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木星の陰陽師 ~遠い先祖に命を狙われていますが、俺の中に秘められた神の力で成り上がる~  作者: たつべえ
第一章 上杉龍穂 国學館二年 前編 第一幕 忘れられた二人
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第二十五話 強敵

楓と共に戦場を歩く。

あれだけ荒れていた戦場が先鋒戦前の状態までに元通りだった。


「・・・・・・。」


観客席を見渡すと先ほどまで盛り上がっていた生徒達や高官たちが静まり返り、

こちらを品定めする様に注目してくる。


俺達の実力を見るという点では観客席にいる全員の目的は一致しており、

期待と言うよりかは冷ややかな視線を送られて来ていた。


(親父・・・・。)


頬杖をつきながら俺達を見つめる親父を見つける。その横には定兄と風太さんの姿もあった。


「両者中央に集まり向かい合ってください。」


俺達を引き連れていた毛利先生から指示が出る。大きな炬火台の挟むように俺達は向かい合った。


『・・龍穂さん。』


試合開始まであと少しというタイミングで念で話しかけてきた。


『どうした?』


『昨日話し合った戦い方で行きますか?』


珍しい。試合が始める目前で戦い方の確認をしてきた。かなり緊張しているようだ。


『・・・いや、変えよう。楓は俺の後ろでサポートしてくれ。』


楓が得意としているのは近接から中距離。

昨日の打ち合わせではいつも通り楓が前で俺が後ろで戦うことになっていたが、

使う得物の刃が短い楓の手元が緊張で狂えば致命傷を負いかねない。


それに純恋達は落ち着きを払っている。

ここはまず俺が前に出て共に戦い、緊張をほぐしてから前に出てもらおう。


『・・・分かりました。でも、無理はしないでくださいね?』


『大丈夫だよ。もし踏み込まれてたとしても戦える。

それにもし危ない状況になったとしても助けてくれるだろ?』


俺達のどちらが前に出ても危ない時は連携して必ず助け合う。

これは八海の山で妖怪などの侵入者たちと戦ってきた中で培ってきた戦い方であり

絶対の信頼を込めて楓に伝えた。


『・・そうですね。』


いつもなら嬉しそうに返事をしてくれる楓だが、

まだ緊張がほぐれていないのかそっけない返事が返ってきた。

これは立ち上がりは頑張らないといけない。


「・・・なぁ、龍穂。」


楓と念で話していると、目の前にいる純恋が真剣な表情で話しかけてきた。


「なんだ?」


「転校先は京都校でどうや?」


煽り・・・と受け取っていいのだろうか?そう感じてしまうほど、純恋の顔は真剣そのものだ。

私達が絶対勝つ。遠回し且つ、なんと自信にあふれた言葉だろうか。


「いや、遠慮する。堅苦しそうだからな。そっちこそ親父のいう事を聞く準備は出来ているのか?」


「そんなんしてるわけないやん。無いことは考えてもしょうがないからな。」


顎をあげ、見下すようにこちらを見てきた。ずいぶんと余裕がある。

隣にいる桃子は横目で純恋を見ているものの止めに入る様子はなく、

同意見だと言っているようなものだった。


「そうか・・・。じゃあ、結果で決めるしかないな。」


「せやな。恨みっこなしやで。」


純恋は先の事を考えていたようだが、正直言うと俺にはそんな余裕はない。


目の前の一勝に全てを賭ける。

八海に戻らなければどこでもいいと考えていた時もあったが

せっかく馴染んで来たクラスメイトに最高の設備と先生達。

数週間しか過ごしていないが日に日に離れたくない理由が増えていき、

今では出ていきたくないとさえ思えてしまう。


「準備が良いみたいだな。」


丁度話し終えたタイミングで竜次先生が近づいてきた。


「掛け声がかかった瞬間からこの場には君達しかいなくなる。次に声がかかるときは勝敗が付いた時だ。

先程も言ったが声をかけた時に静止しなければ無理やりでも止めに入る。

抵抗するなら怪我を覚悟してもらおう。」


竜次さんの注意事項に四人全員が承諾する。


「よし!じゃあ始めるぞ!!生殺与奪の権利を両方から得た方が勝利だ!!

