第三章 3-7
「彼の能力。確かに強いけど、食らう前にやれば済むからね。だから高ランカー止まりなんだよ」
「よかったぁ…」
他のギャラリーも『運がいいな』『驚いた』などの感想を漏らし、彼が能力を使ったと一切思っていない。
本当に運がいい人。
ですけど…、一人誤魔化せない人がいました。
学園長の計らいでVIPルームから一部始終を見物していたが、なるほどな。色々と合点がいったぜ。
「どう?お気に召したかしら黒崎生徒会長」
世界を揺るがしかねないことを知られても平然としている学園長。
元々、このことを教えるために呼んだのだから当然か。
「お気に召すも何も。いいんですかこんなことして」
「私はあなたを信頼しているもの」
信頼ね。なら、殺気殺してから言ってほしいもんだ。
「個人的には興味深いですが、あまり知りたくなかったことですね」
面倒ごとが増えるのはごめんだ。
主に後始末をするあいつのお小言だが。
「てか、都市伝説か何かと思っていたものが、目の前にいるってあんまり実感湧きませんね」
「私も昨日顔見るまで半信半疑だったけど、存在しているんだからしょうがない。で、一つ聞きたいんだけどあなたなら彼をやれる?」
「無茶言わないでくださいよ。あんな化物とやる気はないですって」
「やれないとは言わないのね」
「これでも生徒会長なんで」
やれなくても拘束するぐらいなら出来るって程度だが、あえて言うまい。
しかし、まさかアレの完成形があるなんて聞いてねえぞ。
「ふーん。ま、最悪恵もいるし、何とかなるでしょう」
「あぁー。さっきからこっちに視線を向けてる子ですか?いや、無理じゃないですかね。彼女の実力は知りませんが、性格的に戦闘向きじゃないですし、それに自分の立場を理解できていません」
「そこまでわかるんだ」
「えぇ、彼を探っていたら、おまけとして知ったぐらいです。別に他言するつもりもあり




