1ぴこ。【小学5年生のはずだった】
私は佐槻檜胡あだ名はぴこ。
海丘小学校に通う小学5年生、だったはずが目が覚めると高校2年生になっていた。何を言っているのか分からないと思うが私が一番わかっていない。
夏休みの最終日、いつもより遅くまで起きて何とか宿題を終わらせて眠りについた。そして朝、目覚めしの音をBGMに2度寝しようとしていたところを母親に怒鳴られて起き上がる。
まだ眠く、視線の定まらない目で机を見て昨夜は宿題に夢中で時間割を確認していなかったことを思い出した私は机の上にいつもあった、あるべきはずの物が無いことに気づいた。
「おかーさん、あたしのランドセルしらない?」急いで1階へ降り、朝御飯を作ってるお母さんに聞くと
「え?ランドセル?押し入れか何処かにしまってあると思うけど...急にどうしたの?」と不思議そうな顔で聞き返してきた。
今日から3学期が始まるんだからランドセルがなきゃ困るでしょ、と言いかけてお母さんの顔がいつもよりすごく近くにあることに気づいた。
「おかーさん、背、すっごく縮んだ?」背比べするように隣に立つといつもは見上げていたお母さんと目線があまり変わらない。
「何言ってるの、いつも通りよ。あんた高校生になってからぐんぐん伸びて、お母さんもう追い抜かれちゃいそうよ。」ん..?
「こーこーせい?」お母さんの言っている意味が分からず首を傾げると長い髪が揺れた。おかしい。あたしは1年生の時からずっと動きやすいよう短く切っている。
「なに寝ぼけてんの。もう2年生の3学期なんだから、しゃっきりしなさいよ!」にねんせい...?
「あたしもう5年生だよ?寝ぼけてるのは、おかーさんじゃないの?」朝御飯のソーセージを1つつまみ食いしながらお母さんの方を見ると見ると、少し変な顔をしていた。
「ぴこ、何言ってるの?あんたは高校2年生でしょ、もうすぐ3年生になるんだから進路の事とか、ちゃんと考えなさいよ。」高校2年生?高校生って6年生の先の中学生の先の、あの高校生?
「ほーら、早く朝御飯食べないとバスに乗り遅れるわよ!」混乱している私にご飯をよそったお茶碗を渡してくるが、朝食どころではなかった。「な、何言ってるの??今日から5年生の3学期でしょう?高校生なんてまだまだまだ先だよ?」これは夢なのかと思い頬をつねるが痛い。
「ぴこ!小学生の頃に戻りたいのはわかったから、早く準備しなさい!遅刻しちゃうわよ!」お母さんに背中を押され部屋まで上がり、鏡を見るとそこにはいつも見ていた顔と別の顔が映っていた。別の顔だが丸くて少したれた目、よく低いと言われる鼻、頬に散らばるそばかす等いつも見ていた顔の面影があった。
「ほんとうに、高校生になったの..?」信じられないがお母さんが嘘をついたとも思えない..でも...
「嘘でしょう..?ねぇ、嘘だと言ってよ...」鏡に映る自分によく似た女性に囁きかけても返事は帰ってこない。
「ぴーこー!あと5分でバス来ちゃうわよー!!!」どうしよう。お母さんに言ったところで信じてもらえるだろうか..?いや、非科学的な事を信じないお母さんの事だからそう簡単には私のってくれないだろう、ならば...
結局、まだ見ぬ高校への期待と憧れが勝り、私は干してあったセーラー服を着て(結び方が分からずリボンはぐちゃぐちゃ)机の横のスクールバッグを持ち(中身は空)階段を掛け降りて行った。
読んでいただきありがとうございます!
初投稿なので至らぬ点も多いかもしれませんが一生懸命頑張ります、よろしくお願いします♪(o・・o)/