戦闘中に片方が権利を奪われた場合、敗北と判断しすぐに助けに入るから

抵抗して戦場に戻ろうとしないように!!」


話し終えると竜次先生が距離を取る。俺達四人が戦闘態勢に入った。


「用意・・・始め!!!」


竜次先生の掛け声と共に全員が得物を構える。俺は刀、楓は短刀を取り出して俺に後ろに陣取る。

一方純恋達は桃子が前で刀を構え純恋が後ろで薙刀を取り出した。


お互いが踏み込む気が無く、先鋒戦とは真逆の静寂から始まった。


(さて・・どうするか・・・。)


場の流れで足を止めたが、これは完全に待ちの構えでありそれは向こうも同じ。

踏み込めば不利。かといって仕掛けなければ何も始まらない。


(あちらの技量が分からないから魔術は使いにくいな。)


この距離であれば魔術等で戦うのが無難ではあるが

純恋達が得意な属性が何かなどが分からなければ優位に立ち回れない。どうしたものか。


『じれったいのぉ。難しいことを考えるな。

まずはわしが出る。楓にも式神を出せと指示を送れ手数を増やしてから立ち回るんじゃ。』


膠着状態で何をすればいいか悩んでいると青さんが指示をくれる。

八海に入ってくる者達はいつも向こうから仕掛けてくるか、姿をひそめて奇襲を狙うかの二択しかなく

しっかりと対面して戦うなんて久々だったので判断が遅れてしまっていた。


『楓。式神を出してくれ。』


痺れを切らした青さんは自ら俺の体から姿を現す。

いつもの人の姿ではなく、胴の細い龍の姿で俺の体を守るように出てきた。


「・・毘沙びしゃ!!出てきて!!!」


楓も使役している式神を呼ぶ。すると大きな煙が巻き上がり中に大きな影が浮かび上がる。


『少し単独で動きます。ご武運を。』


そして後ろに大きく跳ね、煙の中に入っていき

段々と煙が晴れていくと中から人の何倍もの大きさがある

固い甲羅を身にまとったムカデが姿を現した。


「なんやあれ・・・・。」


八海の地で生まれ育った鎧ムカデの毘沙。

雄大な山々の中で豊富な神力を吸収して育った妖怪である鎧ムカデを楓が拾い、

深い愛情を込めたからか通常では考えられないほど巨大に育て上がった。


「でっか・・。」


純恋と桃子は毘沙を見て唖然としているが、

信じられないという顔をしている桃子に対して純恋はどこか余裕のある反応だ


「純恋!こっちも・・・・!」


「まだや桃子。試合は始まったばっかりやで?

