第14女.幸薄いコが好き♡
ほんとは、幸せになってほしいんですけどね。
幸薄そうな女のコってわかりますか?
不幸にも負けず健気なコでも、貧乏くじを毎回ひかされるコでもなく。
なんてゆうか、いいコなんですけど。
ストーリーの展開上、幸せな終わりかたをしないだろうな。悲しい結末を迎えてしまうんだろうな。
そんな予感をおぼえてしまうコ。
儚いのか、危なっかしいのか。
不穏なフラグを幾つも立てつつ、「そっちを選んじゃダメだ!」って選択に追い込まれてゆく。
そして、最終的に取り返しのつかない悲劇へと足を踏み入れるのだ——なんて。
いや、べつに不幸になるコが好きなわけでも、ましてや不幸になってくれて嬉しいわけでもないですよ。
ただ、その「幸薄そう」なところに、なんか魅かれてしまうだけで。
ほんとは、そんな危なっかしさを乗り越えて……というより、乗り切って。なんとか無事でいてほしいと、祈ってはいるのですが。
たいてい、その願いは叶いません。
どんな結末にしろ、それによって、物語から退場させられてしまうことが多い彼女たち。
だからこそ、逆に印象深く、その陰が記憶に刻まれるのかも。
あとになってから。
「悲劇」のあと、穏やかさを取り戻した彼女らの「その後」が語られることが、稀にありますが。
そこで少しでも、幸せなすがたが描かれていたなら、嬉しく思います。
それは彼女たち自身だけにではなく。
彼女たちに魅かれた、私たちにとっても、せめてもの救いになるのだから。
「その後」を語られることもできない終わりかたを迎えてしまったコが多いです。
ストーリーとしては、悲しくて綺麗でも、そのコが辛い結末になってしまったのは怨めしくも思います。