第二章 2-4
この校則に記述している【決闘システム】とは、模擬演習場同様血の気の多い異能者のために作られたモノ。
負けた者は勝った者の命令を一つだけ聞かなければならず、その命令は絶対。
如何なる場合も断れず、何人もの生徒が地獄を見ていても無くならないルールだ。
(神崎のご高説より)
「火種何ていつも違うわよ。肩がぶつかっただけとかザラだしね。藤堂君はどうやら私の結論に不満のようだし」
完全に飲まれている藤堂は無言の肯定。
「何より君は話し合いで解決するような子じゃないでしょ、黛君」
「おいおい学園長。人を戦闘狂か何かと勘違いしてないか?俺は話し合いで解決するならそっちを選ぶぜ」
「だそうよ。どうする藤堂君」
「叶うなら彼と手合わせをさせていだたきたい。ボクは彼のような男が許せない」
「黛君」
「ここで断ればしつこく付け回されそうだな」
「では、今日の放課後にメインアリーナで。双方異論は?」
「ねえよ」「ありません」
「よろしい!では解散」
二人して退室し言葉を交わさないまま、各々の教室に戻る。
結果的に流されて戦うことになってしまった。
また、神崎が何か言ってくるだろうな。
よし、無視するか。
あと、学園長と対面出来たが結局話は出来なかったな。
教室に戻ったのはHRが終わり、担任が教室を出て行った後だった。
そして、最初に待ち構えていたのは神崎ではなく秋本。
意外と思ったがよく考えれば意外ではなく、むしろ納得する人物である。
「終夜君。何かゴミクズと模擬戦やるんだってね」
「情報早いな。どこから仕入れた」
「さっき送られてきた校内メールで生徒全員が知ってるよ。って、そんなことはどうでもいい。その模擬戦代わってくれない?」
疑問形で聞いてくるが、完全に『その模擬戦変わらないとわかってるよね?』の間違いである。
表情はいつも通りだが、纏っているオーラは怒りしかない。