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今リルは、冒険者ギルドで絡まれていた。
[まさにテンプレだな]
「おいガキ!聞いてんのか!」
「聞いてるよ」
「なら少し金貸してくれや」
周りを見渡すと皆またかって顔をしていた。
[これもテンプレか~まあいいか鳴神もまだ実戦で使ったことないし]
「ギルドってオークを飼っているのか?」
リルがそう言うと、至るところから笑い声が聞こえてきた。
「貴様!許さんぶっ殺してやる!」
オーク野郎が向かって来る瞬間に
「待て」
カウンターの奥から1人の男がでてきた。
「その話決闘で決める」
「ちっ決闘かよまあいい。」
「俺も別にいいけど条件がある」
「条件?」
「ああそうだ条件は、俺とあいつの決闘を観客なしでやりたい」
「ハン、そんなの面白くねーじゃねか」
「いやなら、やらないからいいよ」
「理由を聞いていいか?」
「別にただ自分の実力を見せたく内だけだ」
ギルドから出てきた男はため息をつき
「わかった。決闘は当事者と審判の俺だけでやる。ついてこい」
男はそう言ってギルドの地下に行くそれについて、リルとオーク男もついて行く。しばらくすると体育館くらいの広い場所に出た。
「ここは訓練場だここはギルドカードを持っていれば自由に使える」
リルは、周りを見ると何人かの人達が魔法などの練習をしていた。
[あそこににいるのはパーティーか]
少し遠くにいるパーティーを見ながらそんな事を思っていると
「皆聞いてくれ!今から少しここを使う皆は一旦上に上がっくれ」
おっさんがそう言うと皆上の受付の所に向かっていった。
「これでいいか」
「ああ、かまわない」
そうしてリルとオーク男はお互いに距離をとった。
「それではルールを説明する。お互いに武器や魔法の使用は自由、相手を降参させるか戦闘不能にしたら勝利だ、ただし殺しはなし。殺した場合は敗北と犯罪奴隷にする。何か質問はあるか?」
「ふん、特に無いぜ」
「俺もない」
「よしでは行くぞ・・・初め!」
リルは、ホルスターの中の七色銃を抜いて魔力を送る
「雷神刀[鳴神]!」
銃が黄色い刀に変化する。
「少しは楽しませてくれよ」
そう言ってリルは、一気にオーク男の懐に入り込む。オーク男はまだ対処しきれないようで正面を向いていた。
リルはすかさず鳴神を逆向きにし、刃の付いてないほうで斬るその時に雷属性の付与も忘れない。
オーク男は白目を向き下半身からアンモニア臭を漂わせて倒れた。
[この程度か練習にもならないな。いや鳴神の身体強化が強すぎるのか?]
リルは、そんなことを考えていたがハクが、(ご主人様~お肉早く食べたい~)と言うので後で考える事にする。
「なあ、俺の勝ちでいいんだよな?」
リルは、手に持っていた銃をホルスターに仕舞いながら審判をしていたギルドのおっさんに聞く。
おっさんも何があったか分からずに目を見開いていたがリルが訪ねると、我に帰る。
「あ、ああ大丈夫だ。それにしても一体何をしたんだ?あの武器は何だ?」
「悪いが教える気は無いんだ」
そう言ってリルは出ていく。
リルが上に戻ると、日が暮れていて依頼を終えた冒険者達がかなりの数いた。リルも仕方なくさっきのお姉さんのカウンターに並んだ。
(ご主人様)
(ああ、わかってる。さっきから凄く見られてるな)
周りを見ると冒険者だけでわなくカウンターの人達も惚けていた。特に女の人達は、顔を真っ赤になせなぜかもじもじしていた。
[一体何なんだ?]
リルはそう思いながら待っていたら順番になった。
「い、いらっしゃいませ。本日はど、どういったご用件でしょうか?」
カウンターのお姉さんは顔を真っ赤にしもじもじしながら聞いてきた。
「さっき登録したものだが」
「え!?あ、リルさんですか!?」
「ああそうだ。てか、俺そんなに影薄いか?」
「い、いえ。その逆であまりにもカッコいいから分からなかったです。」
リルはハッとして自分の顔を触る。やはりフードが脱げていた。
[さっきの決闘の時か]
そう言ってフードをかぶり直す。周りの女性達は残念そうにしていた。
「またフードをかぶっちゃうんですか?」
「ああ、あまり目立ちたくないんだ」
「もう、遅いと思いますよ」
「確かにな。それより近くに宿はないか?」
「はい、ありますよ。あっまだ名前を言ってませんでしたね。私はサリです。よろしくお願いいます。」
リルは、受付嬢のサリさんから宿の場所を聞いてギルドを後にする。