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吸血塾2ブラッドサッカー  作者: クオン
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リタ説得に失敗する篠原健司

短いです(汗)

篠原健司とて眷族である。

若生からの着信を受け取って生身で走って、3分もかけずに廃工場からコンビナートに到着していた。

それでも若生と合流しなかったのは、先にリタ・ギオレンティーノを見つけたからである。

[リタ!]

深くフードを被ったリタは答えない。

[やめろ! 止めさせろ! 奴らを止めるんだ]

健司はスペイン語で話しかけた。

[引けば若生は許してくれる。我々に敵対したりはしない]

リタが顔をあげた。

突き出した獣のような鼻と顎を見て一瞬絶句した。

健司が獣化したリタを実際に見るのは初めてだったのだ。

[なぜそこまでする? なぜそこまで若生を憎むんだ? ロード・フィルは決闘で敗れたんだ。一対一で奴が勝ったんだ]

[・・・ノォ]

しゃがれた声だった。

[ヌォォォー]

[若生ならロード・フィルの血脈も維持してくれる。コミュニティーも賛同してくれるだろう?]

[ンノォォッ!]

リタはあくまで健司の言葉を否定する。

そして健司を指差した。

背後から何かが健司の肩に激突してきた。

「ウアアアアァァァッー」

健司の左腕が肩からごっそりと引きちぎられ、堪らず膝をつく。

健司の腕を引きちぎった眷属はリタの後ろに回り込み横に立った。

その眷属が吹き飛び、リタに激突する。

バンッ!

背後から爆音が弾ける。

気づけば若生が、健司の横に立っていた。

右手には健司の左腕が握られている。

若生はリタと対峙しながら無言で左腕を健司に差し出した。



サークル状のタンク基礎部で若生はリタと健司の接触に気づいていた。

眷族と距離を取って膠着状態になっていたからだ。

更には距離があるにもかかわらず夜間で周囲が静かであったせいもあるだろう。

若生に襲い掛かるはずの眷属の一体、健司の声に近い方が姿を消した瞬間、若生は動いた。

声がした方向に飛び出したときには健司の肩に眷属が襲い掛かるのが見えた。

若生は右手の衝撃波で空中加速してリタと眷属の間に飛び込みブレードで眷族の右手首を切り落とし、つかまれていた健司の腕を取り返した。

衝撃音が遅れて波及したのはその直後である。

健司は若生に渡された右腕を肩に押し付ける。

その横で若生は後ろから距離を詰めようとする大型の眷属に攻撃を仕掛けた。

カウンターで一瞬に眷属と交差する。

若生の右腕が針毛に変形しながら相手の右手首をかすめる。

それだけで大型眷属の右手首は消失してしまっていた。

若生は衝撃波を使った踏み込みで跳びかかる。

小さい方の眷族は前向きに崩れながら後ろに引きずられるように倒れる。

若生が大型眷属の脇を一瞬ですり抜けて、リタの横にいた眷属の足に斬撃を加えたのだ。

眷族の膝から下の足が飛び跳ねながら地を転がっていった。

「ギエッ!」

短くリタが吠える。

二体の眷属のうち、大型はもう一体の足を拾い、足のない方はリタの前に立った。

リタが背を向ける。

[待て! リタ! 行くな!]

しかし、リタはそのまま走り去ってしまった。

眷族二体も若生がリタを追わない事を確認して、片足を失った方が先に下がり、次いで大型が若生を警戒しながら去っていった。

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