第一章 1-3
「あいつ誰だ?」
「知らないで話していたんですか?あの方は〈黒崎 海斗〉さん。アトラス学園高等部生徒会長です」
「へぇ」
何か言いたげ感じだったが、立場的にお小言かなんかだろう。
まぁ、何にしても今は気にしなくてもよさそうだ。
「次の場所に向かいますが、今度は何もしないでくださいね」
「そんな念押ししなくてもやらねえから行こうぜ」
切り替え、切り替えっと。
メインアリーナの前でよく騒動は起きるが警告音がなったのは初めてだ。
あそこは校内で最も厳重に造られていて外装には見えない多重障壁が使われ、貫通するなんて話は聞いたことがない。
やったと思われるのは男の方で間違いないが、口の悪い後輩という感じだ。
それに報告ではただのマナを圧縮したもの弾丸で能力ではなかったな。
「あぁ、俺だ。少し調べてほしいことがある」
もしもの場合を考えて念には念を入れておくとするか。
それにしても…くそ眠い。
結局、あの日は学園長と対面することなく、用意されたホテルに一泊。
次の日には俺専用の寮(一軒家)に案内され、生活すること一週間。
入学式を無事に終えた俺はアトラス学園高等部一年生となった。
その間、やたら面倒な契約書にサインさせられたが、要約すると監視(神崎)をつけて悪さすれば報告&罰を与える的な感じだから何も問題はない。
そういえば、入学式にも始業式にも顔は見なかったが学園長ってどんなやつだろ。
人を強制的に拉致して入学される辺り、まともな人間じゃないのは確かだな。