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ヨンヤラの王都、到着

「立派なところだな。」


タケゾウ一行は龍人の国ヨンラヤの王都に到着していた。


「そうなんです。

昔から代々凝り性と言いますか大きく見えるのが好きな種族ですので

こういう場所は特に凝って建設していると聞いているです。」

タケゾウは門を見上げていた。

とても大きく二十メートルはあろうかというその門はここを訪れる者を盛大に歓迎しているようだ。

まるで力の象徴とでもいうようにそびえ立っている。


「アレース様、マルース様お帰りなさいませ。」

門番が声をかけてきた。

「ただいま戻りました。

フォボスが先に戻って来ていると思いますがどうですか?」

「はい。

緊急だということで王城に急ぎ、戻られました。」

「ありがとう。

ではわたくし達も王城に急ぎましょう。」


『俺たちにはまったく触れないのか。

姫は信頼されているってことだな。』

タケゾウとサリースは何を聞かれるでもなく門の中に通された。

きっと信頼もあるだろうが懐の広い国なんだろうなとタケゾウは思った。


「アレース様!今日はすごく良い肉が入りました!味見なんてどうですか?」

「アレース様!うちの店の新作食べってくださいよ!」

「アレース様!新作のドレスが入荷したんでみていきまんか?」

街を歩くとあっちやこっちからアレースに声がかかる。

タケゾウとマルースは必死に『すいません。今とても大切な用があって』などと断りながら歩いていく。


「「はぁはぁはぁ。」」

「まったくほんと断っても断ってもキリがない。」

「そうですね。

姉様は国の人気者ですので…。」

「二人とも。申し訳ありませんです。

ですが少しくらいなら皆のことに応えてあげても…。」

「「絶対ダメ (です)!!」」

「うぅうぅう。」

またもやダムが決壊しそうだがアレースも早く城に戻らなければならないのはわかっているようだ。

「では先を急ぎましょう。」

「マルース。人目につかない道で頼む。」

「わかっております。」

『マルース…なんかピリピリしてるな…。』


三人と一匹はようやく城に到着する。


「つ、着いた。」

「そうですね…。人目につかない道を行っていたはずなんですが…

気付けば人が 来ていましたね…。」

二人ともかなり疲弊していた。


「アレース様、マルース様。

お帰りなさいませ。

お疲れのところ申し訳ありませんがお戻りになられましたらすぐに王の間にくるようにとのことです。」

門番の一人がアレース達に伝える。

「わかりました。では早速行きましょう。」

マルースがキリっとした表情のまま門番に伝えた。

門が開場され橋が降りてくる。

こちらの門は先ほどの比べるとかなり小さい。

「こちらへ。」

門番を先頭に門をくぐった三人と一匹。

そこは庭というよりは草原と言ったほうが正しいくらい広く奥に小さな建物が建っている。


「マルース。すげー広い庭だな。」

「はい。

ここはよく街の者に開放し、神様が教えてくださった球技という物を行います。」

「へぇ。

そりゃ楽しそうだな。」

「とても盛り上がりますよ。

それと街の東側には闘技場がありまして、年に二回武道の大会が開催されています。」

「なるほど。

マルースも出たりするのか?」

「私は出ませんが姉様はその武道の大会で優勝したことがありますよ。」

「アレースすげー強いんだな。」

「姉様は本当になんでも出来て強くてすごい人ですよ。

そういえばそろそろ大会の頃だったような気がします。」

「そりゃ是非見てみたいな。」

そうこう話しているうちに奥に見えていた建物に到着した三人と一匹。

「小さいと思ったらほんとに小さいのか。」

タケゾウは遠くにあるから小さく見えるのだと勘違いしていた。

「そうです。

先先代の王が建造させたのですが『民の暮らしが良くなるように金を使え。家なんぞ小さくて良い。』

と言って建てさせたのです。」

魔国と比べればかなり小さい城ではあるが

西洋風の屋根が鋭いタイプの塔が一つ、五階建てくらいの宮殿とでも呼ぶような立派な建物が一つ

あとはベル爺が住んでいる家をもっとオシャレにした木の家が一つある。


「あの中央の建物がわたくし達の家です。

王もあそこに居ますので早速行くです。」


アレースのあとに続き歩いて行く。


「ただいま戻りました。」

マルースが扉を開け挨拶をする。

中からは執事とメイドが一人ずつ出迎えに来た。


「お帰りなさいませ。

アレース様、マルース様はこちらへ。」

執事に連れられ二人が違うところに案内される。

「タケゾウ様。どうぞこちらへ。」

サリースとタケゾウは客間だろう部屋に通される。

「アレース様、マルース様はそのまま会議に入ることとなっておりますので

どうぞおくつろぎください。

何かありましたらいつでもお声がけください。

それでは失礼致します。」


「ふぅー。」

タケゾウは窓を開け、荷物を置き、椅子に腰掛ける。

『この国の人はなんかあったかい人が多い気がするな。

なんかみんな親切だ。』


「君がタケゾウくん?」

「え?!あんた誰だ?!」


タケゾウは窓に突如現れた女にびっくりした。

黒髪のショートヘアに少し茶色い瞳。

肌は日焼けした褐色の肌をしており、まさに運動部女子といったところである。

目鼻立ちはくっきりしており、窓に腰かけているが身長はおそらくタケゾウと同じくらいはあるだろう。

服装はびっくりするくらいラフで短パンにTシャツに編み込みのサンダルのような物を履いている。

サリースは唸っておらずジっとその女を見ている。


「利口なワンちゃんだね。

知らない人が来ても吠えないなんて。」

「おい。誰だお前は。」

「女の子にお前はダメだと思うなタケゾウくん。」

「どちら様だバカ野郎。」

「もう。ニチカはニチカはって言います。どうぞよろしく。」

「ん?ニチカ?

