箱庭ライフ
誰かが苦しいと泣いているとき
僕は溢れんばかりの幸せを撒き散らしている
誰かが死にたいとドン底を眺めているとき
僕は空をただ仰ぎ見ている
誰かがこの世から去ったとき
僕は生きている
世界は全て繋がっているのに
見えない壁で区切られている
そこかしこで混じり合っているのに
見えないフリでもしているかのよう
注がれなければ何も知らない
壁を乗り越えようと――張り付いてみれば『偽善者』のレッテル
僕がふいに溢したとしても
次には忘れゆく
誰かのために
誰かのために
誰かのために
誰かのために
本当は自分のために生きている
小さな囲いの中で懸命に守っている
誰かの不幸を上っ面で口に出来ないかわりに
知らないフリをしている
自分には何も出来ないと諦め生きている