野盗
短いですが上げます。主人公は色々な異世界を渡っているので今回の神にもらった能力いがいのチートも所持しています。まあ追々でてくるかと。
草原の真ん中を横切り街らしい壁へ続く道(とはいっても石やレンガの舗装も無く荷馬車らしい轍跡と人の踏みしめで出来た所謂、踏締め道)に僕を放置すると少年はさっさと消えてしまった。
『さて魔力供給も終わったし帰って昼寝でもすっかな』
この世界の神も半分ニート予備軍だな…。他世界からかっぱらった魔力で生活とか碌なモンじゃないな…。溜息一つ。
少し街道を進むと前になにやら人だかり…溜息一つ。定番だねぇ。
荷馬車を襲うむっさいいかにもな男たち六人、それに相対する護衛ぽい冒険者?達が二人…。うん、迂回しよう。
少し襲撃場所から避けて道を通ろうとしたら声を掛けられた。
「おい!そこのお前!なに勝手に通ろうとしてんだよ!」
剣を突きつけてくるむさいおっさんの一人。溜息一つ。
「あ~、お仕事ご苦労様です。関わる気はないので」
「そうはいくか!てめえみたいな上玉見逃すかよ!」
『捕まえたら味見してピーーーをピーーーーで…』
うあ…。
「御遠慮します。それに僕、男ですんで」
「なあぁに需要は男でもあらぁな!」
溜息一つ…神、今度あったらぶん殴ってやる。
掴み掛かって来る相手の手首の内側を短剣でなぞるように斬って掴めない様にしてやりながら股間を思い切り蹴り上げてやる、ショックや出血で死ぬかもしれないけど知ったこっちゃ無い。
おっさんの取り落とした長剣をかっぱらうと、コッチに向かってくる増援二人に駆け寄り足元に滑り込むと右側のおっさんの膝の皿めがけて刀身を叩きつける。切れ味の悪い長剣ぽかったけどそれでも膝位は砕けるらしく悶絶させる。
残りひとりが剣先を振り下ろしてくるのを身を捻ってかわし、こっちの剣先で掬った土を顔面に叩きつける。ひるんだ横面に廻し蹴りをいれ崩れた首筋に長剣を突き落とす。
三人倒したところで数の有利が崩れたのを悟ったのかおっさん達は逃げ始めた。冒険者?の一人が追撃しようとするのをもう一人が制止している。うん、おにいさん腕良さそうだね。
厄介事が終わったのでとっとと街に向かおうとしたら声を掛けられた。
「いや助かったよ君!俺はケイン、こっちは妹のアリア…」
面倒くさいので無視して街に行こうとしたら妹がキレた。溜息一つ。
「あんたコッチが礼を言ってるんだから返事くらいしなさいよ!」
「こっちは巻き込まれたから火の粉を払っただけだ。別に助ける気はなかったし、あんたらの腕なら野盗六人くらい倒せただろ?」
「まあ過程はどうアレ助かったのはホントだよ。僕達もこの先のタージュの街に行くんだ一緒に行かないか?」
「行かない。野盗の持ち物もいらない。じゃあね。」
溜息一つ。有るモノは利用するのが冒険者だろうケド、護衛に加わる気は無い。
この兄さん別に利用する気は無いのは読めてるんだけど後ろで荷馬車から顔覗かせている商人が良からぬ事を考えていたのでヤメタ。
『腕利きがタダで加わってくれたら儲けモノ、ついでに野盗倒したのは旅人だし危険手当の分の報酬はケチれるな…』
好き好んでトラブルに首突っ込むのは願い下げだ。
『黒蛇』もエタしないようがんばります。『潜むもの』は構想が手こずっていて纏まっていませんスイマセン。『噺集』は思いついたら投下ですかね。