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クラス全員異世界転移したのに俺だけ遅刻した〜腹黒王女からクラスメイトを取り戻せ!〜  作者: 大橋 仰
第4章 ハーレムにつられた男子たちの末路

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日本に帰る前日の話 後編

「あっ、そう言えばコゼニスキーさんって、確か胸に聖紋を刻まれるとか……」

 カケルが、ちょっと気の毒そうにつぶやいた。


 セイレーンが、お師匠様に頼んで『悪いこと禁止聖紋』を刻んでもらうと言っていたが、果たしてどうなったのだろう?


「ええ、そりゃあもう、バッチリ胸に刻んでいただきましたとも…… そして、しばらくはお師匠様の元で修行をやり直すことになり、ただ今絶賛お仕え中ですとも…… あっ、そうだ。私の聖紋見ます? チラッ」

 そう言って、コゼニスキーは胸の谷間をチラ見せした。


 その時、カケルの『エロいこと禁止聖紋』が光った!


「ゲエエエエ!!! イテエエエエ!!! おい、やめろよ! アンタ、ワザとやってるだろ!」


 そう言ったカケルの目の前では——


「ゲエエエエ!!! イタアアアア!!! お、お師匠様! こんなの、ちょっとしたイタズラじゃないですか! こんなのも悪いことのうちに入るんですか!?」


「この人、カケルにそっくりだな」

 こそっと、コダチがつぶやいた。



「やれやれ…… お前たち二人は本当に賑やかだな。おっ、そうだ。聖紋と言えば…… 確か、男性の勇者様方の中にも、『悪いこと禁止聖紋』を刻むに相応しい悪事を企てた者がいるとか」


 ブユーデンの言葉を聞いた男子たちが一斉に、


「コイツです!」

 と言ってた指差したのは——


「お、おい、テメーら、なに裏切ってんだよ!」

 剣道部ケンイチであった。


「おお、なるほど。これは悪そうな面構えをしている。時間のあるときにでも、謁見の間にある祭壇までおいでなさい。きっちり聖紋を刻んで差し上げましょう。おっと、今日は新政府のお偉方から会議に招かれていたのだった。そろそろ会議が始まる時間のようだ。それではまたお会いしましょう」

 そう言って笑いながら、ブユーデンは王宮の中心部へと歩いて行った。


「今のは、お師匠様なりのジョークですからね」

 コゼニスキーは笑いながらそう言った後、慌てた様子でブユーデンの背中を追いかけた。



 ♢♢♢♢♢



 後で聞いた話では、ウサンクセーゾのじいさんは、王女に牢獄へと送られた後、王宮に乗り込んで来た新政府軍に、半死半生の状態で発見されたそうだ。食べ物もロクに与えられていなかったらしい。


 命からがら助け出されたじいさんは、王宮に招かれたブユーデンにより『スキル使用禁止の聖紋』を胸に刻まれた後、再び牢に戻されたとのこと。政情が落ち着いたら、改めて裁判にかけられるそうだ。



 そうそう、じいさんを裏切ったフクシーンだが、やはり悪いことは出来ないもので、新政府軍の兵が王宮に入場したとき、じいさんの隣の牢に入れられていたそうだ。どうやらトンズラに失敗したようだ。



 それからついでにもう一つ。コダチに聖剣を譲り渡すことになったケンイチについて。


 剣道部ケンイチは、この世界に残りたい、別に勇者でなくてもいい、一般の剣士でも構わないからと言って、この世界への残留を熱望した。

 剣の世界で生きて行きたいと訴えたのだ。


 しかし、その願いが聞き入れられることはなかった。

 そもそも、勇者召喚のため異世界からこの世界に招く人物は、一人だけであるそうだ。


 王女はこの法則を故意に曲げたが、異世界人が複数名この世界にいること自体がおかしいのだ。


 新しいこの国の重臣たちは、強力なスキル『剣豪』を持つコダチに、本来の勇者としての役割を果たしてくれるよう懇願した。

 改めて、コダチはこの世界の人々から、勇者として選ばれたのだ。


 重臣たちは、カケルたち19人に、どうか日本に帰って欲しいと言って頭を下げた。


 この世界には、異世界人は一人しか存在してはならないのだ。


 こうして、残念ながらケンイチは日本に帰ることになった。



 ♢♢♢♢♢



 明日、いよいよ、カケルたちは日本に帰る。


 カケルの物語も、ついに終幕を迎えることになる。

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