修練の成果
少し伸び上がり、ドアを起用に開け
皆がいる部屋にきたサリース。
「あれ?タケゾウは?」
「サリース、タケゾウさんはどこに行ったの?」
ルーナとマルースがサリースが開けた
ドアの奥を覗き込むように聞いた。
「ぐおーん。ぐお、ぐおん。」
「なるほど。
なんでご飯も食べないで始めちゃうかな…。
きっと何か思いついたのね。
それならご飯食べた後に誘ってくれればいいのに。」
「ルーナさん、サリースは何て言っているんですか?」
「やりたいことがあるから先に飯、食べててだってさ。」
「そうですか。
こうしてはいられません。
私も行きます。」
「な!
マルースはゆっくりご飯食べてなよ!
あたしが行くから。」
「いえ。
私はタケゾウさんの世話を
するようにと言われていますので
タケゾウさんが修練をするのであれば
お手伝いしなくてはなりません。
ルーナさんこそ
お客様として来ていただいていますので
ゆっくりとおくつろぎください。」
「そんな最もらしいこと言って
ほんとは二人でいたいだけなんでしょ!
デートまでしたんだから
今回くらい譲ってくれてもいいじゃん!」
「な!
で、デートとこれは別の話です!
とにかく私が行きます!」
「そうはさせないわよマルース!
私が行くんだから!!」
そういうと二人はまさに電光石火とも言える速さで
ご飯を食べ終えた。
「「ごじぞうだま。」」
ルーナとマルースは口をもぐもぐとさせたまま
我先にと、なんと窓から飛び出して行った。
「全くもうです。
ふふふ。
サリース、ゆっくり食べてていいですよ。
わたくしもゆっくり食べるです。」
アレースはサリースに気を使いゆっくりと食事を始めた。
「さて。」
その頃、タケゾウは実は街の外まで来ていた。
近くで怪我をしているところを見られたら
辞めさせられると思ったからだ。
「どっかに岩とかないかな…。」
あたりはすでに暗くなっており
月明かりを頼りに草原を探している。
タケゾウはベル爺と一緒に生活をしていて
夜目がある程度きくようになっていた。
街もそこまで遠くないので
ベル爺と過ごしていた山よりは明るいと
タケゾウは感じていた。
「お、あれ良さそうだな。」
そこには高さ一メートルほどの岩が転がっていた。
「さてまずは…。」
タケゾウは岩に拳を突き出した。
「いってーーー!!」
ほぼ本気で殴ったが岩はビクともせず
逆にタケゾウの拳が赤くなってしまっている。
「ぐ…
わかってたけど…
相当痛いな…。
じゃ次は…。」
制限解除を使い、また拳を突き出す。
岩に軽く亀裂ができたが拳が割れてしまった。
タケゾウは腕を握り、悶絶した。
「っっっっつーー!!!
わ、わかってるけど…
まじ痛い…。」
再生をし傷を治した。
治るとはいえ、痛いことをしたことに変わりない。
「あーほんとにもう!!
さて、次やるか…。」
タケゾウは気合いを入れ直し
制限解除状態で
魔力を具現化、取り込みをし
岩を思い切り殴る。
また岩に亀裂が走った。
先ほどよりも大きめな亀裂だが
すでに亀裂が走っているためか
少し納得がいかない。
だがタケゾウの拳は特に割れたりといったところはなかった。
「んん…。
うん。
さて次は…。」
制限解除状態でまた岩を思い切り殴る。
岩には亀裂が走ったが
拳が割れてしまい、皮が向け、血が出てしまった。
「…っくっっそいてー!!!
はぁ、はぁ…あとは…」
魔力を具現化、取り込みをし、再生を使った。
するといとも簡単に治った。
先ほどよりも完璧に素早く治癒したのだ。
「うわ!!こりゃすげー。
やっぱり強化とか増幅とかそんな能力なんだなこれ。
しかも自分の魔力が減ってはいるけど
そこまで減った感じがしない。
ということは怪我がひどかった時は
制限解除と
この能力が釣り合ってなかったのか。
今後はその能力との調和が必要だな。
しかし、魔法を使ったのに全然減らないってのは
どういうことなんだろうな。
この外に出して俺の体に結びつけるみたいな
この感覚に答えがありそうだな。
減らないってことはもらってるとかしか考えられないし。
空気中や他に魔力が存在しているって
考えるとなんとなくわかる気もする。
何にしても、これはすげーわ。
魔力減らないし、体は強くなるし。
この世界でひ弱な作りの俺にはもってこいの能力だ。」
タケゾウは実験の成果に喜んだ。
そして、自分が強くなってきていると実感したのであった。
「さて…飯食いに戻るか。
飯食ったら今度はいつもの修練もしないとな。
てか、仕事も探さないと…
あとはアレースが肉詰め食わせてくれるって言ってたな。」
そう行ってその場を後にしようとしたその瞬間。
「うわ!!」
間一髪、飛んできた何かを避けたタケゾウ。
「誰だ!!」
一気に戦闘体制に入ったタケゾウ。
すぐさま制限解除を行った。
月明かりに照らされた
草原の闇の中に四人の人影が確認できた。
「おい!
