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第一部 アフター

実話をもとにした一人の男の物語。


      

                    第一部  アフター

 

 午前0時、客のいないバーで一人酒を飲んでいるのは、工藤 祐介18歳、今は仕事をしていない。

 

祐介は心の中でつぶやいた・・・こんなはずじゃなかったのに。

 

祐介は高校ではそこそこ人気のあるバンドのボーカルを担当していて、身長は182センチ、色白で、かなり人気があった。

そんな祐介は、そこそこ自分に自身があり上京してきたのである。

しかしバンドは上手くいっていなかった、メンバーも一緒に上京してきたのだが、ベース担当の大輔はバイト先の仲間と遊ぶのに夢中で、ドラムの太一は、そんな大輔に不満を抱いている。今日はそんなバンドの練習の後だった。みんなのやる気のない態度を見て祐介は一人で飲みたくなったのだ、この日祐介は、閉店までグラスと会話した・・・。

 


 次の日、携帯が鳴り祐介は目を覚ました、まだ頭がクラクラする・・・二日酔いだ、それでも電話に出る、相手は以前働いていたパチンコ店の店長、啓太だった。啓太は暇さえあればキャバクラに行く男だった。当然のようにその誘いの電話だ。


 啓太「祐介!!いつまで寝てんだよ、お前暇だろ?」


確かに暇だが、啓太の甲高い声は、二日酔いにはきつい。

 

 祐介「確かに暇ですけど、つーか寝起きですよ、またキャバですか?」

 啓太「それ以外に俺がお前に電話するかよ?どのくらいで出れる?」

 祐介「二時間後なら出れますよ?」

 啓太「一時間後だな、迎え行くからな!」

 祐介「ちょ、ちょっと」

 啓太「ツーツー・・・・・。」


相変わらず強引な啓太に呆れながらも、仕方なく祐介は準備を始めた。

 

一時間後。啓太のBMWがアパートに停まり、祐介は乗り込んだ。

 

 啓太「遅いよー準備かかりすぎ」

 祐介「一時間て言ったじゃないですか?」

 啓太「どこの店行く?」


人の話を聞かない。


 祐介「どこでもいいですよ?」

 啓太「お前いっつもそれだな、じゃあ今日は行ったことのない店にするか?」

 祐介「そうですね・・・」


15分も走ると繁華街についた、二人は歩きながら飲む店を探している。軽快な啓太の足取りが止まった。


 啓太「ここは?」


啓太の目線の先には、CLUB LOVE FINEの看板が、


 祐介「いいですよ、任せますよ」

 啓太「じゃあ決まりな!」


啓太がすぐに入り口の扉を開けた。


 ボーイ「いらっしゃいませ!!お客様二名様でよろしいですか?御指名の方は?」


おそらくこのセリフを何万回も言っているであろう馴れた口調でボーイが言った。

 

