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迷子

ではここで再び失敗談というか、幼い頃印象に残っている出来事について話そうと思います。私の実家、その最寄駅には大型の百貨店、高島屋があります。そして2016年にあえなく閉店してしまったが、当時その隣にはそごうがありました。週末はよく家族でそこに買い物に出かけました。

私は姉が一人いる、四人家族。四人で一緒に行動することもありましたが、買い物に興味がない父親がいるので、よく二手に分かれて行動していました。ある日いつものように四人で買い物に来た時、私は父親の方について行きました。母と姉は下の方の階で洋服などを見て回り、私たちは上の方の階で家電を見ていました。父親の性格は非常に”非情”にマイペース。もっと細かい言い方もあるかもしれないが、今回はこの一言でまとめてしまおうと思います。マイペースというのは言うなれば自己中と言えます。

父親が先頭で私がその後ろをついていくという形でした。私はふとあるものが目に留まり、立ち止まりました。何に興味を示したのかは覚えていないし、またその場でどのぐらいいたのかもわかりませんが、いつの間にか父親がいなくなっていました。おそらく父親は私が立ち止まったことに気づかず、そのまま立ち去ってしまったのだろうと思われます。私のとった行動はまず辺りを見渡すでした。混んでいるわけではなかったので、視界に入る大人がいれば父親だとわかったはずでしたが、どこにもそれらしき姿はありません。よく迷子になったら、歩き回らずその場で待つというのが鉄則だと思いますが、当時の私にそんな思考回路は存在しません。すぐにもう会えないんじゃないかという不安に駆られます。適当なところをぐるぐると回ったがどこにもいませんでした。またやってしまったと思いました。

実は私が迷子にあったのは記憶にある限りこれで二度目でした。それも同じ要因。父親と二人で出かけた店先でいつの間にか父親とはぐれていました。その時は定員さんがすぐに私を見つけ、おそらくカウンターらしきところに連れて行き、私から名前と誰と来たかを聞き出し、アナウンスを出すと、父親が迎えに来てくれました。今回は私も一回目の時よりは成長していたので、不安な顔を表に出していませんでした。なので定員も迷子だと気づかなかったのかもしれません。今でもそうなのですが、あまり他人に迷惑かけたくない、できるところまでは自分でやる性格だったのか、すぐに店の人には助けを求めず、自分ができることを考えました。父親はどこかに行った。周りを見渡してもいない。なら母親を見つけようと考えました。

母と姉が洋服を見ていることは知っていたのでとりあえず下の階に向かおうと思いました。確か誰も迷子だと悟られたくないと思い、階段を使ったのを覚えています。そうしてとりあえず洋服屋が並んでいる階にたどり着きました。しかし母親たちがどの洋服屋にいるのかも知りませんでした。結局辺りをぐるぐる回っていると洋服屋の店員さんに話しかけられ、保護され、アナウンスされました。残念ながら今回も人の手を煩わせてしまったと情けない気持ちになったかはわからりませんが、なんとなく落ち込んでいたのは覚えています。

もちろんその後母親たちと父親が迎えに来ました。彼らが目に入った瞬間、安堵と恐怖からの解放で涙が溢れ出たのを覚えています。それ以来当分の間二手に分かれて行動する際は父親の方ではなく母親と行動するようになりました。いわゆるトラウマ、二度も裏切られたような気持ちに陥ったのだから当然だと思います。

当時こそ父親のあのマイペースな性格といいますか、周りの人に興味を持たない性格を嫌っていましたが、今改めて考えてみると今の自分の性格と似ていて少し親近感が湧くと同時に、自分のこの性格を変えるべきかと悩んだりもしました。しかし結局性格は変わることなく今に至ります。性格というのは生まれた時から決められているのか、はたまた周りの環境や経験から作り出されるものなのか。皆さんはどちらだと思いますか。自分は明らかに後者、父親の何かが影響していると考えざるを得ないと思います。

みなさんもこんな経験ありませんか。当事者ですか? 被害者ですか? よろしければお聞かせください。

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