とりあえずなぜ俺の名前を知っている。」

「フォボちんに聞いた。」

「な、なるほど。で、何の用だ?」

「せっかちだなー。じゃちょっと外で話そーよ。」

そういうとニチカは外に行った。

「おい、てかここ三階…。」

外を急いで見るとニチカは普通にこっちこっちしている。

「そういやファンタジー世界にいるのか俺は。

んじゃま、俺も行くか。サリース!行くぞ!」

「ぐうう。」

サリースとタケゾウは三階から飛び降りた。

そして無事に着地した一人と一匹。

制限解除リミットリリースを使わなくてもこのくらいのことができるようになっていた。


「何して遊ぶ?」

「いや、話に来たんだろ。

何の用だ。」

「じゃ決闘しよう。」

「いや、人の話…」

ビュっという風切り音がタケゾウの耳に届く。

「次は当てる。」

途端にサリースが距離を取り威嚇を始めた。

ニチカの雰囲気が豹変し、敵意をタケゾウに向けたからである。

タケゾウも遅れ距離を取る。


「タケちん、遊び終わったら話しよ!じゃいっくよ!!!」

ニチカは一気に間合いを詰め腹に一撃を放つが間一髪タケゾウが避ける。

「サリース下がってろ!」

制限解除リミットリリース

タケゾウは間合いを詰めたつもりだったがそこにすでに女はいなかった。

「こっちこっち!」

「ぐはっ!」

タケゾウは後ろからわき腹に強烈な蹴りをもらった。

勢い良く横に飛んで行くタケゾウ。

地面につきゴロゴロと転がりながらなんとか体制を立て直すタケゾウだが

すでにニチカが間合いを詰め追撃をかける。

「っく!」

タケゾウは勢いのまま後ろに飛び、ニチカの拳を避けた。

「おっ。やるね。」

一旦間合いを置き睨み合う両者。

『ぐ、こいつ強い。

速さも攻撃の威力も俺とは全然違う。

ってかニチカって神の一人だよな…ほんとなら強いのは当たり前か…。』

「ねーどしたのー?もう諦めたの?」

「うるせーな。こっからだアホ。」

「言うねー。じゃニチカは避けるだけにしてあげるから

攻撃当たったらタケちんの勝ちでいーよー。」

「舐めやがって!絶対泣かせてやる!!」

とは言うもののタケゾウも冷静に今のままじゃ攻撃は当たらないと思っていた。

だがこのまま舐められて負けられるほど人間できてはいないタケゾウ。

制限解除リミットリリース

足に力を込め、地面を目一杯蹴り加速する。

「おらぁ!!」

タケゾウの気合いの拳がニチカに向かって行く。

「うんうん。」

ニチカは少しも驚くことなく避けた。

「く、まだまだぁ!!」

タケゾウは連続攻撃を繰り出す。

だがニチカには一撃も当たらなかった。

何より先程から同じ場所に立っているのだ。