 啓太「ないよ、初めてだからねいい子つけてよ」 

 ボーイ「ありがとうございます、もちろんですよ、それではご案内します。」


店内は週末ということもあって、賑っている。少し狭いテーブルに二人は案内された。

啓太は納得がいっていない様子だ。


 啓太「狭くねーか?」

 祐介「仕方ないですよ、忙しいみたいだし我慢しましょう?」

 啓太「お前がいいなら、俺はいいんだけど」


 祐介・・・思ってないだろ。


 祐介「俺は大丈夫ですよ」


そんな話をしていると、


 マリア「失礼しまーす!マリアでーす!ご一緒してもいいですか?」

 啓太「どうぞ、隣に座りなよ」

 マリア「ありがとう!」


もうタメ口だ。

異常に胸の開いたドレスはマリアの豊満な胸をこれでもかというように強調している。

隣に座られて祐介は目のやり場に困った。そんな中、啓太は違った、さすがにキャバクラ好きなだけあって目線は、じっとマリアを観察ている。


 マリア「何飲まれます?」

 啓太「俺はビール、祐介は?」

 祐介「俺も同じでいいですよ?」

 マリア「わかりました!お願いしまーす!!」


ボーイがビールを2つ持ってきた、マリアが二人を見ている。


 啓太「あっごめんごめん、マリアちゃんも何か飲みなよ?」

 マリア「うん!」


マリアはテーブルにあった紙に何かを書いてボーイに渡すとすぐに、マリアの飲み物が届いた。


 啓太「じゃあ乾杯!!」


3人で乾杯した。


 マリア「二人は、どういう関係なの?」

 啓太「仕事先の後輩かなー」

 マリア「仕事って?」

 啓太「パチンコ屋さんだよ」

 マリア「そうなんだ大変そうだねー」

 啓太「まあこいつは無職だけどね!」

 祐介「その言い方やめてくださいよ、なんか感じ悪いじゃないですか」

 啓太「事実だろーが」

 マリア「そうかなー、仕事してないって聞いても祐介君て、なんかちゃんとしてる気がするよ?」


ただのフォローだってわかっていながら、祐介は少し嬉しかった。

30分位経過すると、マリアは名詞を二人に渡すと、席を離れた。


 姫香、優「失礼しまーす!!ご一緒しまーす!」


少し強引に入って来たのは、NO1の姫香と、優だった。


 啓太「どうぞ好きな方に座りなよ?」


立ち位置から近いほうにそれぞれ座った。啓太の隣には優が座っている。


 優「グラス空だよー?」

 啓太「うん、同じので!」

 優「わかったよ」

 姫香「祐介君は?」

 祐介「俺はまだいいよ」

 姫香「私もなんか飲んでもいいかなー?」

 祐介「いいよ」


啓太がお前が答えるなよ、という顔をして見せた。祐介は気付かないふりをした。

 それから啓太は、祐介に断りなく、2回延長をして、3時間が過ぎた。

啓太は優を指名して、祐介も姫香を指名した。


 啓太「この後2人は何してる??」


啓太の質問に、一瞬時間が止まる・・・

 

 祐介・・・姫香と優は顔を見合わせた。あっ断られる!


 姫香「祐介君は?どうしたいの?」

 祐介「どうしたいって?・・・」


姫香が眉間にしわを寄せた。


 姫香「一緒にいたいのー?どっち?」


思いがけない質問に優が驚いている。


 祐介「いたいです。」

 姫香「よろしい、優?アフターしよっか?」

 優「えっ? う、うん」


優は驚いた、姫香は普段、アフターなどしない。それ以上に仕事中に酔っている姫香を見るのは初めてだった。

店を出て24時間の居酒屋で待ち合わせをして、4人は合流した。


 啓太「さあ飲むぞー!」


啓太が、優に飲ませようとしている。優もプロだ、啓太の思惑いは気付いている。

そう啓太は、優を飲ませて、そのままホテルに連れて行くつもりだ。

大体そんなときは、ホテル街の近くにある24時間の居酒屋を利用するのが、啓太の決まったパターンだった。


 優「もう酔ったよー」


酔った振りを優が始めた、もちろん啓太も気付いている。


 啓太「酔った振りでしょ?店で頼んでたのノンアルコールだったじゃない?」


啓太は、優がトイレに立った隙に味見をしていたのだ。


 優「あれ?んーわかったよ、飲めばいいんでしょ!飲めば!」

 啓太「そうそう、飲もうねー」


啓太はご機嫌だ。


 姫香「ところで祐介君て彼女いるのー?」

 祐介「いないよ」

 姫香「そうなんだ、モテそうなのにね?」 

 祐介「そんなことないよ、全然だよ俺なんて・・」


高校時代の話しなんて、今の祐介には言えなかった。

そんな話をしながら2時間が経った。


 姫香「ねー祐介君、タバコ買いにいかない?」

 祐介「いや、俺が買ってきてあげるよ?」

 姫香「やだ、一緒に行くんだよー」


普段、大人っぽく綺麗すぎる姫香の子供っぽい口調は、祐介の男心をくすぐった。

二人がコンビニでタバコを買って帰ると、


 姫香「あれ?」

 祐介「?」


 2人がいない・・・もしかして

・・・。

・・・・。

・・・・・・・・・。

・・・・・・・・・・・!!!

