第十二話 第一回戦第1試合
「大変長らくお待たせいたしましたが、いよいよ始まります。オール学園歓迎組手一回戦第1試合、テトラVSソーラー!!レディ、ファイ!」
始まった。
歓声が上がる中、リングの上の2人は動かない。
「どうした来ないのか?」
テトラが聞くが返答がない。
「ならば、こちらから行かせてもらうぞ!」
動かないソーラーを相手にテトラは迷いなく突っ込んでいく。
そのまま攻撃にうつろうとするがその時には姿が無かった。
「なに?」
あたりを見渡してみると、後ろにいた。
「ふん!」
先ほどよりも速く確実に拳を振るがまたもやかわされた。
なぜだ?なぜかわされる。
考えろ…!
立ち止まって考えていると肌が焼けはじめていることに気づいた
「!?」
「もう遅いよ、君は僕の生贄になるから」
テトラには意味が分からなかった。
「何を言いたいのか分からんが、肌が焼ける程度どうとでもなるわ!」
それは自前の筋肉でカバーしきれるものではない。ただの痩せ我慢にしか見えないが、観客から声援が上がる。
「ふん!ふん!」
フロント ダブルバイセップス、サイドチェスト、最後にモスト マスキュラーといったポーズを取った。
声援がさらに上がるが、流石にテトラの肉が火傷を起こしはじめている。
「そんなポーズしてる暇あるなら攻撃してきなよ!」
聖光
ソーラーが手を上から下に振り下ろすと、空から無数の光の矢が振り注いできた。
「仕方ない。私も魔力を使わせてもらおう。テトラ・シールド!」
テトラが叫ぶと目の前に大きな障壁が生成され、聖光を全て防ぎきった。
見る見るうちに白い色に染まっていく。
「クラッーーシュ!」
障壁が分散し、ソーラー目がけて飛んできた。
「こんなもの!」
陽光
分散した破片が跡形もなく崩れ落ちた。
「なるほど、太陽の力を使ってるのか」
「今更分かったから何になる。貴様の体はもう限界だろ」
「確かにそうかもしれない。だか、私にも負けられない意地がある。なにせ初戦だからな。ここで負ければ…」
「御託はいい」
「ここで負けるわけにはいかんと言うことだ!!」
テトラが人差し指を大きく天に掲げた。
それに呼応したかのように、太陽の光がテトラの指先を照らす。
いや、燃えている。人差し指の先が燃えている。
「ガラ空きなんだよ!」
再び聖光を放たれ、テトラの姿が見えなくなった。
会場にいる全員が息を飲む。
霧が晴れ、テトラの姿が見える。
彼は上半身を下にさげ、人差し指を地面につけていた。
そしてそのまわり、ソーラーも巻き込んだリング上四隅の角に4つの杭が刺さっており、上からみると角錐のような形をした結界の中にいた。
正四面体の檻
「な、なんだこれは…」
ソーラーは始めてみる光景に動揺を隠せず杭に気を取られている。
「…やるなら今か」
テトラは人差し指を地面につけた体勢から自分が出せる最高スピードを出し、突進した。
初めてまともに当たった攻撃に間髪入れず、前後左右斜め8方向から連続で攻撃を当てていく。
そこに8人のテトラがいるかのようにほぼ同時に全ての拳が当たり、どんどんソーラーの体が腫れていく。
時間でいえば3秒ほど続いた連続攻撃が止まり正面に立っているテトラひとりになる。
「チェックメイトだ」
顔面パンチをくらい、結界に当たると同時に結界は砕け散りリングの外に出た。
すぐに審判や救護班などが来る。脈と呼吸をチェックし、判定のゴングがなった。
「勝者!テトラーーー!!」
ベンチで間近に見ていたクロノとカガヤは勝利への高揚感と次の戦いへの緊張感が同時にきていた。
「なぁカガヤ、俺あんなかっこいい戦いできないって」
「心配するな。勝てばいい。勝てばな」
「それができたら、苦労しないぜ…」
怪我をしているテトラとソーラーが救護班に連れられた後、アナウンスが流れる。
「オール学園歓迎組手一回戦第2試合は30分後に行われます。それまでしばしお待ち下さい」
30分後に行われたクロノとマックスの勝負はまた次のお話。
久々の更新ですが、楽しんでいただけると嬉しいです。




