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吸血塾2ブラッドサッカー  作者: クオン
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事前策を練る警察とマルリックたち

七緒と苅田から聞いた若生の要請に対しマルリックは軽く舌打ちしてしかめ面をした。

「地図写真は見れるか?」

七緒はマルリックにグルーグマップの地形モードを携帯画面で見せる。

「病院か?」

「介護施設ね。病院も兼ねているでしょうけど」

「む、木造2階建てだが広いな」

衛星写真はわずかに南からの撮影地なっており、階層がギリギリ把握できる。

「若生に突入するなら2階からと伝えておけ」

「理由は?」

「恐らく2階が病室になっていてそこを「巣」にしているはずだ。まあ、気休め程度の措置だ」

「仲井刑事、建物の資料を至急」

苅田も興味を示している。

「臭いセンサーは用意できるか?」

「どのレべルのものですか?」

「空中に漂う臭気を検知するタイプだ。出来れば臭いの種類も表示される物が良い」

「鑑識にでもあれば良いのですが・・・」

「おそらく20万円はせんはずだが、特殊だから受注生産かも知れん。どこかから借りられないかメーカーに問いただしてくれ。それとは別にハンディタイプの計測器もあるはずだ。数を揃えることが出来るのなら尚良い」

「どのように使うのですか?」

「今回は対象物件があって、そこがポイントかどうかハッキリさせたいのだろう? 風下と風上でデータを取って臭気に大きな違いがあれば疑いが濃厚になる。同時にその物件の人の出入り状況を確認すべきだな。若生に連絡をとりたいが?」

「今は携帯の電源を切っているのでしょう。メールするのなら、こちらの方針をはっきりさせておかないと」

七緒は苅田をちら見しながら言う。

「所轄から1班、本部から2班なら私の権限で動員できます。最悪、それでカバーできますか? 吸血鬼を?」

苅田はマルリックを見やり訊いた。

「若生が突撃する前までならそれで十分だが、奴らが初手で逃げを打ったら、その人数で足止めは不可能だぞ」

「あなたと私で加勢するのは?」

七緒がマルリックに訊いた。

「もちろん私は加勢するが、十海先生の参戦は若生が反対するだろうな」

若生の性格からマルリックの予想は正鵠を得ているのだろう。

しかし七緒は引き下がらなかった。

「戦闘はともかく足止めぐらいはできるはず、今回は数が必要なのだから控えていた方が無難なのではなくて?」

「忘れるな。リタは索敵と同時にこちらの識別も出来るのだ。先生に集中して退却戦を展開されたらフォローは難しい」

「では、敵陣に飛び込むのは若生君とあなた・・・だけで?」

「いや、あの在来の忍者にも加わってもらう」

「マルリック!?」

「隠すわけにもいくまい。今回は警官隊の銃による加勢も肝要なのだ。同士討ちは避けねばならん」

苅田がハアーッとわざとらしくため息を吐いた後に言葉を続ける。

「なるほど、あなた達にはまだ私たちに開示されていないコミュニケーションがおありなのですねえ」

「リタ・ギオレンティーノの獣化能力を最初に止めようとした吸血鬼だ。こちらが一方的に迷惑をかけているから特に警察には黙秘したかったが、今回は彼の参戦は不可欠だし、うまく連携しなければならん」

「若生君から連絡があり次第、忍者さんへ連絡するわ」

七緒は取調室を出ながら続けた。

「とにかく時間がないわね。私は釈放ということでいいのかしら?」

「連絡ならここからできるのではなくて?」

とは言ったが、苅田は強硬に止める素振りはしなかった。

「警察の武装については私が残って助言する。まあ体の良い人質だ」

マルリックは事務椅子に座りなおしながら七緒に軽く手を振りながら早く行くように促した。

七緒は警察署を後にして若生に携帯電話から発信した。

携帯からは定番の電話番号は電源が切られているアナウンス応答が流れる。

今はこれで良い。

七緒はフィットに乗り込みながら若生からの往信を待つことにした。


若生はまず本庄邸に戻るべくバスを乗り継いでいた。

天足の術は人目に付く昼間は使えない。

仮にそれが夜であったとしても、着地点に人車がいては迂闊には使えない。

という訳での、バスの移動はもどかしくもあったが、逸る気を押さえつけて車両に揺られていた。

移動中ならば携帯を使っても大丈夫なのではないか? と思い立ちスマホの画面を開いてみる。

七緒からの着信はあった。

やはり十海七緒にショートメールを送るのがいいだろう。

『待ち合わせ場所は鈴ヶ丘町槙野9マーベラスホスピタル槙野荘。なんとか20時までに?』

と、若生は送信する。

『忍者さんにも参加をお願い!!』

七緒の追加メールだった。

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