タケゾウは一旦距離を取る。


「もう終わり?つまんなーい。」

「ぐ、はぁはぁ…。くそ!」

間合いを詰めタケゾウはさらに力任せに拳を振るうも、それは虚しく空を切る。


数分後。


「はぁはぁはぁ…ぐ、一発も当たらない…。」

「惜しいのは何発かあったけどね。けどこんなもんなのかー。ちょっと残念。」

ニチカは息も切らさず、残念そうに、つまらなそうに言った。


「ぐ、まだまだ、まだまだぁああぁああ!!」

「吠えたって何も変わらないよ。

そんなんで強くなれたら誰でも強くなれるじゃん。

制限解除リミットリリースもそこまでできてないし

月の魔法はまあ少し使えるみたいだけど加護はまったく使えない様だし。」

「おっしゃる通りだ馬鹿野郎。

けどそんなボロクソ言われて、はいそうですねって言えるほど

聞き分けよくないんでね。

俺がぶっ倒れるまで付き合ってもらうかんな!!!」

タケゾウは一気に間合いを詰め、何度も拳を突き出すが虚しく空を切る。

「そんなわかりやすいパンチされても当たらないよーだ。」

ニチカは飄々とかわす。

「そろそろ飽きたし終わりにしよっかな。」

ニチカがそう言った途端

「ぐはっ!」

タケゾウは顔面に激痛が走りそのまま真横に飛ばされる。

痛みに苦しむ間もなく、ニチカの追撃が上空からやってきた。

タケゾウは衝撃音とともに大の字に地面にめり込む。


「ぐ…っくそ…再生を…。」

「無駄。もう飽きたもん。これで終わり。」

めり込んでいるタケゾウに間髪入れずニチカの拳がタケゾウの腹に突き刺さる。

地面はひび割れさらにタケゾウはめり込んだ。

タケゾウは口から血を吐き出した。



「もういいかな。

これで終わりね。もう少し面白い子かなって思ってたんだけどな。残念。」

ニチカはめり込んでいるタケゾウに興味を無くした様に吐き捨てると

背を向け歩き始めた。


「ま、待て…俺は…まだ…。」


『こう…じゃない。

ベル爺が…ルーナが…みんなが教えてくれたのはこんなじゃない。

こんなことで諦めていたらまた大切な物を守れない!!』

タケゾウは瞑想を始めた。

セバスの時同様魔力が具現化しタケゾウを覆う。


ニチカはそれに気づき振り返る。

「何それ?魔力?

面白そうじゃん。」

ニチカはあからさまに嬉しそうにタケゾウを見ている。

タケゾウは素早く再生をし立ち上がった。


「おい。勝手に辞めんな。

生憎、俺はまだ飽きてない!」

「傷も治ったみたいだね。それにその魔力。

完全に具現化するほど色濃いそれ。見たことない。」

ニチカはまるで新しいおもちゃを手にした子供のように目を爛々と輝かせて言った。

「俺も知らん。

御託はいいから次行くぞ!

