プロローグ
ゆるゆる設定がお嫌いな方は御遠慮ください。きっとグダグダです。
2020/11/25 誤字を訂正しました。
異世界転移、転生。ライトノベルのと呼ばれる小説を嗜む人間なら誰しも一度は目にした事があるだろう。
中には微かな憧れを抱く者もいるかも知れない。
異世界に呼ばれ、勇者となり魔王を倒す。
チートと呼ばれる最強の力を使い英雄となる。
はたまた、超美形に生まれ変わり、美しい女性と最高のハーレムを作る。
美女に生まれ変わり、美しい男性を侍らすこともあるだろう。
とにかくそれらは全て空想の世界の話だ。
小説という小さな世界で、妄想という名の理想をもし自分が体験出来るのだとしたら。
それは、甘美な誘惑のようで、多くの人々の心を掴んでいた。
そんなライトノベルを嗜む程度ではあれど、聞きかじった男が一人、途方に暮れていた。
男の目の前には白。
ただただ白い世界に男は一人佇んでいた。
それは残念な事に、異世界ものでよくある様な神に呼ばれる空間では無かった。
男は10年続いた引きこもり生活を資金源である両親を亡くしたことで辞めざるを得なかった。
10年越しの現実世界は男に厳しく、遺産が尽きる寸前でやっとコンビニのアルバイトという地位を獲得するに至った。
そして今日はそんな男の初出勤日であった。
男は意気揚々と家を出て寒い冬空の元、緊張と不安となんとも言えない高揚を心に抱えたったの二時間という短い勤務を終えて帰路についた。
そこまではこれから引きこもりから更生していく幸先の良いスタートだったに違いない。
そう、帰りが吹雪にならなければ。
男に迎え呼ぶ様な相手が居れば。
あるいは、通勤手段が徒歩でなければ。
吹雪に目の前を遮られ、右も左も分からない中で男の体温はがんがんに削られていった。
立つことも困難になり、進むことも戻ることも出来ずにその場に蹲るしか無かった。
誰か通り過ぎてくれる。そんな幸運を祈るばかりだ。
現実は無常にも救いの手を差し伸べなかった。
男は逆らえない眠気を感じ、眠ってはならないと思いつつもゆっくりと瞼を閉じていった。
ーーああ、何故。生きることさえ許して貰えないのだろうか。
男は社会へ馴染めずゲームの世界に逃げ続けていた。それはさらに男を追い詰めるものだった。
この世は自分の生きる場所では無い。いつしか男はそう考えて、もうすぐ終わろうとする自分の生に理不尽な怒りを思う。
ーーせめてここがゲームであれば。俺に才があれば。
そう願わずにいられない。
何せゲームの世界ではランキング上位の常連だった。ソロで一位になったこともある。
多くの仲間もおり、パーティーでもランキングは上位だった。
男はゲームという世界に存在意義を見出していたのだ。
薄れていく意識の中で男は願った。
ーーああ、ラノベの様に異世界へ行けたら。
ーー普通に生きてゆけるのに。
ーー......。
それを最後に男はこの世から消えた。
翌日、世間を騒がせた局所的豪雪の被害として死者一人、事故などによる重軽傷者30人とニュースが伝える。
唯一の死者となった男が発見されたのは自宅からわずか10メートル先であった。
吹雪による脅威はしばらくニュースに彩りを添えたが、一週間経ち、1ヶ月も経てば人々は男の存在を綺麗さっぱり忘れるのであった。
初めまして。小山 静です(誰だよw)
小説を読んでいただきありがとうございます。
この小説は私の処女作ですのでお手柔らかにお願い致します。
趣味で書いていたもので設定やら何やらはゆるゆるですw
母国語なのに日本語が苦手なので、色々とおかしい筈です。
誰かこの小説を添削して貰えませんかねぇ?(タダで)