いきなり何しやがる!」
タケゾウの問いかけに一切反応しない
その者達は今度は一斉に攻撃を仕掛けてきた。
「っくそ!!この!!」
二人がタケゾウの顔と足を狙い攻撃してきたのを
タケゾウはその間を飛びながら体制を真横にし
その後ろにいた者に蹴りをお見舞いした。
そして、着地とともに飛び上がり体を回転させ
先に攻撃してきた者の片方に回し蹴りを食らわせた。
二人をいとも簡単に倒した
タケゾウに警戒を強めた二人は一旦距離をとった。
「おい!!俺に何の用だ?
答えろ!!」
その二人は何も答えない。
「ちっ!だんまりかよ。
んじゃま、こっちから行くぞ!」
タケゾウは魔力具現化と取り込みを使い
さらに制限解除を使った。
二人の背後にすぐさま移動すると
片方の背中を思い切り蹴り飛ばした。
驚いたもう片方の者は咄嗟に距離を取るが
完全にスピードはタケゾウの方が上であった。
その者が逃げられぬよう羽交い締めにし問いただす。
「おい!
俺に何の用だお前ら。
何が目的だ。」
その者は沈黙を貫く姿勢のようだ。
「そうかそうか。
では…こうだ!」
タケゾウはその者を倒し
マウントを取ると脇に手をいれこちょがし始めた。
まさかの攻撃に悶絶する襲撃犯。
「ほら。
吐いちまった方が楽になるぞ。
何のようだったんですかー?」
「わかっ…きゃはは…わか、わくゎったから…
あはっ…答えるから…やめて…きゃはは。」
「なら早く話せ。
出ないと…。」
「い、今話すから!ほんとやめて…脇は…あはは…弱いんだ!!」
暴れた拍子にかぶっていたローブがズレ、一瞬だけ顔が見えた。
「え!?女?!」
「そうよ!
私達はギルドの者よ。
最近、この辺りで盗賊まがいなことをする連中がいるって
依頼があって調査しに来てだんだよ!
わかったらそこどけ!。」
女はすぐにローブを深くかぶり直した。
「あ、ああ。
すまん。」
「ほんとよ!
お嫁に行けなくなったらどう責任取ってくれんだよ!」
「な、元はお前らが攻撃してきたんだろうが!」
「あのな…
こんな時間に街の外で変なことしてるあんたが悪いんでしょうが!」
女は立ち上がり、タケゾウにまくしたてるように言った。
「そりゃ確かに遅い時間だけど別に迷惑かけてないだろうが!」
「たっくもう!
この時間は基本的に街の外に出ないのが普通だっての!
魔物が出るのよ。
普通は夜目がかなりきく者でも出歩かないって!
それにあなた魔族の魔法の再生を使ったよな?
しかも傷を一瞬で治せるほどの…。
普通はもう少しかかるものだよね?
魔族以外は…ね。
だけどあなたは人族よね?
それに何か魔力を纏っているようにも見えたし。
そんな不審な人物をそのままにするわけないでしょ。」
「…確かに…。」
「でしょ!!
あなたはまず名前は?
とりあえずギルドに同行してもらうわ。」
「タケゾウ…だ。
ギルドね。
一度行ってみたいと思ってたし、いい機会かな。
じゃ同行してやるよ。」
「なんで偉そうなんだよ
あ!あとみんなを起こすの手伝ってね。
あんたがやったんだから。」
「へいへい。
しかし、お前ら大して強く無いな。」
「そりゃそうだよ!
女、子供に勝ったくらいで
いい気になんなよ!」
「えぇ!?
そうだったの!?
うわー…。
悪いことしたなー…。」
「それに夜でこんな足場も悪いのに
よくあんな速く動けたね。
攻撃も結構的確だったし。」
「え?
別に普通じゃないのか?」
「は?夜にあんなに正確に
この草原で動けることはすごいことだろ。」
「そ、そうなんだ。」
『確かに…石や小さい岩が草に隠れてて平坦じゃ無いけど…
山ではこれが普通だったしな…
そういえば最初の一ヶ月くらいは苦労したか。
つーかこいつ口悪いな…。』
「ねぇ。
今失礼なこと考えたろ?」
「い、いや!
そんなこと考えてないよ!」
そんなことを考えたタケゾウに
女は冷静にツッコミをいれ
タケゾウは内心ドキっとしつつ
倒した者達を起こしていった。
一応、怪我も治してやったタケゾウ。
そんなこんなで街のギルドに向かうこととなった。
読んでくださりありがとうございます。
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