制限解除リミットリリース!」

タケゾウがそう言うとその魔力が一気に体に入っていく。


「え?!きゃ!!」

突如、ニチカは後方に吹っ飛ぶ。

腹には鈍器で殴られたような痛みが走る。

「な、何が!?」

タケゾウは地面を蹴りさらにニチカに追撃を仕掛ける。

「く、やるじゃん!」

ニチカは空中で体制を立て直すもそこにさらにタケゾウの蹴りが飛ぶ。

ニチカはタケゾウの追撃の蹴りを空中でガードしさらに後方に吹き飛んでいく。

足を地面に突き刺し、また体制を立て直す。

そこにはすでにタケゾウの拳が迫っていた。

ニチカは腕を十字にガードしたがさらに後ろに吹っ飛ぶ。

タケゾウの連続の攻撃は確実にニチカに当たった。


「タケゾウさん!神様!何やってるんですか!!!」

マルースが叫びながら駆け寄ってきた。


「あ、マルース。

今ね、タケちんと遊んでたの。」

「タケゾウさんは私達の客人です。

あまり手荒らなことをされては困ります。」

「えー。だって面白そうだったんだもん。」

まるで母親に怒られた子供のように拗ねるニチカ。

「えーじゃありません。

ニチカ様はそうやっていつも試合したがるんですから。」

マルースは慌て半分、呆れ半分といった表情でニチカに言った。

「やっぱこいつ神の一人だったんだな…。

てか試合は俺の勝ちだな。ざまーみろ。」

タケゾウはそういうと 力なく地面に膝をついた。

「タケゾウさん!」

マルースが慌てて近づく。

「ちょっと無理しただけだから平気だ。

とは言うものの、ちょっと立てそうにないわ。」

タケゾウはそう言うと地面に大の字に寝転んだ。


「タケちん大丈夫?」

ニチカは寝転がっているタケゾウの顔を覗くように見下ろした。

「大丈夫も何もお前のせいだろーが。あんだけ言われたら引き下がれるかアホ。」

「だってタケちんほんと弱いから面白くないなーって。

けど最後のは楽しかったよ。」

「そもそもお前ほんとに神なのか?」

「ニチカは神様してる人だよ。」

「本物か。

俺はお前に用があって来たんだ。

とりあえず勝ったし、魔法付与してくれ。」

「えー、やだよ。」

「なんでだよ。」

「それ面白くないもん。

第一、そんな約束してないもん。」

「勝負に勝ったんだから一つくらい言うこと聞くのが流れだろ。」

「負けてないもん。」

「いや、攻撃当てたら勝ちって言っただろ。」

「つまんないから嫌。」

「あのな…

じゃどうしたらいーんだ?」

「うーん。じゃ今度の武闘会で優勝したらあげるー。」

腕を組んだ後、思いついたと言わんばかりに手を叩き、ニチカは言った。


「いつやるんだそれ?俺あんまり時間は…。」

「武闘会は五日後だよ。」

「え?!そんなに早いのか?」

「五日後で間違いありません。」

「それならまあ…いいか。

てか人が出ていいのか?」

「それはルール上問題ないはずです。」

「そうか。

んじゃま、やりますか。

その代わり優勝したら約束は守ってもらうからな!」

タケゾウは立ち上がった背伸びをし言った。


「わかったー。じゃ頑張ってねタケちん。とっても面白くなること期待してるね。」

そう言うとニチカは去って言った。


「あいつ…気まぐれすぎるな…。」

「そうですね。自由気ままというのはニチカ様のことだなと

よく思います。」

腕を組んでうんうんと頷きながらマルースは話した。


「あいつもしかしてここに住んでるのか?」

「はい。あの木の家に住んでいます。」

「聖域は?」

「あの家の下が一応。

聞いた話によると聖域からはあまり離れてはいけないと言われたあとに

こんな暗くてジメジメしたとこ嫌だ

改善しなきゃ、神やんないとおっしゃってあの家を建てたそうです。」

「なるほど。まあ出て行くよりはマシだもんな…。」

「はい。けれどああ見えて義理とか人情という物を大切にしているそうです。

思いやりがあって優しい方なんですよ。」

「ふ〜ん。

あ、そういえば武闘会って俺でも勝てるのかな?」

「それはやってみないとわかりませんが…

恐らく優勝というのは厳しいでしょう。」

「やっぱり強いやつばかりなのか?」

「そうですね…。では武闘会のルールを説明いたしますので部屋に戻りましょう。」

「わかった。」

二人と一匹は部屋に戻った。


「まずはルールですが…

魔法、武器をの使用を禁止とする。

己の肉体のみでの勝負とする。

以上です。」

「短っ!!それだけかよ。」

「はい。そうなんです。

それで参加資格は基本的に全ての生きる者なら良いとなっています。

魔物でも良いということになりますのでタケゾウさんはまったく問題なく出ることが

できます。」

単純明解なルールに龍人の特徴がよく出ているんだろうなとタケゾウは思った。

「ふむ。

龍人ってやっぱり魔法使わなくても強いのか?」

「はい。

人の比じゃないほどに強いです。

魔法、武器が禁止な上、龍人の強さというものがありますのでタケゾウさんが優勝とするのは

難しいことなのだろうと思います。」

「それは確かに難しいかもな。

制限解除リミットリリースは使って良いのか?」

「それは大丈夫ですよ。

そもそもほとんどの種族は戦闘体制になった時点で解除されますので。」

「え!?そうなの!?

