おデートです…そして球技です。
「タケゾウはどんな肉詰めが好みですか?」
「え!?
肉詰めに種類なんてあんの!?」
タケゾウとアレースは街でデートを始めていた。
「あるですよ。
タケゾウと父様が好きな肉詰めは
基準となるものになります。
一番愛されている肉詰めですね。」
「他にはどんなのがあるんだ?」
「他にはものすごく辛い物から
デザートまで結構な幅の広さがあるです。」
「デザート!?」
「はいです。
パフェに入っているアイスというものを
肉詰めの皮で包み、カリっと揚げたものです。」
「それもう肉詰まってないじゃん。」
「ふふ。
そうです。
けれど結構人気あるのですよ。」
「そうなんだ。
まあうまいならなんでもいいよな。
アレースはどれが好きなんだ?」
タケゾウはアレースに好みの味を聞いた。
アレースはそのタケゾウの質問が嬉しく
さりげなく腕を組んだ。
「わたくしは色々と食べましたが
やっぱりタケゾウと同じものが
好きです。」
「あ、そ、そうなんだ。
じ、じゃあそれ食べに行こっか。
て、てかアレース…。
その少し離れて歩かないか?
い、い、いくらなんでもくっつきすぎだ。」
「あれ?
タケゾウ?
もしかして照れてるです?
腕組んだくらいで恥ずかしいなんて
ふふふ。
タケゾウも結構子供なのです。
可愛いです。
それとも今の好きですっていうのに反応したです?」
「べ、別にこのくらいで…照れたりしてねーし!
お、俺は子供じゃない!
そして反応もしてない!
断じてしてない!」
「じゃ腕組んでるのはいいです?
もう子供じゃないんですよね?」
「い、いや…
それは…。」
「じゃ今日くらいはわたくしの我が儘に付き合って
欲しいです。」
「んー…まあ今日くらいなら…。」
タケゾウはアレースの押しに負けた。
だが、まんざらでもない様子だ。
「あれあれ?
アレース様…もしかして旦那様が出来ましたか?」
通行人の少し歳を取った女性がアレースに話しかけてきた。
「ふふふ。
まだ旦那様にはなっていないのですが
好きな人が出来ましたです。」
「あれまあ。
じゃお付き合いしてるんですか?」
「いえ。
まだ答えをもらってないのです。」
「あれあれあれ。
アレース様。
応援していますよ。」
女性はそう言うと街の中心部目指し
結構な早歩きで消えていった。
タケゾウは嫌な予感がしてたまらなかった。
その後も街をゆっくり歩き
色々な者達に冷やかされ
妬まれてと大変な思いをしつつ
街を歩いた。
例えていうなら
高校に入学して一ヶ月くらいして
クラスのマドンナ的な人物と付き合ってしまい
クラスを飛び越え学年中から
若者風な冷やかしと妬みを受けた
そんな感じだ。
「結構話しかけられてあんまり前に進めないな。」
「そうです。
でも皆に頑張ってと言われるのは
とても嬉しいです。
外堀から埋まっていく感じが
とてもいいです。
タケゾウもこれで観念して
わたくしを奥さんにしてくれると
とても嬉しいです。」
「な!そんな作戦だったのか!
そんなことしなくても
ちゃんと考えてるよ…。
アレースが本気だってのは
充分わかったからさ。
冗談とか言って悪かったな。
けどさ…
俺的にはアレースみたいな美人が
俺なんかでいいのかなって
思うんだけど…。」
「ふふふ。
ようやく実感してもらえてよかったです。
わたくしは他の誰でもない
タケゾウのお嫁さんになりたいのです。
ですがわたくしはまだ
全然タケゾウにわたくしのことを
知ってもらえていませんので
もっともっと知ってもらいたいです。
せめて今日くらいは
押して押して押しますです。」
「そ、そうか…。」
『アレース…本気で俺なんかのこと…。
俺もちゃんと答え…出さないとな…。』
そんな会話をしていると
上空をものすごい勢いで通りすぎていく
何かが通った。
「な!
アレース!なんか飛んで行ったぞ!」
「ふふふ。
どうやら来たようです。
思ったよりは遅かったです。」
「アレース?
何かわかるのか?」
「はいです。
タケゾウも知っている人だと
思うですよ。
もう少しゆっくり歩きながら
街の中心に向かうことにするです。」
「あ、ああ。
…?」
タケゾウは首を傾げ
考えた。
なんとなく想像した人物が二人いたが
あんなに速く飛ぶ理由が思いつかず
さらに考えたが答えは出なかった。
「アレース!!
まったくどこに行ったのよ!」
「ル、ルーナさん!
落ちついて!」
ルーナとマルースは街の中心部の広場に
ものすごい勢いで着陸…もとい降臨した。
すでに尾行セットは脱いでいる。
そこに先ほどアレースに声をかけていた
女性が歩みよってきた。
「あれあれ。
マルース様。
お姉様をお探しですか?