向こうが式神を出してきただけや。焦ることはない。」


こちらの動きに合わせて動こうとした桃子を純恋が諫める。


「まずはいつも通りやるだけや。いくで。」


楓が口元を隠すために手拭いを結ぶと毘沙に指示を送る。


「いくよ・・・!!!」


無数の足を動かしながら迎撃態勢を整えている二人に向かって走り出す。

楓も手に印を構えて何かを仕掛ける気だ。


『龍穂。わしらも続くぞ。』


このまま楓のみを突っ込ませては分断されて各個撃破もありえる。

俺も青さんの背に乗って二人の後に続いた。


「両方か・・・。桃子!しゃがんで!!」


仕掛けてきた俺達を見て純恋が何かを唱え始める。

辺りの魔力が高まってきたので魔術なことは確かだが、その出力がおかしかった。


「・・純恋!気を付けろ!!」


密度の高い魔力。

通常なら徐々に上がっていくものだが三秒も満たない時間であれだけの魔力の上昇はそうはできない。

楓と俺達を打ち倒すために大魔術を放つつもりだ。


火竜噴かりゅうふん!!」


その様子を見て楓が先手を放つ。

手に魔力を溜め、思いっきり息を噴き出すと龍の形をした炎が飛び出した。


だが、純恋が唱えようとしている魔術に対して威力は到底足りない。このままだとまずい。

そう思い楓を助けようと縮地を使おうとしたその時、毘沙の口にから大きな風が打ち放たれた。


火竜噴に合わせるように放たれた風は辺りの酸素を風に送り、龍を大きく成長させていく。

どんどん大きくなっていく龍は純恋と桃子たどり着くころには

青さんのような大きさまで成長し、大きな口で二人を飲み込もうと襲い掛かった。


「・・金鳥きんう。」


あと少しで二人を噛みつける。そう思った時、炎の龍を光り輝く何かに照らされる。


それはまるで太陽。

桃子を守るように作られた太陽は近づいていく龍を照らし、

近づいていくにつれ動きがおぼつかなくなっていく。


純粋な炎は高温になるにつれて明るい色に変わり輝いていくと言われているが、

楓の龍は純恋の太陽に負けてしまっておりコントロールを完全に失い

焼き尽くされて消えてなくなった。


「純恋!!戻れ!!!」


このままだと突っ込んでいる純恋は太陽に飲み込まれてしまうと急いで止まるように声をかける。

楓も理解しており毘沙に指示を送っており、何本もの足で急ブレーキをかけていた。


「逃がさへんで?」


そんな大きさ隙を見逃すはずはなく、太陽はゆっくりと楓の方へ進んでいく。

楓だけであれば縮地を使って逃げることが出来るだろうが、

まだ止まり切れていない毘沙は何とか切り返したとしても既に手遅れな位置にいる。


「楓!!!」


縮地で助けに向かおうと一歩足を踏み出したが肩を力強く捉まれた。


「あほ!!焦るでない!!」


耳元で叫ばれ、思わず振り返るとそこには人の姿に変わった青さんが

俺の腰についている札から大太刀を取り出していた。


「青さん!でも・・・・!」


「あの程度楓なら何とかする。わしらは追撃を阻むため奴らに援護をするぞ。」


青さんは魔力を込めた大太刀を構え、純恋達に振り放つ。

放たれた水の斬撃は毘沙と同等の大きさであり

甲高い音を鳴らしながら純恋達の元へ向かって行った。


「こっちを狙ってきたか・・・・。」


大魔術に匹敵するほどの斬撃が飛んできているにも関わらず、

純恋は動揺を見せずに冷静に対応しようとする。


「純恋!!後ろに下がって!!!」


純恋が動くと楓への攻撃が止まってしまうことを察した桃子が前に立ち、

体に何かを宿し始めた。


「あんまり無理せんで!」


「大丈夫や・・!これくらい・・・!!」


体に桃子とは別の力が混ざり始めている。神融和をする気だろう。

だが体に貯めこんでいる神力の量がこちらもかなりの量であり、

相当な神格を有している式神と一体になろうとしているようだ。


「龍穂!手を貸せ!!」


降ろそうとしている神の強さを認識した青さんはこのままだと斬撃を防がれると判断したのか

指示を送ってくる。


(この距離だと速さがある魔術でないと間に合わない・・・。)


魔術は使用者との距離が開けばあくほど詠唱に時間がかかり、魔力操作が効かなくなっていく。

強い魔術を使いたければ体に近い位置で発現させ相手に向けて放つ方が早い場合がほとんどだ。


「・・・空砲くうほう!!」


四属性それぞれ特徴はあるが、風の魔術は空気を割いて進むため着弾に有する時間は短い。

ギリギリ届く速さで放てる最大限の魔術を力いっぱい放つが

無色透明の大きい風の弾を放つ空砲に色のついた黒い風が混ざった。


(なんだ・・・?)


