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我慢なんてするもんか!  作者: ゆん
7/23

6

沈黙を破ったのはレオンハルトだった。


「説明を聞けば聞くほど、貴方が異世界から来たのだと実感するな」

レオンハルトは長い足を組み替えながら話した。


「…すみません。面倒なことになってしまって…。」私は素直に謝った。


「なぁー姫さん、これどうやって使うんだ?」

ケイは携帯電話を興味深々で見ている。

「あの、私姫じゃないのでユエと呼び捨てで大丈夫です。」

「いえ、そういう訳にはいきません。あなたは月の加護を受けた方の可能性があるのですから」

イザークが額にシワをつくって話に入ってきた。

「だから無いです。魔法とか使えないです」

「お言葉ですが、以前使えないからと言って今できないとは限らないのでは?」

「いやいや、無理ですよっ!」

「…今、何語を話していますか?」

「えっ…日本語……ですが…」

「我々はサングランツ語を話していますよ」

「………。」


そんな便利なお約束いらないよ〜っ!


変なフラグ立てないでっ!




「なぁーなぁー!これの使い方教えてくれよ〜。」

遠くを見つめていると、ケイが現実に引き戻す。

「あっ、すみません。これは携帯電話と言って離れた人と話せるんです」

とりあえず、今のは無かったことにしてケイの話に乗った。

「他には写真も撮れますよ〜。みんなで写真撮ります?」

「しゃしん?なにそれ〜面白そう〜!やって見てくれ!」

私はスマホの写真操作をして、カメラを三人に向けた。

「では、この黒い丸を見てください。はい、ポーズ。」


カシャッ


「これが写真です。」

くるりと今撮った写真を画面で見せる。


「っ?!」

三人が驚愕しながら画面を見ている。


「…っ…精密な自画像が一瞬で?!」

イザークは驚愕のあまり目を見開いている。


「あ〜…厳密には絵では無いのですが。私は専門家じゃないのでうまく説明ができないです。」


「…我々には計り知れない世界なのですね。」

イザークは眼鏡を直しながら額のシワを深めている。


「…うーん…いいことばかりでは無いですけどね。」

機械化が進み、便利な生活ができる反面ゆとりが失われてしまった。

また恐ろしい兵器も生み出され、幸せな世界ともいいきれない。


「な〜、ユエは今何歳なの?14歳ぐらい?」

ケイがありえない年齢を言ってきた。


そんなわけないじゃん!


「あははっ、お世辞なんて言わなくていいのに。私、22歳です。」


ガチャンッ。カップが大きな音をたてた。

「っ!?俺より4歳年上?!嘘…?!」

レオンハルトの目が見開かれる。

「嘘じゃないです!22歳です!」


つーか、レオンハルト様って18歳なの?!高校ぐらいでこの落ち着きってびっくり。


「そうなのか!まだ成人前だと思った!俺は23歳で、イザークは26歳だぜ!」

ケイが指差しながら年齢を教えてくれた。


ちょっと気になることがあったので、質問してみた。


「あの、この国の成人って何歳ですか?」

「15歳で成人する。」



………はい。何となく分かりました。私はこの国では適齢期を過ぎた人扱いなんですね。


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