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4:井戸端トーク

 夏休みも半ばに入り、休みの間だけ。といったバイトの子たちもやっと慣れてきたらしく、気軽に声をかけてもらえるようになってきた。そのうなると始まるのが恋バナ。

 恋愛にまったく縁の無かった私には無縁の話。だけども、人の話は気になるもの。

 バイト先で知り合った惣菜係りのだれそれ君だとか、飲み会でアドレス交換しただれさんだとか。

 私は話聞いてるだけだけど、案外楽しいんだよね。


「とろこで、ノンさんって(みんながノンちゃんって呼ぶから、新人の子はさん付けななんだよね。で、ノンさんで定着しちゃったのです。)彼氏いないんですか?」


 いつも、相槌打って聞いてるだけの私に話が振られたっ!!

 一瞬、何のことかわからなかったけど、私の話?と自分を指差すと、そこにいた3名のギャル達がウンウンと首を縦に振った。


「いない、いない。ってか出会いもないし。自分のことで手一杯だよ。」


 自分で言うのもなんだけど、言葉に出すとかなりへこむ。

 はぁ、と小さくため息をついた。


「何言っちゃってるんですかぁ。みんなから聞いてますよぉ。搬入の蓮慈さんとかなり仲良しだって。みんな蓮慈さんはノンさんのものだから手が出せない、って悔しがってましたもん。」


 他2名もウンウンと頷く。

 なんでこの場面で蓮治が出てくるのか不思議でしょうがないのは私だけみたい。


「知ってるんですからぁ。なんか、トラックの鍵閉めて中でイチャイチャしてたとかぁ。ノンさんの家に蓮慈さんが入り浸ってて、着替えまで置いてあるとかぁ。トイレの中でイイコトしてたとかぁ。」


 おうおぅぉぅ。それは~!!つい最近あったワースト3じゃぁないか。


「なんで知ってんの?」


 咄嗟に出た言葉がコレだった。

 あ、これじゃまるで、その通りです。って言ってるようなもんじゃない。

 あわてて、違うの。と口を開きかけると


「やっぱり事実なんですねぇ。なんだぁ、ノンさんラブラブじゃないですか。羨ましいなぁ。蓮慈さん超かっこいいですもんね。でも気をつけてくださいよぉ?かなり狙ってる子いるんですから。人の男横取りするのなんて平気な女たくさんいますからねぇ。特に自分に自身のある奴とか。」


 クッと顎で指した先には、夏休み入ってさらに茶色くなりました。って感じの毛先クルルンパーマにばっちりメイクの真っ黒お目々びっしり睫毛。露出度高めの洋服。


「彼女。楓って言うんですけど、すでにこの店でも3人の被害者がでてますからね。」


 被害者ってのは、付き合って2・3日でポイッされちゃってるメンズのこと。


「次に狙ってるのが蓮慈さんらしいですよぉ。最初っから目ぇつけてるらしいんですけどなかなか落ちないから他のから手つけちゃったみたいですけどねぇ。」


 へぇ。蓮慈って意外ともてるんだねぇ。なんてノンきに考えながらぼんやりしてると、その楓ちゃんが私の目の前に立った。どうも、このぼんやりした視線の先にいたのが楓ちゃんで、何見てんのよ。みたいに突っ立てた。


「ノンさん?ですよね。蓮慈と仲いいらしいですけど、付き合ってる訳じゃないですよね。」


 上から物申す。って感じで見下ろされてちょっとびびっちゃった。すぐには言葉が出てこなくて、その間に眼光は強くなるし・・・。怖いよ、楓ちゃん。


「はい。付き合ってません。」


 とりあえず、聞きたいであろう結果を完結に述べてあげた。

 だって怖いんだもん。そのアイライナーで真っ黒のどこまでが目だかわかんないような目で睨まれるのが。化粧落としちゃうと絶対別人だ。


 ジッと、楓ちゃんは私の目を睨みつけてる。ホント怖いからカンベンして・・・。

 あと1秒でも睨まれてたら、こっちから目を逸らしていたとこだったけど、楓ちゃんのほうからニッコリと笑顔を見せた。

 と思う。

 だって、目の周りが黒いから笑ってるんだか何なんだかわかんないんだもん。唯一解ったのは、口の両端が上がってこと。イコール、笑った。でしょ?


「なぁ~んだぁ。やっぱりそうじゃぁ~ん。かえでぇ~そうじゃないかと思ったんですけど~なんかぁ~、他の人たちがぁ、付き合ってるって言うしぃ~一応確認しとかないとぉ~とおもってぇ。違うんだったら蓮慈のことイロイロ聞いてもいいですかぁ?」


 なんだぁ~そっかぁ~、勘違いさせちゃってごめんねぇかえでちぃん・・・。って、さっきとまるっきりしゃべり方違うんですけど・・・。

 あまりの衝撃にどんな顔してたかわかんないけど、できる限りの笑顔を自分では向けたつもり。久しぶりの休憩室でまさかこんな大事件に巻き込まれようとは思いもしなかった。楓ちゃんが他の子に報告に言ってる間にそそくさと退場させてもらった。


 しばらく。いや、この夏休み期間が終わるまでは、この休憩室に近寄らないようにしよう。とりあえず、捕まらないように。どこか遠くへ・・・。


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