
マルースはそう言うと
席から立ち上がり
タケゾウにお願いした。
「…お、おち、ちちつけ!」
「タケちんがね。」
ニチカが挙動不振で
動揺を隠せない
タケゾウに鋭くツッコミを入れた。
「ステラがタケちんに
着いていくのは私としては賛成かなー。
マルースも一緒ならより安心かもね。
タケちんいっそ武闘会出ないで
もう三人で行ったほーいいんじゃない?」
「そ、それは出来ないな。」
「なんで?」
「俺はルーナの警護をするって約束が
あるんだ。」
「必要ないんじゃない?」
「必要あるもん!!」
「ルーナ…。
確かにルーナに護衛は必要です。
ですが姿を見せていないだけで
数名、すでに護衛がいるです?
それにルーナはとても強いです。
それでもルーナにはタケゾウが
必要です?」
「必要だもん!」
「それはタケゾウの願いを…」
「アレース。
心配してくれてありがとな。
でも警護のあとは
魔族の人達と一緒に
人族の調査に行く予定だし
大丈夫だよ。
ギルドにも無事に所属できたしさ。
これで金銭面の問題もなんとかなりそうだし。
そりゃ早いほうがいいのはわかってるけど
約束は約束だからさ。
心配してくれてありがとな。」
タケゾウはアレースの
言葉を遮るように言った。
ルーナはアレースが言おうとしていた
ことを考えているようだった。
「ま、タケちんがそう言うなら
いーけどさ。」
「そうですね。
私はまだタケゾウくんの
事情をそこまで把握できていない
のでタケゾウくんが
望むようにするのが一番に
感じますね。」
「タケゾウさん…。
私も必ず力になりますから!」
「タケゾウの力には
私がなるってーの!」
「あはは。
みんなありがとな。」
少し緊迫した空気にはなったが
その場はそれで収まった。
だが一つ問題が残ったままだった。
「ところでタケちんは
どうするのー?」
「ん?どうするっていうと?」
「アレースにも告白されて
ステラにも告白されて
すごいモテ男になってるじゃん。」
「そ、それは…その…。」
「タケゾウ!
わ、私は別に…その答えを
急いでなんてないからな!」
「わたくしも
急いでいないです。
次に…聞いた時に答えを
聞かせてくれればいいです。」
「あ、ああ。」
「あータケちん逃げたな。
男らしくないなー。」
「お、おいニチカ!
これは…その人の一生を左右するかも
しれないことなんだぞ!
そんな気軽には…。」
「重っ!
そこまで考えるとか
タケちん今までの彼女いたことないでしょ?」
「わ、わりーかよ。
こんなんしっかり悩むに決まってるだろ!」
「はいはい。
そう言って逃げてるうちに
きっと二人とも
冷めちゃうんだからねー。」
タケゾウはニチカの攻撃により
頭をさらに抱えた。
まさかこんな展開になるとは
思ってもないことだった。
「ニチカ様!
そんなにタケゾウさんを煽らなくても
いいんじゃないですか?
タケゾウさんはしっかり悩みたいようですし…。」
「ふーん。
まあいいけどねー。」
「では今日のところはこれで
終わりにしましょう。
タケゾウくんも疲れていますし。」
そんな会話をして
食事を終えた皆は
各自部屋に戻っていった。
「なあサリース。」
「ぐおん?」
「俺なんかのどこがいいのかな?」
「…ぐおん。」
「さあねってお前…。
まあわかんねーよな。
けどもう少し考えてくれても
いいんじゃねーかこの。」
タケゾウは部屋に戻り
サリースを撫でながらじゃれあった。
撫でられたのが気持ちよかったのか
サリースはその場で横になり
タケゾウはそれにもたれかかるように座った。
「この世界にこれてさ…。
たくさんの人に支えてもらって。
ほんといいやつしかいねーのかよってくらい
いいやつにしか会わないな俺。
そして姫様に綺麗な年上のお姉さんから
告白されてさ。
友人に美人な魔王と天使みたいなやつがいて…。
これでみんなを助けられたら
すげーご都合主義だよな。
そんで今のこの世界で
起きそうな戦いを…止められて
英雄とかになったりしてな…。
さすがにそれは出来過ぎか…。
明日の武闘会
勝てれば…いいなあ…。」
タケゾウはそのまま眠ってしまった。
皆が部屋で思い思いのことを考え
そうして夜は更けていった。
読んでいただきありがとうございます。
次回投稿は二十三日を予定しています。
楽しんでいただければ幸いです。