 祐介と姫香は同じ事を想像した。なぜなら、啓太があの酔った状態で車を運転できるわけがない。

2人は、会計を店員に頼んでみると会計は済ませてある・・・祐介は気まずくなった。


 姫香「まあ同意の上ならね・・。」

 祐介「そうだね・・はは」


祐介はぎこちなく笑った。


 姫香「私達も行こっか?」

 祐介「行くって?」


姫香は呆れた表情だ。


 姫香「あのねー祐介君さー、こういう時は女の子が言うわけ?」

 祐介「そうだよね、ごめんごめん」

 姫香「もー」


そうして二人は、ホテルに向かった。

部屋に入ると、姫香はベッドに仰向けになって祐介を見ている。

所々ドレスの隙間から見えるそのしなやかな体とまっすぐに透き通った視線に祐介は思わず


 祐介「・・・ゴクリ」

 姫香「なに?祐介君、こういうところ初めて?」


そんなはずはない、祐介は高校時代から人気があり、ほとんどのファンの子に手を出していたからだ。


 祐介「そういうわけじゃないんだけど・・・」

 姫香「じゃあどういうわけよー?」


姫香が綺麗過ぎたのだ、これほどの女性との経験が祐介にはなかった。


 姫香「一緒に寝ようよ」

 祐介「うん」


ベッドに入ると姫香が抱きついてきた。

祐介は自分の心臓の音が姫香に聞こえないように祈った。

祐介は姫香に覆いかぶさり、唇が重なり、姫香の細いてが祐介に絡みつくのと同時に2人の唾液が交わった。


 姫香「なんだ、祐介君、慣れてんじゃん?」


祐介には聞こえない。


 姫香「あっ・・・」


祐介の右手が十分に濡れた姫香の中に入っていく。


 姫香「ちょっ、ゆう・す・・」  


姫香の体が一瞬震えた。

すると、姫香が祐介に覆いかぶさり、祐介の上半身を丁寧に舐め始めた。

徐々に、その位置は下へと移動し、祐介の下半身に辿り着く・・・。

姫香は、何度も何度も唇を擦りつけ、舌を絡ませた。

姫香の唾液が祐介の太ももへ流れ落ちる・・

そして、姫香の唇が離れると、姫香はドレスを着たまま祐介のモノを自分にゆっくりと反復を繰り返しイレていく。

波をうつように、姫香は腰を動かし祐介の上をナゾル。

祐介は姫香のドレスの紐を肩から滑り落とし、形の良い胸をもてあそんだ。


 姫香「ゆうすけ・・んっ・」

 祐介「・・・ん?」

 姫香「またイっ・・・ちゃ・うよ」

 祐介「俺もだよ・・・・」


姫香の言葉に反応するかのように、今度は祐介が覆いかぶさり、姫香の小さな身体を激しく突き上げる。

そして祐介は果てた・・・。


それから2人には会話はなく、時計の針だけが音を立てている、まるで2人を見守るように・・・。

先に姫香が口を開く。

 

 姫香「ねー?」

 祐介「どうしたの?」

 姫香「祐介って不思議だよね」

 祐介「・・・・」

 姫香「なんかさ、女の子に慣れてないように見えたり、慣れてるように見えたりそれって作戦?」

 祐介「なんだよそれ・・」

 姫香「それだよ!急に男らしくなったりさ?」

 祐介「そうかなー」

 姫香「祐介ってホストとか興味ないの?」

 祐介「ないよ。女騙して金稼ぐ仕事なんて最低だとおもう」

  

姫香が悲しそうな表情をしている。


 祐介「ごめん、俺、何か酷い事言ったかな?」

 姫香「私もそう見えるんだ」

 祐介「いや、そんなこと・・・」

 姫香「私も最低なんでしょ?結局そんなもんなんだよね・・・」

 祐介「・・・・。」

 姫香「やったこともないのに、水商売をそんな言い方するのひどいよ。少なくとも私は本気でこの世界で生きてる、そのためにいろんなものを捨てたいよ・・・それでも・・・」

 祐介「ごめんね。そうだよね。でもホストは嫌なんだ」

 姫香「やっぱり最低だと思ってんだ・・・」

 祐介「だから思って・」

 姫香「最低だと思ってんのにエッチしたんだ!」

 祐介「思ってないよ」

 姫香「やるだけだったらいいや的な感じだ!!!」


急に姫香が子供っぽくなる。


 祐介「ごめんってば、どうすればいいの!?」

 姫香「面接だけ受けてみない?いい店知ってるんだー」

 祐介「それはちょっと・・・」

 姫香「やっぱり!」

 祐介「わかったよ!面接だけだよ?」

 姫香「よろしい!!場所と時間は明日メールするから・・・」


祐介は納得したわけではなかったが、姫香に言われると弱かった、少しずつ姫香に引かれていく自分に逆らうことは出来なかった。


 今はまだ気付いていなくても・・・。

 

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