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絶対無敵の終末者  作者: 氷室レキヤ
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第二章 2-5

普段のこいつは、下ネタは言うが誰にでも話しかける気さくな子という印象だが、今は誰も近寄らせない猛獣といった様子。

その証拠に空牙ですら距離を取っている。

「気持ちはわかるが、俺に吹っかけてきたのはあっちだからな」

「ゴミクズの考えなんてどうでもいいよ。大丈夫終夜君の変わりに塵にするだけだから」

正直。威圧感が半端じゃない。

普通の人間なら一瞬で飲まれて反射的に『ご随意のままに閣下』と言って跪き、下僕に成り下がるだろう。

「お怒りはごもっとも。けど、やるなら俺の後にしてくれ」

「いや、無理だから。あんな奴生きてる価値なんてないよ」

真顔で言ってるからさらに怖い。

星野が関わると本当に頭のネジが二、三本外れて、常識人の皮を被った異常者が化物の皮を被った異常者になるな。

「話してても無駄のようですから、じゃんけんで決めたらどうですか?」

秋本との話が終わるまで待っているつもりだった神崎がシビレを切らして入ってくる。

てか、じゃんけんってお前も惨い提案するな。

俺に負ける要素ゼロじゃん。

「それもそうだね。じゃあいくよ。じゃんけん」

ま、提案したのが神崎だから遠慮しないでいいってことだから気が楽でいいや。

「「ぽん」」

結果は俺がグーで秋本がチョキ。

軽く舌打ちした秋本は何も言わず、自分の席へ戻っていった。

「では、黛さん。行きましょうか」

「ん?もうすぐ、授業始まるぞ」

「大丈夫です。次の時間は自習ですから。ささ」

自習だからといって教室を抜け出していいわけはない。

優等生のこいつからは考えられない言葉だが、その意味を重々理解してる身としては行きたくない。…が、後々追っかけ回されるのはそれ以上に面倒だ。

「わかったよ」

俺たちが出ていく姿を目撃した者達の視線は二種類に分かれる。

特に嫉妬と殺意の混じった男たちの視線に異議を唱えたかったが、神崎に背中を押され、それすらさせてもらえないまま誰もいない屋上へと連行された。

早起きたのにしたのにも関わらず、今日はついてない。

明日からは起きても二度寝をしようと心に誓った。


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