表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
絶対無敵の終末者  作者: 氷室レキヤ
1/22

プロローグ


 新学期が始まって約一週間。

場所は学園内のメインアリーナ。

「身分の違いを教えてやろう」

目の間に立っているのは無駄にプライドの高そうな男子生徒。

どこのボンボンかは知らないが、余裕綽々の様子。

『いいですか。決して能力を使ってはいけませんよ』

試合前に口うるさい監視役に言われた言葉を思い出す。

その他にもこいつのことを言っていた気がするが、あんまり覚えていない。

「そいつは楽しみだ」

試合開始前のカウントダウンが始まる。


私はその様子を会場を埋め尽くギャラリーに交じり見ていた。

突如として決まった模擬戦の対戦カードは初等部から有名な高ランカー〈藤堂(とうどう) 陸斗(りくと)〉と今年入ってきた編入生〈(まゆずみ) 終夜(しゅうや)〉。

編入生の実力を知らないほとんどの者は藤堂が勝つと思っている。

本当なら止めるべき試合だが、VIP席で観戦している学園長の指示でこういう結果になった。

不満なんてなく、むしろこの目で彼の実力を見れるのはいい機会だと思っている。

試合開始のカウントダウン。

藤堂はいつも通り金色のブレスレットから愛用する槍を取り出し構える。

一方、編入生のほうは何も取りださず、構えもせず、始まるのを待っていた。

一見、やる気が感じられないように思えるが、殺意にも似た闘志を内に秘めている。

それを感じ取った極少数の者は興味津々。

中でもこの学園の生徒で最も厄介な人も興味を示しているのは今後のことを考えると頭が痛い。

「…黛さん」

隣でこの試合の発端となった〈星野(ほしの) 千歳(ちとせ)〉が目を瞑り、懸命に祈りを捧げる。

そんなことをしなくても彼は負けない。

例え、この島の名立たる異能者が束になっても敵わない。

それどころか、全世界の異能者が相手にしても全く歯が立たない可能性すらある。

とは、さすがに言えず、私は静かに見ていた。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