木霊が放つ特殊な黒い風の魔術が俺に影響したのだろうか?

何が起きたのか理解できずにそのまま魔術を放ってしまうが、

いつも放つ風より段違いに高火力な風の弾が空気を切り裂きながら放たれた。


「黒い風・・!?でも、やったる・・!!!」


俺の風と青さんの水の斬撃に相対している桃子の神力は最大限に高まっていき、

混ざっていた神力が一つとなる。


それは古風な日ノ本式の鎧。

だが所々に綻びがあり式神契約を結んでいるものの完全に支配下に置いているとは言い難い状態だった。


だが力は紛れもなく本物であり青さんの斬撃や俺の追撃の空弾も

まとめて一本の刀で受け止めてしまった。


「ぐっ・・・!!!」


ギリギリと歯を食いしばりながら何とか踏ん張っている桃子。

通常の刀よりか長い三十センチ以上長い刀を扱っており、間合いが長い分扱いが難しく

かなりの技量と力が無ければ扱えないはずだ。


俺達の攻撃を刀一本で受け止めているが

気を緩めれば勢いに負けてしまい後ろにいる純恋に当たってしまう。


「・・・・・・!」


純恋はそれを察したのか、楓にぶつけるはずの太陽を二分化して

一方を鍔迫り合いが行われている桃子の元へ近づけていく。


すると斬撃は徐々に蒸発していき、

黒い風も太陽の熱気に魔術操作を乱され進路を変えていつの間に太陽に飲み込まれてしまっていた。


(消されたか・・。だけどこれで楓を逃がす時間が作れた。)