先ほど男性の方と腕を組んで
歩いていましたよ。
うふ。
お姉様ついに男性の方を好きになったと
今皆で話していたのですよ。」
「な!!!
すいません!
それどっちのほうですか!!!」
ルーナがものすごい勢いでその女性に詰め寄る。
「あ、あちらですが
少し前のことなので…
おそらくですが
もうすぐこの広場に来る頃じゃないかと思いますよ。」
「な、なるほど…。
ルーナさん。
ではここで待っている方が得策ではないでしょうか?
肉詰めを食べるとのことなので
おそらくこの広場を通った先にある
あの肉詰めを食べに行くのではと思います。」
「ぐぬぬぬ。
わかったわ…。」
「あらあら…もしかして…。
それにこれだけたくさんの人が集まれば
お姉様も素通りは出来ないと思いますよ。」
ルーナとマルースが周りを見ると
すでにそこには街の半数以上の人間が
集まっているのではというくらい人が集まっていた。
「あらあら。
噂が広まるのは何よりも速いですね。
では私はこれで。」
そう言うと噂を流しただろうその女性は
友達だろう数人のグループの中に戻り
きゃっきゃうふふと笑い始めた。
「な、なんの騒ぎなのこれ?」
そんな人を掻き分けてステラが
ルーナとマルースの元にやってきた。
「ステラ。
かくかくしかじかよ。」
「な!!!
ふ、ふーん。
私には関係ないけど…
一応私も見といてやるか。」
ルーナは腕を組み、タケゾウ達が来るであろう通りを
見つめている。
「ス、ステラさんまで…
何か大変なことになってきた気がします…。」
と言いつつマルースも腕を組み
その横にステラも陣取り気付けば
三人が群衆を従えているような図式になった。
「なんか広場の方…
騒がしくないか?」
「ふふふ。
そうですね。
きっと行けばわかるです。」
「あ、ああ。
それにさっきまで結構人たくさんいたのに
全然見当たらなくなったな。」
「きっと広場で何か出し物でもしているのでは
ないです?」
「なるほど。
じゃ俺らもそれ
見に行ってみるか。」
「通り道ですし
せっかくですから見ていきましょうです。
ふふふ。」
アレースはクスクスと笑いながらタケゾウと
腕を組み広場を目指した。
そして…。
「来たぞ!!!」
一人の男が広場に走っていった。
そして広場が見えるところまできて
タケゾウは度肝を抜かれた。
ものすごい人だかりと
歓声と怒号。
そして少し歩みを進めると
そこにはその群衆を従えている
三人の知っている顔が並んでいた。
「ルーナ…マルース…とステラか?」
タケゾウは声に出したが歓声と怒号にかき消された。
「ふふふ。
タケゾウ。
どうやら出し物はわたくし達のこと
のようです。
先ほど話した誰かが噂を広めて
しまったのではないでしょうか?」
「な、なるほど…。」
そう言うとマルースはタケゾウの腕を引っ張り
広場の中心にいる三人のところにやってきた 。
「ア、アレース!!!
何…してるのよ!!」
「ふふふ。
ルーナ?どうしたのです?
わたくしはタケゾウとデートしているのですよ?」
「ね、姉様!!
腕…なんて組んで!!」
「マルースまでどうしたのです?
わたくしはタケゾウに自分の『素直』な気持ちを
伝えたです。
ですので今は押して押して押している最中です。
腕くらい組むですよ。
『好き』な人との『デート』ですから。
それをなぜ『友達』を目指している
方々に咎められなければならないです?」
「ぐぬぬぬぬ…。」
「うむむむむ…。」
アレースの先制パンチは二人に大ダメージを与えた。
「ふ、ふーん。
それで?
もう二人は付き合ってんのか?」
「それはタケゾウの答え待ちです。
それまでわたくしは
タケゾウに好きになってもらえるよう
努力するです。
女としての磨きを怠ったことはないので
今すでに押しても
問題ないのです。」
ステラもまさかの大ダメージを与えられた。
アレースと三人とでは
決定的に違うことがある。
それはタケゾウに気持ちを伝えたことである。
ルーナもその違いを知っているため
何も言い返せない。
マルースは未だその自分の気持ちを受け入れることが
出来ていない。
ステラはよくわからないが
面白くないといったところだ。
そしてタケゾウに伝わっている部分として
ルーナ、マルースはタケゾウの大親友を目指し
ライバル関係だということ。
ルーナに関してはタケゾウのことを
そんな風に思っていないという発言まで
してしまってるため
タケゾウはルーナのことをそういう対象として
見ないようにしている。
この差はものすごく大きい。
それをルーナとマルースはわかってしまっていた。
少し押し黙ってしまった二人だが
ルーナが食らいついた。
「タケゾウ…は!!!
その…大切な友人なんだから
誰かと夫婦になるなら
その女性が相応しい相手かどうか
しっかりと見極める義務があるもん!!!
ね!マルース!」
「…は、はい!!!
