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主にイザークからこの世界の成り立ちについて聞き、この世界について少し知ることができた。
本来なら信じられないことばかりだが、目の前に存在しているのだから信じるしかない。
そうそう、お約束の質問をしてなかった。
「元の世界に戻る方法はあるんですか?」
「…はっきり言って分からない。文献を見ると帰れた者と帰れなかった者がいるし、帰る条件もまちまちだ。」
レオンハルトの麗しい顔が申し訳なさそうに歪んだ。
「…やっぱり、そうなんですね…。」
私はがっくりと肩をおろした。でも可能性がゼロじゃないならなんとかなるかもしれない…。
そんな様子を見て、イザークが今後の説明をしてくれた。
「ユエ様には詳しいことが分かるまで、王宮の1室で過ごしていただきます。そして万一のことがあってはいけないので護衛兼メイドをおつけします。」
「えっ?!そんな、私なんかにもったいないですっ!」
「そんなことはない。何も心配しないで自由に過ごすといい。」
レオンハルトが優しく微笑んだ。
うわぁ〜イケメンが微笑んだ時の破壊力半端ないっ!
「…すみません。ありがとうございます。」
「ユエ様にはこの世界について学べるように教師を手配しておきます。何も分からないのでは不安でしょうから。」
イザークは聞き取った内容を書いた紙と羽ペンを片付けながらはなしてくれた。
「なるべく、ユエ様の負担がないようにいたしますので、何かあれば遠慮なくお申し付けください」
「はい、助かります。本当すみません…」
とりあえず、お世話になるので三人に深々と頭を下げた。
話し合いはおひらきとなり、三人が出口に向かうのを見送った。
「んじゃ、姫さんあとはゆっくり休んでくれよ。」
「はい、ありがとうございます」
「あっ…」
レオンハルトが何か思い出したように振り返った。
「明日、父上がユエに会いたいと言っていた。詳しいことは後から知らせる。」
「えっ?!国王陛下に?!」
私が驚きのあまり目を見開くと、その様子を見みてレオンハルトは笑みを深めた。
「大丈夫だ。今聞いたことは俺から父上に話しておく。顔合わせだと思って気軽に来てくれ。」
「………は、はい…。」
国王陛下に会うのに気軽は無理だよ〜!!
私は三人が帰った数分間、しばし固まっていたのでした。