表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/174

日本へ

インターに通い始めて五年、ようやくそのシステムにも慣れてきました。同級生との接し方、授業の内容、イベント。学校は違えど大まかなところは変わらなかったと思います。いわゆるインター生としてやっと板についたといったところでした。そんな時に迎えた八年生、私は日本にいました。またも父の仕事の都合で日本に戻ってきたました。しかし祖国に帰ってきたとはいえ、前の五年間を棒に振るうわけにはいきません。というより普通の日本の学校には実力的には無理がありました。数学と国語が言わずもがな劣っていました。英語と中国語がその分他よりできるというだけではその劣勢をカバーしきれていませんでした。というわけで私は日本のインターに通うことになりました。

出身が千葉のためか、新しく借りたマンションも千葉県内にしました。しかし学校が都内にあるため、元々ある自分の家よりももっと都心に近いところのマンションに住むようになりました。ところでこの”元々ある自分の家”というのが、私が中国へ行く小学一年生まで住んでいた家のことを指しています。その家には私の曽祖母が住んでいて、私の家族と同居していました。しかしその曽祖母は私たちが中国に行って間も無く老人ホームに入りました。今その家には私の大叔母さんが住んでいます。

新しい家から学校まで電車で約一時間の道のり。この五年間ずっとスクールバスを使ってきたため、電車通学は非常に緊張しました。初日は中二にも関わらず母親と一緒に登校しました。通勤ラッシュというものを初めて体感しました。最初は総武快速線、そこから山手線に乗り換えるのですが、その山手線が三分に一本という頻度で来るものの毎回すごく混んでいました。特に多少のダイヤの乱れによって電車が遅延した際にはホームに人が溢れかえっていました。混んでいるからと電車を一本わざと見過ごしても次の電車もひどく混んでいました。これがこれからずっと続くのかと思うと自然と足取りも重かったかもしれません。日本に慣れている皆さんならそんなの当たり前だというかもしれませんが、私はすごく大変に感じました。

そんなこれまで経験してこなかった通学手段を経て通う学校はカナダの教育プログラムを取り入れているインターでした。ここもほかのインターと同じように小中高一貫校でそこに勤めている教師の大半がカナダ人もしくはカナダの大学を卒業した人たちでした。この学校を卒業するとカナダの高校を卒業したことと同じように扱われ、カナダの大学に進学しやすくなります。それが理由でこの学校に入学しました。この時から私はカナダの大学に行く(行かされる)ことが決まっていたのでちょうどよかったのです。と言うのも私は教師になるため大学へ行くことはすでに決めていましたがどの国のどの大学に入るかは決めていませんでした。しかし親がイギリスやオーストラリアなどは学費が高く、アメリカは銃社会で危険だと退けた結果カナダだけが残ったと言う形でした。他にも英語を公用語としている国はあるはずだと思ったりもしましたが、まあ別に個人的にこの国で勉強したいという願望はなかったので、親の意見に従いました。何よりカナダの大学を選ぶ一番の理由が姉がカナダの大学に通っているので、彼女が色々とすでに知っているだろうし、何より親からしたら二人一緒にいる方が安心すると言うことでした。

私と彼女は三歳差。私が八年生の時、彼女は十一年生、大学の進路を決め始めなかればいけない年でした。そして色々と調べた結果カナダが一番いいと言うことに決まったらしいです。正直私は親と姉との進路相談の会話に加わっていなかったので詳しいことは知りません。私と彼女は日本にいた小学二年生までは同じ学校に通っていましたが、二度目の中国へ渡ると別々の学校へ通いました。私が上海の小中高大一貫校の国際部に通っていた時には彼女は別の学校の国際部に通っていました。広州では同じ学校に通い、日本に帰ってくると私はこのカナダ教育プログラムのインターに、彼女は日本の高校の国際部に通いました。

ちなみに私は今(これを書いているときは)大学二年生で彼女は晴れて社会人となりましたが、彼女は私が今通っている大学を卒業している。まあそんな姉の話は置いといて、私は日本のインターに通うことになったのですが、そこで私はまたレベルの違いを見せつけられたのでした。

皆さん、お久しぶりです。偶然ですがこの話を投稿している今、私は日本に一時帰国中です。久しぶりの日本でこの高校時代記憶が度々蘇ってきます。

ところで姉の存在をここまで話していませんでしたね。正直私はあまり人のことに関心を持たないので、まるでいなかったかのようにここまで話してきましたが、もしネタが底をつき、気が向いたら姉のことを少し書いてみようかなと思います。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