太陽を分裂させ、燃やされる範囲を狭めることが出来た。これなら楓も逃げれるだろう。


「毘沙。あれ、やるよ。」


必死に止まっている毘沙の頭の上から何か語りかける楓。

そして何かを取り出し魔術で火をつけると巨体を覆うほどの大量の煙幕が巻き上がった。


「煙幕か。厄介な事をしてくれるやん。」


純恋が人差し指を伸ばすと太陽から小さな炎の玉が生まれ出て

腕を勢いよく振ると連動するように煙幕に向かって動き出す。


姿を隠した楓を捕える気だ。

すると煙幕から煙を巻ながら何かが飛び出し、反応した純恋が太陽の玉を飛ばし煙を貫く。


「・・・・!!」


当たる瞬間、楓の驚愕した顔が映る。攻撃が来ていたなんて予想していなかったのだろう。


抵抗する暇もなく炎が体を貫くが体が焼けた音は一切せずに

まるで空を貫いている様に楓の体が煙へと変わる。


「変わり身・・・か。」


煙幕が徐々に晴れていくとそこには巨体の毘沙も楓の姿もない。

楓はわざとらしく煙幕に変わり身を出すことで純恋の意識を逸らし、

その隙を突いて窮地を脱していた。


「ど、どこや・・・!?」


あれだけの巨体が数十秒の間に消えたことに対して桃子が動揺しながら姿を探す。


「あそこや。」


後ろから指をさす純恋。

そこには地面に掘られた穴があり危機を脱したことが見て取れた。


「一旦しきり直しじゃな。」


楓の窮地は脱したものの戦場には俺一人。だが、純恋達は攻めてくる様子を見せない。

それを察した青さんは一度大太刀を鞘に納め警戒を解いた。


「見ている奴らを驚かせようと龍の姿で出てきたが、そんな余裕はないな。

想定していた以上に純恋に力がある。

それに、従者の式神もわしに匹敵するような力を秘めている様じゃな。」


青さんは式神を交えての攻めを選択したが、結果は仕切り直し。


「ですが、二人の実力が見えたのは大きな収穫ですね。」


純恋が使ったのは火の魔術だが謙太郎さんが使用する特殊な青い炎とは違い、純粋な高純度の火の魔術。

地球上にいる俺達人類が扱える魔力は太陽の力を大きく影響している。


陽の光に含まれた魔力を使用して扱う魔術は極めていくと太陽が地球上に与える作用に近づいていく。

火の魔術は極めていくと太陽に似た光を放つほど強い炎を放てるようになり、

近づいただけでも皮膚が焦げてしまうほどだ。


だが、近い位置にいる純恋と桃子は熱さを嫌がる様子を見せておらず

高精度の魔力操作を扱えているようだ。


「ああ。だが、弱点も見えた。ここからはそこを突いて優勢を掴み取るぞ。」


「弱点・・ですか?」


先程の戦闘はこちらの攻撃を全ていなされたようにしか見えなかった。

青さんは一体どこに目を着けそう判断したのだろう?


弱点が一体どこなのか聞こうとした時、

地面から音が聞こえ、近くの土が下から盛り上がると何かが這い出てくる。

それは巨大な蛙。人の背丈ほどある蛙が地面から這い出てきて大きく口を開ける。


「ピョコ太。ありがとう。」


口の中から出てきたのは楓。

煙幕の中、式神であるガマガエルを召喚して口の中に身を隠し

地面に穴を掘ってうまく逃げていたようだ。


「準備は出来ている様じゃな。」


出てきた楓の装いが制服から忍装束へと変わっており、

その上から固いプロテクターのような物を身にまとっている。


「ええ。これで接近戦はいけます。」


身にまとっているのは神融和を行える特注の鎧。

特殊な技法によって作られた鎧は神融和が可能となっており、

毘沙をその中に入れたことによって身にまとっていた強固な甲羅を鎧として身にまとうできる。


動き回る楓の邪魔にならないように作られており、

これであれば半端な攻撃もはじき返すことが出来るだろう。


「良く聞け。ここからは完全に別れて行動する。

まずはわしと龍穂で純恋と従者を引き離す。そしてわしらは純恋、楓は従者と戦闘を行うぞ。

戦闘が始まれば先程の様な援護は難しくなるが、龍穂と楓であれば勝てるはずじゃ。」


青さんが下したのは分かれての戦闘。だが、俺はその判断には正直反対だった。


「青さん。楓の実力は確かなものですが桃子が俺達の攻撃を受け止めるだけの力を有しています。

楓一人で戦うのは・・・・。」


「大丈夫じゃ。楓ならいける。

むしろ危険なのはわしらのほうじゃ。従者の方はおそらくあの神融和が頼み。

それに対して純恋は手の内をまだほんの少ししか明かしておらん。


楓が仕留める前にわしら共々やられてしまうなんてことが十分にある危険な相手じゃ。

気を引き締めろ。」


そう言うと青さんは楓に近づき耳元で何かをささやく。

伝えられた内容に楓は頷きながら一枚の札を取り出した。


「・・分かりました。」


「楓の勝利がこの戦いを優位に進めるカギとなる。気張って行けよ。」


青さんの作戦に楓は納得したようだが俺はどうしても心配だ。


「・・大丈夫です。信じてください。」


表情に出てしまっていたようで、こちらを見た楓は拳を俺の方へ向けながら笑顔で言葉をくれる。


「・・・わかった。」


ここは八海の山ではなく、実力を見せなければならない戦場だ。

俺は当然楓も実力も示す必要がある。


そして勝たなければならない。負けてしまえば転校を余儀なくされ、

八海に戻されるなんてことになってしまえばまた俺の大切な友人に危害が加わるかもしれない。


俺は楓を信頼し、その証として拳を突き返す。

勝つために一手なのであれば危険を承知で掴み取ることも必要だ。


「よし・・、いくぞ!!」


まずは楓を安全に桃子にぶつけるため、完璧に分断しなくてはならない。

俺は青さんと共に待ち構える二人の元へ駆け出した。



ここまで読んでいただきありがとうございます!

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