第九話 代表者
快晴。今日は歓迎組手に出るメンバーが決まる日だ。だからか朝からクロノが興奮している。
先生「おほん!え〜来週の歓迎組手に出たい奴は挙手しろー」
眼鏡をかけた先生が教室中に響くような大きい声で、言い放った。
クロノ「よしきた」
クロノが手を挙げるとその他にも3人ほど手を挙げた人がいた。
先生「今挙げてるやつは決まりだな。え〜他になりたいやつはいないかー?」
クロノ「先生!バーン君がやりたいそうです」
バーン「え!?」
先生「そうなのか?なら決まりだな。来週に備えて今日の放課後から好きに練習してくれ」
先生がそう言い残すと今日のホームルームは終わった。
クラスの人達が席を立ちガヤガヤしている中、俺は机に伏せているクロノに話しかけることにした。
バーン「おいクロノ、何してくれてんだ」
クロノ「あぁ?優勝目指そうな!」
バーン「そうじゃなくて、どうすんだよ?実戦経験なんて無いのに立候補させやがって」
クロノ「ま、ノリと勢いで行けるかなーと思って…俺が練習相手になってやるから」
バーン「はぁ…」
そんなことを話していると、先ほど手を挙げていた一人がこちらに寄ってきた。
???「よろしくな!クロノに……すまない名前を教えてくれ」
バーン「バーンですどうぞよろしく。え〜と…」
テトラ「俺の名はテトラだ」
制服ごしにでも分かる筋肉に驚きつつ軽く握手をし、クロノに目線を向ける。
バーン「なんでクロノはテトラを知ってんだ?」
クロノ「そりゃ同じクラスなんだし、知ってて当然だろ?」
バーン「まじかよ。すげぇな俺なんてまだほとんど名前覚えてないぞ」
テトラ「おほん、それで今日グラウンドで特訓をしようと思うんだが是非来てくれないか?」
クロノ「もちろん、個人で特訓するのも良いがメンバー同士での交流も大切だと思うからな。バーンはどうする?」
バーン「俺もいくよ」
テトラ「決まりだな。じゃあ放課後グラウンドに集合だ」
クロノ・バーン「「了解」」
ある程度話が終わるとテトラは他の集団の方に向かっていき、すぐに会話に入り込んでいた。
「なぁクロノ、あのひと誰だ?」
「良いとこの坊っちゃんてこと以外分からん。てか、自己紹介の時に名前言ってたのになんで忘れてんだよ」
「そんなこと言われても…な…」
それから昼休みになり、少し気になることを聞くことにした。
バーン「なぁクロノ」
クロノ「なんだよ」
バーン「俺達の学園て何クラスあんだ?」
クロノ「知らねぇけど3か4クラスぐらいだろ」
バーン「なぁクロノ」
クロノ「今度はなんだよ?」
バーン「なんで4年生と5年生は一つしかクラスが無いんだ?」
クロノ「就職せずに進級していった奴らが、4、5年生だからな」
バーン「と言うと?」
クロノ「ここは何でも揃ってる場所だ。だから在学中にチャンスを掴んで、学園をやめる奴らが多いんだ」
バーン「じゃあそのまま卒業するとどうなる?」
クロノ「もちろん、卒業してから就職するやつだっているし、起業して新しいことを始めるやつだっている」
バーン「いろいろあるんだなー」
クロノ「まだ1年生なのにそんなこと考えてんのか?」
なんだその言い方は俺にだって1つや2つくらい不安になることはあるぞ。
バーン「少し気になって」
クロノ「ふーん、まぁ良いやそれより飯食べようぜ」
バーン「あぁ」
今日の昼メシはとんかつだ。2人で競争しようとも思ったが、勝負をしかけるのがめんどくさかったので辞めた。
放課後
いよいよ来週の歓迎組手に備えての練習のため、グラウンドに向かった。
グラウンドに着くと既にテトラは体操服に着替え、準備運動をしていた。
テトラ「おーい、遅いぞ2人とも!!」
クロノ「速すぎないか?同じ時間に終わったはずなのに」
テトラ「走ったからな」
バーン「とりあえず着替えるか」
着替えを終え、再びテトラがいる所まで行くともう一人いた。
俺達が来るともう一人の男は離れていった。
テトラ「おー来たか2人共」
クロノ「さっきの人は?」
テトラ「あれは兄だ。今回の組手の役員をすることになっていて、それで少し話していた」
クロノ・バーン「ほーん」
テトラ「それじゃあ始めるぞ」
それから上体起こしや腕立て伏せなど、基本的なトレーニングをしてその日は終わった。
テトラ「もう日が暮れるし、今日はここまでにするか」
バーン「はぁ…はぁ…クロノ帰るぞ」
クロノ「…………ぁぁ」
テトラ「2人共、明日もよろしくな」
バーン「……は?…い。おいクロノ立てるか?」
クロノ「…………む…り」
着替えを終えクロノを引きずって寮へと戻る。
バーン「クロノもう立てるか?」
クロノ「今日は無理」
扉の前までクロノ送り部屋へと戻る。
荷物を置き、部屋を出る。まだ倒れているクロノを見ながら奥へと進む。
突き当りを左に曲がり止まる。風呂だ。
園内でシャワーだけでも浴びようと思ったが、クロノを置いて行くのもあれだったので寮のを使うことにした。
この時間は誰も入っていないと思うので存分に満喫しようと思いながら、扉を開けると湯船に何故か女性が入っていた。




