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リル達が森の奥に入り数十分経過していた。
「いないね~」
「ああ、クウどうだ?」
「はい、確かにさっきまでいたと思います。」
「そうか、まあ気にはなるがいなくなったのなら他を探すか」
リルがそう言って引き返そうとした時だった。
(ん、この気配は)
「ご主人様」
「ああ、何か変な気配があるな」
リル達は森の奥を見てそう言った。
「どういたしましましょうか?」
「そうだな行ってみるかまだ午前中だし今みたくはずれでも大丈夫だろ」
そう言ってリル達は更に森の中に入ることにした。
森の奥に入ると開けた場所に出た。
「これは」
リルが辺りを見回すと木でできた家が点々とあった。家には、窓があったのでそこから中を覗いて見るとゴブリンが5、6体程集まってわいわい騒いでいた。
「なるほど、どうやらここはゴブリンの集落みたいだな」
「そうですね、ですが極めて知能が低いゴブリンにこんな集落を作れるとは思いません。多分どこかにゴブリンロードがゴブリンキングがいると思われます。」
「確かゴブリンキングはゴブリンの上位種でゴブリンロードはゴブリンキングの亜種だったか」
「そうです。通常のゴブリンはランクEで知能も低く弱いですがゴブリンの上位種であるゴブリンキングは単体でランクCゴブリンの集団を率いていればランクはBになります。さらにまれに存在するゴブリンロードは単体でランクB、集団を率いていればランクAになります。そしてキング、ロードになれば知能が人並みと言われております。」
「なるほどな、とりあえず集落を一通り調べて見るかどこかにキングかロードがいるかも知れないな。クウとハクは右側頼む俺は左側を見てくる」
「分かりました。行きますよハク」
「はーい」
ハクはリルの頭から降りるとクウと二匹で左側にいった。
「さて、俺も行くか」
リルはまず近くの家の窓でゴブリン達の様子を伺う。
「ギャ!」
「ギャギャ!」
ゴブリン達は笑いながら話をしていた。
(ここにはリーダーはいないみたいだな)
リルは、次々と木の家を確認して回った。
(ん、あそこだけやけに豪華だな)
家を確認していると、木をふんだんに使った大きい家があった。
(いかにもって感じだな)
リルはそう思いながら窓から中を見渡した。中にはゴブリンよりも一回り以上の肌の黒いゴブリンが木の椅子に座っていた。
(あいつがリーダーか、取り敢えず鑑定するか)
名前 ゴブリンキング 年齢? 種族 ゴブリン
レベル80
生命力 5000
魔力0
攻撃力2000
防御力1200
魔攻力0
魔防力1000
速さ1200
スキル
統率level5
剣術level5
咆哮
暴飲暴食
称号
ゴブリンの王
ゴブリンを統率するもの
(あまり強くないな、一旦クウ達と合流するか)
リルは、クウ達との待ち合わせ場所に向かうことにした。
リルが待ち合わせ場所に行くとすでにクウ達が待っていた。
「お帰りなさいませご主人様」
「おかえり~」
クウが頭を下げて言うと、ハクがリルに飛びついて来た。
「ああ、ただいま。早かったな」
「はい、こちらにはおりませんでした」
「そうかわかった。こっちは当たりだゴブリンキングがいた。」
「これからどうされますか?」
「そうだな~俺のレベル上げのために倒しておくか」
「はい、その方がいいかと」
リルが言うとクウが答える。
「よし、クウは右側からハクは左側から攻めて来てくれ、俺は中央から行く。」
「かしこまりました」
「は~い」
クウとハクは左右別れて行く。
「さて、少しは楽しませてくれよ」
そう言うとリルは、七色銃《武器式》をホルスターからだし、大きな木の家に魔法の弾丸を放った。弾丸は木の家に当たり粉々にした。
(さて、どうなったかな)
リルは銃を片手に持ち壊れた木の家を見ていた。周りからは家が壊れる音とゴブリン達の悲鳴が聞こえる。
(クウ達だな、いくら子供でも最高クラスの神狼フェンリル、最低ランクのゴブリンが何体集まっても無駄だな)
リルがそんな事を思っているとリルが壊した、今は瓦礫と化した木の家からゴブリンキングが姿を現した。
(ガァー!!)
ゴブリンキングがリルを見ると雄叫びをあげてきた。
(やっと現れたか、さて第2ステージと行きますか)
リルは微笑みながらそう思っていた。