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クラス全員異世界転移したのに俺だけ遅刻した〜腹黒王女からクラスメイトを取り戻せ!〜  作者: 大橋 仰
第3章 決戦のとき、来たり来なかったり!

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企みの全貌 前編

 なにやら悪巧みを企てている様子のアヤシゲナーに、尋問を始めた委員長。

 委員長のスキル『説教』の影響を受け、アヤシゲナーは今、身動きが取れない状態である。


 委員長はスキルを使って質問をしているため、アヤシゲナーは嘘をつくことが出来ず、洗いざらい、すべての情報を吐き出すしかない。


 まずはアヤシゲナーが向かった場所について尋ねてみると——


 カケルたちがキタノ砦に現れたのを確認したアヤシゲナーは直ちに砦を抜け出し、近隣の街で待機しているワルダークミ伯爵配下の者と接触。


 カケルたち一行が現れたことを伝えた後、事前の計画通りに事を進めることを配下の者と確認し合った。


 その計画の最終目的は——

 このキタノ砦をワルダークミ伯爵の直轄とし、アヤシゲナーがこの砦の指揮官となるというものであった。


 そんなアヤシゲナーの話をを聞いていた舞が、ポツリとつぶやく。

「ねえ、この砦って、そんなにみんなが欲しがるものなの? なんか魔王が攻めてくるヤバイ場所じゃないの? そんな場所が欲しいなんて、そのなんとか伯爵って実は良い人なの?」


「今はまだ魔王が復活しておらんので、この砦ものんびりしたもんなんじゃが——」

 舞の言葉に応じたのは、この砦の最高責任者ガンコロジン将軍。

「——魔王が復活すると、このキタノ砦には、今の何倍もの兵士や物資が送り込まれるんじゃ。ワルダークミ伯爵は、その物資を横領するつもりなんじゃろう」


「……許しがたいです」

 聖女セイレーンが、憎々しげに言葉を吐き出した。


「じゃあ、そこのおじさんは、なんでこの砦のエラい人になりたいの?」

 舞の疑問は、委員長の口を通してアヤシゲナーに告げられた。


「そりゃあ、エラい人になったら、みんなにエラそうなことが言えるからだ。給料だってアップするしな………… ああ、なんで俺、こんなこと言わなきゃならないんだよ……」


「ついでに聞いてみるわ。アヤシゲナー、私の質問に答えなさい。あなたは魔王が攻めて来たらどうするつもり?」

 委員長がそう質問すると、


「そんなの、逃げるに決まってるだろ………… あっ、いや、その……」

 驚きの言葉が飛び出した。


 それを聞いた将軍、兵士、そしてなによりセイレーンの表情が一変した。


 場の空気を読んだ蹴人が、

「まあまあ、みなさん、少し落ち着きましょう」

 と、一つ間を入れた。


「まだ、質問は始まったばかりですからね。それで具体的にはどんな風にこの砦を占拠するつもりなのかな? 委員長、そのあたりのことを質問してくれるかい?」


 蹴人の提言に従い、ここからは、これ以降の作戦の詳細が語られることになる。



 作戦の目的は、カケル捕縛を名目に軍を派遣し塔を占拠すること。

 その際、最大の障害となるであろう、アヤシゲナーの言うことをまったく聞かないコダチに対しては、他の4人の勇者を使い、コダチを『帝国の敵』として始末させるつもりであった。


 カケルたちが仮に反抗したとしても、剛田をはじめとする4人の勇者の方が戦闘能力は高いので、こちらについても彼女たちを利用するつもりでいた。


 その後、占拠した伯爵軍の兵士でガンコロジン将軍以下幹部を捕縛。容疑者隠匿の罪で王宮に送る。


 作戦決行の日時については、兵を集めるのに丸1日かかるため、明日ではなく、明後日の朝とする。


 話をまとめると、おおよそこんな感じだ。



「なるほど、だいたいのことはわかったけど——」


「蹴人、話の途中で悪いんだが——」

 剛田が蹴人の話をさえぎった。そして——


「委員長、一つだけソイツに確認して欲しいんだ。いや、はっきりソイツの口から聞きたいんだ。あたしたちは誰に洗脳されたのかってことを」


 わかった、と答えた委員長の口から、剛田の質問がアヤシゲナーに告げられると、


「スキル『国威こくい』を使って、お前たちを国家のしもべにしたのは、ウルサンドル・クルセーゾフ卿だ………… あっ、クソッ!」

 と、答えたアヤシゲナーに、


「クソはテメエだぁぁぁーーー!!! テメーも知ってたんだな!!! ブッ殺してやる!!!」

 と、剛田がアヤシゲナーに向かって突進した。


「剛田さん! 動くな!」

 委員長の言葉が口から溢れた瞬間、剛田の身体はピクリとも動かなくなった。


「ごめんなさい、剛田さん。でも、お願いだから冷静になって」


 剛田の額から冷や汗が流れた。

 委員長に恐怖を感じているのだろうか?

 いや、違う。

 委員長の隣には、両手のひらを前に出し、スキルを発動させる体制で様子を見ているセイレーンがいたのだ。


「剛田様のお気持ちはよくわかります。ですがどうかここは冷静になって下さい」

 冷静な口調で、セイレーンがそう述べた。


「あ、ああ、わかった…… ありがとう委員長。命拾いしたぜ。あっ、忘れてた。命拾いしたようだわ」

 どうやら剛田は冷静さを取り戻したようだ。


 カケルはセイレーンの姿を恍惚とした表情で見つめていた。

『ポンコツなセイレーンさんも可愛いけど、冷静沈着なセイレーンさんも素敵だ……』

 ……真面目な場面が続くと、カケルの出番があんまりないんだよな。

 でも、もう少ししたらまたおバカな展開になると思うから、もう少しの辛抱だ。

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