思い出
一年越しに同じ場所に来ました。当然またスノボーの初心者クラスです。言い忘れていましたが、このスキー旅行は九、十、十一年生の合同で行われます。つまり今回は一学年下の人もいます。彼らは去年いなかったので、初心者クラスのほとんどが九年生でした。そこに紛れ込んだ私は一年上の先輩としていいところを見せたかったのですが、あっという間に追い抜かれました。というのも一年前のことが全てリセットされていました。やはり定期的に練習をしないと身につかないものですね。前の年のたった二日習ったことを次の年でいきなりできるほど私は器用ではありません。そして今回もまた平らな場所でボードに乗るという時点で大きく躓いた。全く成長していない。一年越しの惨めさを痛感しました。因縁のリフトも攻略することができず、結局この年は一日で心を折られました。二日目以降はたしかずっと一人で本を読んでいたはずです。まあこれもいい機会だと思います。十年生は時は比較的人生がうまく進んでいて、自分に必要以上に自信が付いていました。つまり天狗になっていたわけです。そしてこの修学旅行で惨めな思いをしてようやく本来の自分らしさ。小心者、消極的、臆病。そう言った自虐の観点が戻ってきました。人生は良いことと悪いことが交互に起きるというジンクスを私は信じていますので、これは良いことがたくさんあり、無駄に虚勢を張っている自分への報いだと思いました。
さて、他の思い出といえば遠足しょうか。詳しく説明すると選択科目の日本語と音楽のセットの生徒たちは日本の歴史や文化に触れる一環として遠足を行います。おそらく日本語が第一言語ではない生徒たちのためなのでしょう。私が覚えている限り、十年生の時に上野の東京国立博物館と横浜みなと博物館でした。もしかしたら九年生の時にもどこか行ったのかもしれませんが覚えていません。
横浜の博物館の記憶は景観と、黒船来航の記述を見たぐらいですが、上野の方はスカベンジャーハントをしたのを覚えています。うまく日本語に訳せないのですが、まあ簡単に説明するとプリントを渡され、そこに書かれている展示品を博物館の中から見つけ出すというゲームです。プリントには空欄があり、展示品の説明プレートを読んで空欄を埋めて行きました。手間はかかりますが、せっかくだったら違う内容のプリントを数組用意して欲しかったですね。みんな同じ内容なのですから、当然お目当ての展示品の前に群がります。それでは後ろからくる生徒たちはただその群れについていくだけで良いんですから楽ですよね。なんなら前の人に答えも教えてもらうことだってできるわけですよ。それではちゃんと学んでいるとはいえませんし、先陣切って探している子たちが理不尽に思えます。まあ歴史的展示品ばかりでしたから、自分の力を見せびらかせると思って積極的に解いていたのは自分なんですが…
その目的地まで行くための交通手段は電車。普段あまり電車に乗らない生徒、例えば電車通学でない子にとっては電車に乗るという時点で新鮮だったかもしれません。この遠足は九年生と十年生がセットだった気がします。それでも人数は相当いたので、複数の班に分かれて行動していました。同じ電車に乗り込む際は班ごとに違う車両に乗ることで混雑を避けたりしていました。引率していた教師は確か二人だった気がします。しかしまあ日本人生徒や日本慣れしている外国人生徒がいる班は、各自自由に目的地を目指していたと思います。
ちなみに出席日数を合わせるために選択科目が美術の生徒たちも遠足に行きます。場所は知りませんがどこかで絵を描きに行っていたようです。
そんな旅行の思い出はさておき、この時ようやく私に仲のいいクラスメイトというのができました。これまでは前に述べた小学校時代の子一人しかいなかったのが、ここに来て多くの人たちと交流するようになりました。学校内だけでなく放課後遊びに行ったり、週末遊びに行ったりもして、まさしく日本の青春時代といった雰囲気を味わいました。クリスマス会ということでクラスメイトたちとディナーを食べたり、複合娯楽施設、スポッチャを楽しんだり、しまいには東京ディズニーシーにも行きました。正直クラスメイトと学校外で遊ぶのはあまり好きではないのですが、随分と楽しんだと思います。久しぶりに人間関係という恩恵を受けられた気がしました。こういうこともあって親密な人間関係を築いたほうがいいのか、はたまたこれまでのような一定の距離を保った人間関係を維持するべきかで私の中で葛藤が生まれました。
みなさん、ご無沙汰しております。最近読者数が急激に伸びた気がします。ありがとうございます。評価してくれた方々ありがとうございます。正直これはサブの書き物で、本腰を入れてなかったのでここまで伸びるとは思っていませんでした。もしかしてメインの方の小説は面白くなかったですか。
自分の経歴や人生観について興味を持ってくれている人がいて嬉しいです。自虐趣味ではないのですが自分で読み返していて随分と悲観的に捉えているなと感じています。こんなかわいそうな自伝、読んでいて楽しいですか。
これはノンフィクションそれも過去についての出来事ですので、いつかは現在に追いついてしまいネタが尽きます。私のについて何か知りたいことがあれば、何なりとどうぞ。できる限りの範囲でお答えして行きます。
まあネタが尽きるまでは読者の皆さんを飽きさせないよう努力いたしますので、これからもよろしくお願いいたします。