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⑶『イッツオールライト』
⑶『イッツオールライト』
㈠
様々なるものに、原初を辿れば、自ずとその形式が姿を現すだろうが、俺にはその原型というものが、いかにも不可思議でならないのである。一体、その荒唐無稽な原質とは、どうやって生まれたのだろうと、懐疑するのである。
㈡
例えば、生命誕生の不可思議、これも、いくら遡っても、訳が分かるまい。事実上、そんなことは、夢の話なのである。生命が誕生したことに、イッツオールライト、と言えば、確かに納得できそうである。俺は俺だという、一種の確証を与えてくれる。
㈢
であればこそ、その事実の動態を、記録しておきたいのも、分かる気がする。言葉の誕生とは、この、記録と言う行為に、端を発したのではなかろうか。親に虐げられても、自分の意思で生きようとするとき、ふと、誰かに、イッツオールライト、と言って貰いたいものだ。