…そういえばルーナに最初、そんなこと言われたけど…深くは考えなかったな…。」


自分が意識しなくてはできないことを無意識にやるということは

戦闘において出遅れることになる。

それは命のやり取りにおいて致命的である。

「はい。

ただ、それは意識次第ということだと思います。」

「意識次第?」

「はい。

今から戦闘だということがわかっているのなら既に制限解除リミットリリースをしておくだとか

急な不意打ちでもすぐさま制限解除リミットリリースをするよう癖をつけるとか

要するに慣れですね。」

「確かに。

あとは一日中制限解除リミットリリースしとくとかか。」

「それはあまり現実味がないですが…とりあえず慣れることが必要です。」

「そうだな。

俺もそこをまずは最低限できるようにしないとな…。」

「そうですね…。またそれをどこまで使えてどのくらい維持できるか。

それが大切ですね。

そもそもの戦闘の向き不向きの点で負けていますので

現状をしっかり把握することが大切だと思います。」

「現状把握ね。

そういや魔力って目に見えるのか?」

「魔法は目に見える物がほとんどではないでっしょうか?

私達が得意としている火の魔法や生活で使う水の魔法なんかはしっかりと見ることができますし。

魔力自体は薄っすらと空気のような物を感じる程度でどこに集まっているなとか

そのような感覚で感じると言った表現が正しいと思います。

感覚としては魔力を火に変換し具現化するというのが正しいかと思います。」

「なるほど。じゃ魔力自体を具現化するってことはないのか?」

「う〜ん…

聞いたことも見たことも無いですね。

仮に魔力でそれができるのなら相当濃い魔力なんじゃないでしょうか?

具現化したようにしっかりと見える…

う〜ん…何かの魔法として見えていたんじゃないでしょうか…。」

マルースは冷静に考えながら、それでもわからないと言った表情でタケゾウに話した。


「なるほど。

さっきのニチカとやりあったときに俺の魔力が見えたらしいんだよね。」

「え?!

そうなんですか??

う〜ん。初めてのことなのでわかりませんが少し調べてみます。

それを使ったときはどのような感覚でしたか?」

「いつもより体が動くし、再生も速いかな。

制限解除リミットリリースをしてた!」

「なるほど。

では制限解除リミットリリースを使いこなすのをとりあえず目標としてみましょう。」

「わかった。

ところで会議はどうだった?」

「一応魔族と連携を取りつつ、情報収集を進めるということで

現在、各部隊に伝令と人員の選抜が行われています。

ただ、現在龍人の中での不穏な動きもあるようなのでそちらの調査も必要なようです。」

そう話したマルースの表情はあまり良いものではなかった。


「そうか…。

その龍人内部での不穏な動きってのは城の内部での話なのか?」

「いえ。

どこの国にもあるとは思いますが…

我が国には反乱分子のような集団がいます。

どこで聞きつけたのか人族との戦争に紛れ、王を倒そうとしているようです。」

「そこまでわかってるのか。

ということは誰か内通者がいるのか?」

「はい。

優秀な者が潜入していますので何か間違いでも起きない限りは

そこまで気にすることでもないようには思います。」

マルースは笑顔でそう話したが、タケゾウには少し無理をして笑顔を作っているように感じた。

それは自分を安心させようとして言ってくれているような気がした。


「マルースがそういうなら大丈夫なんだろうな。

大事の前の小事ってやつか。」

「そんなところです。

何かあれば私が何とかしますし。」

マルースは片腕で力こぶを作り、逆の手でそれを叩いた。

そしてニコっと笑った。

そのか細い腕と笑顔は誰もが守ってやりたいと思うものだろう。


「それなら頼もしいな。

じゃ俺は修行を開始しようかな。

マルースはこの後何するんだ?」

「私はタケゾウさんの世話係をするように言われましたので

お邪魔でなければ修練のお手伝いを致しますよ。」

「そりゃありがたい。

じゃ頼むわマルース。」

「承知致しました。」

タケゾウは笑顔でマルースに言った。

タケゾウはさらに強く決意した。

強くなると。

この子を守れるくらいの力を必ず手に入れなければならないと。

そう直感し、強く決意したのである。


そして二人と一匹は修行を開始した。







読んで頂きありがとうございます。

コツコツと投稿出来ればと思っております。

よろしくお願いします。

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