大親友としては見逃すわけにはいきません!!」
「ふふふ。
マルース。
わたくしではタケゾウには相応しくないと言うです?」
アレースはマルースに意地悪く問いかけた。
「………。
はい!!!
今の姉様では相応しくありません!!」
その答えにアレースが一番驚いた。
まさかこんなにもまっすぐに否定されるなど
アレースは思ってもみなかったのだ。
そしてその横でルーナ、タケゾウも
ものすごく驚いた。
マルースが続ける。
「ね、姉様はすぐどこかに行ってしまいますし
周りをものすごく振り回すことがいっぱいあります!
タケゾウさんがそれでは疲れてしまうかもしれません!
それに語尾だって変だし
自分が言ったことがとおらないと
すぐ泣くし、天然だし
もっとしっかりした人でなければ
タケゾウさんをあげるわけにはいきません!!」
「…
ふふふ…あははは。
ふぅ。
まさかマルースにそこまで言われるとはです。
あはは。」
アレースは腹を抱え笑った。
そこにルーナが驚きから戻り
追撃をかける。
「そ、そうよ!
もっとしっかりした人でなければ
いけないわ。
それにあたしより弱い人にタケゾウは
あげれません!」
そこにステラがようやく立ち上がり
合いの手をいれる。
「そ、そうだよ!
タケゾウにはもっと強い人がよく似合うと
思うしさ!
そんな女磨くのに時間かけた
軟弱者にはタケゾウはあげられねーっての!」
「ふふふ。
ではしっかりした強者が
タケゾウには似合いということですね?」
「「「うん(はい)」」」
「ふふふ。
外堀から埋めて
タケゾウにはもっと真剣に悩んで欲しいので
まずは三人に認めてもらう他無いようです。
ふふ。
さてとです。
どうやって認めてもらうとするですか…。
決闘するわけにもいかないですし…。」
そこに人垣を飛び越えて一人の人物がやってきた。
「なんかすごい面白いことしてるねー。」
ニチカだった。
「ニチカ様。
実はかくかくしかじかで…。」
マルースが事の成り行きを説明した。
「ふーん。
あ、いいこと思いついた。」
そう言うとニチカはニンマリと
ものすごく面白いことを思いついたと
言わんばかりにタケゾウの方を向いた。
「球技で決着つければいいんじゃない?」
「球技?」
ルーナは首を傾げた。
「そう。
ルーナも見たことあるんじゃない?
球使ってやる遊びだよ。」
「あ、見たことあるかも。」
「それのね
んー…ドッヂボールがいいかな。」
「「「「ドッヂボール?(です)」」」」
「もしかしてあの球を当て合うものですか?」
「そーそれ!
ただ、話を聞いてると
タケゾウに認めてもらうとか
阻止するとか
タケゾウより強いとかって
ことみたいだしー。
あ、タケゾウに先に球当てた人の勝ち
っていうのでどうー?」
「いいですね。
わかりやすいです。」
「あたしもそれでいいよ。
必ず阻止して見せるんだから。」
「私も賛成です。
タケゾウさんは必ず姉様には
渡しません。」
「ま、まぁいいじゃん?
私もやるよ。」
「じゃ決まりー。
場所は城の広い庭がいーかなー。
良い?アレース?」
「はいです。
では城に移動するです。
あ、そういえば勝者にはどんな
賞品というこいにするです?
この形式だと
タケゾウに球を当てた者一人が
勝者ということになりますが…。」
「んー…そうだなー…。
じゃ今日の夜にタケゾウと
夕食から二人っきりで過ごせる券
の発行ということにしよー。
ニチカは誰の玉が当たったか審判するねー。」
「え?
それってもしかして…朝まで?」
ルーナが恐る恐る聞いた。
「そ。
朝まで。」
「え?」
「えぇ!?」
「ふふ。」
「えぇえ!?」
「…はぁぁぁぁあああっぁぁぁぁあ!?????」
全員が思う思うことを考えたその時
ようやくタケゾウがはぁあ!?と口を開いた。
「ちょ、ちょっと待てよ!
まず第一に俺に玉当てるなんて冗談だよな?
みんなの球が飛んできたら
万が一死ぬかもしんねーぞ!
それに朝までなんてそんな…。」
タケゾウが反論を始めようとした時はすでに遅かったようだ。
皆、誰かがタケゾウと一夜を過すことを
阻止しようと固く決意している。
そんな表情だ。
「じゃみんな納得したみたいだし
城にいこー。」
そして女達は群衆を引き連れて
城に向かった。
『う、うそだろ!!
俺、一言も良いなんていってねー!!』
タケゾウの心の叫びは誰にも届かなった。
まるで男の叶えるような展開だった。
羨ましい限りである。
そんなこんなで
城に到着した一行。
群衆は塀の上に登り観戦対戦を整えた。
主役達は庭に集結した。
女達の戦いはもう間も無く始まろうとしていた。
読んでいただきありがとうございます。
遅れてしまったので今日は必死に書き上げます。
夜にも一話投稿できるよう頑張ります。
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楽しく読んでいただければ幸いです。




