新二話 家族
決して忘れてはいけませんよ。あなたが………だったということを。
次に目が覚めたとき、とても心地良かった気がした。なんにも思い出せないがそれだけは今でも覚えている。
僕は5歳になった。
そうだ、家族の説明をしよう。
金髪のお父さんのレイルはとにかく口が臭い。前のお母さんはそれでどこかに行ったとか。でも、お父さんはめちゃくちゃ強いんだ。武術にこだわりを持っていて、毎日一人で何かしてる。
黒髪のお母さんのクレアは皆に優しい。一番下の妹はいつもお母さんにベッタリついてる。
えーと、親の説明は済んだから今度は兄弟の紹介をしようかな。
まずは、一番上のお兄ちゃんの名前はレックス?だったかな。もっと長い名前らしいけど分かんないし、名前呼ぶことあんまりないから。レックス兄はいつも怒ってるてて怖いていう印象しかない。
次にお姉ちゃんだ。とにかく姉のリーンは負けず嫌い。兄弟で一番仲が悪いかもしれない。
そして僕がいて、弟と妹が一人いる。
これが僕の家族だ。
あぁそうだ。僕の名前はバーン。本当はもっと長いらしいけど、バーンて名前だ。
生まれた時から兄弟と髪色が違ってて、黒髪の部分はあるんだけど、なぜか髪が赤いところがあるんだ。何かあるらしいけどお父さんとお母さんは理由を教えてくれない。
とりあえずよろしくしくです。
「おい、バーン!何してる!」
まずい、レックス兄が怒ってるよ。
「どうしたの?」
「あぁ!?コイツが俺の物に触れようとしてたからよ」
「そうなの?」
やっぱり、お母さんは優しいな。
「違うよ、たまたま近くを通っただけ」
「らしいわよ、レックス。先走りなのは貴方の悪い癖」
「悪かったな、バーン。勘違いして」
流石の兄ちゃんもお母さんには素直だ。
「良いよ、気にしないで」
「それは、そうともうすぐ夜だしお父さんを呼んできて貰える?」
「分かった!行ってくる」
「おい!バーン走ると転ぶぞ!」
大丈夫、転ばないようにちゃんと見てるから。
「お父さーん!!!」
ドアをバンッ!と音を立てて呼ぶが、道場には気配が感じない。
地下室かと思い階段で下に降りる。
そこには、座禅を組んだお父さんがいた。
「お父さん、ご飯だよ」
「〜〜〜〜」
集中しているのか全く聞いている気がしない。
「ねぇ、お父さん!」
「!!」
触れると一瞬、体を強張らせこちらに向いた。
「おぉ~~どうした?バーン」
「ご飯だよ。ずっと話しかけてたのに無視なんてヒドイよ」
「悪かったな。すぐ行くから上で待っててくれ」
「分かった」
少し待つとお父さんが来た。
二人で家の中へと入るがそこにあるはずの家族の姿が無かった。
第二話読了ありがとうございます。