中国の規制制度
今回は中国の実情に関して少し述べていきたいと思います。中国といえば言わずと知れた社会主義国家です。社会主義の理想は平等。資本主義は働けば働いた分だけ報酬が多くもらえる。その結果経済的躍進が見られ、国全体が豊かになる一方で貧富の差が激しいという欠点が見られます。社会主義は国民全員の報酬を平等にすることでその貧富の差をなくすというのが目的です。しかしその結果皆働く意欲が湧かず国としての発展が遅く、滞ってしまうという欠点があります。どちらも“自由”という言葉の解釈の違いによって生まれたものだと私は考えています。政府の介入が必要最低限で、国民一人一人が“自由”に活躍できる場を設けるのが資本主義。一方で政府が全てを管理することで国民一人一人の差別や不平等による“不自由さ”をなくすことを掲げているのが社会主義。
今回の論点は社会主義と資本主義、どちらがいいのかではありません。私が紹介したいのは中国の“全てを管理する”体制の違和感です。もっと簡潔に申しますと中国のセンサーシップの過激度です。中国にはプライバシーという概念が存在しないと思います。中国、特に市街地では監視カメラが異常にあります。確かに中国の人口は世界一、国土アジアの中では最大級ですし、そういった機械の技術力は最近めきめきと上達し、目を見張るものがあるかもしれませんが、それにしても多すぎだと思います。中国政府は常にその監視カメラで国民一人一人を見張っています。政府が常に監視しているおかげで国民の安全や治安が保持できているのならいいのですが、なんとなく度がすぎていると感じてしまいます。それは私がプライバシーの侵害をよく問題視する日本人だからでしょうか。他の国ではこれぐらい常識の範疇なのでしょうか。
まあ、監視カメラが多いこともさることながら、もっと問題なのが、情報規制です。有名なのが、中国にも日本の“ライン”と同じようなコミュニケーションアプリが存在するのですが、政府はこれを管理し、利用者がそこに乗せた発言を一つ一つチェックしていると言われています。そして今私が言っているように中国政府に反抗的、否定的な発言を見ると場合によっては逮捕されるようになっているようです。またアプリで発言しなくても実際に口に出すこともはばかられます。なぜなら事実無根かもしれませんが、中国の監視カメラは人々の表情や口の動きからどんな発言をしたか分析できる技術を持っていると言われているからです。なので中国国内では政府のいいことは言うものの、政府に対する不満を口にするものはいません。心の中にとどめているのです。
中国はこのようにアプリにも監視の目を光らせているので、中国政府がしっかり介入できない国外のものを使用禁止にします。先ほど紹介した“ライン”は中国では使えないので、日本人は否応にも中国の監視されているコミュニケーションアプリを使わなければいけません。またかの有名な検索エンジン、Googleも中国では使えず、何か調べ物をしたい時には中国の検索エンジンを使わなければいけません。Googleが使えないと言うことはGmailやGoogle docなども使えません。その他たくさんのものが中国のものと置き換えられています。実は私カナディアン時代に日本に帰ってくるまで、つまり2016ごろぐらいまでYoutubeの存在を知りませんでした。なぜならこれも中国では使えないからです。
やはり学生にとって一番辛かったのはGoogleが使えないことでした。IBのExtended Essayを書くときなど学校の論文を書くのにGoogleが使えないのは非常に不便でした。中国の検索エンジン、例えば百度はそもそも中国語のものしか載っていません。英語や日本語で検索するのに私は"bing"を使っていましたが、Googleと比べて乗っている情報量が圧倒的に少なかったです。この不便を解消してくれるのがVPN(Virtual Private Network)というアプリです。簡単に説明すると海外のネットと連結できるアプリなので、中国のサーバーを使わなくて済むということですね。これによって禁止されていたアプリは使えましたが、中国政府はこのVPNを見つけるとすぐに使用禁止にするので、一つのVPN、特に無料で利用できるものが禁止されれば、また違うVPNに移行しなければならず、政府といたちごっこ状態でした。またVPNを使うとだいたいネットが遅くなるので仕事が捗らない時もよくありました。ただ学校はVPNを使わず、直接海外のサーバーを学校まで引っ張っていたので、基本的に調べ物が必要な課題は学校内で終わらせていました。
もう一つVPNを使わずに普段禁止されているアプリを使える方法があります。それが香港へ行くこと。中国国内で唯一香港だけは中国政府の目が完全に行き届いておらず、Googleやラインなどが使えました。広州時代は香港はすぐそばだったのでよく行っていました。その度に便利さを感じていました。
というように紹介してきたんですが、皆さんはどう思いますか。私は少なからずこのネットの不便さに“不自由さ”を感じていました。
みなさんご無沙汰しております。いかがお過ごしですか。こちらでは大学で一学期目が終了し、冬休みに入りました。
ところで今現在、中国のゼロコロナ政策に異を唱える形で、暴動に近いものが起きていますね。2019年にも香港で反中国政府のデモが大々的に起こっていました。どちらも中国政府、と言うか社会主義に反対しているように感じます。中国の黒歴史とでも言うべき、天安門事件の二の舞にならなければいいのですが…
ちなみに天安門事件は中国政府によって表面上は隠蔽されています。要は天安門事件と調べても中国の検索エンジンには出てきません。しかしそれでも人々の記憶には残っているのでしょう。




