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少し内容を変えました。
「っぶは…っ。くくっ!王子相手にスゲー砕き文句!あはははははっ!」
盛大に噴き出したのはスポーツマン君。
「黙れ、ケイ。これ以上話をややこしくするなっ!」
インテリさんは凄んだ声で叱責した。額のシワは更に深くなっている。
「だって、イザーク!王子見て堂々と女から口説くやつ初めて見たぜ!…っくくっ」
ケイと言われたスポーツマンは腹を抱えて笑っている。
そんなに笑われるようなことを言ってしまったのだろうか。
別に口説いていないのだが…。
ただ本当に思ったことが口からこぼれてしまった。本当に自然に…。
「ケイ、おまえは一ヶ月の減給な」
さっきまでびっくりした様子だった王子は気を取り直し、じとっとケイを睨んでいい放った。
「話が進みませんので、レオンハルト様無視して話を進めましょう」
眼鏡をかけ直しながら、インテリ眼鏡が声をかけた。
相変わらず、ケイは笑ったままである。
レオンハルトの視線が私をとらえた。
それだけで、心臓が煩く波打つ。
「あっ、あの…すみません。なんとなくそう思って…!でも、気のせいだと思いますので、気にしないでください」
私の言葉にレオンハルトは目を細め、微笑んだ。
やめてくれ…心臓麻痺で死んでしまう!
「……あの、私車に轢かれたはずなんですが、よく覚えていなくて…」
「くるま…?」
「はい、大型トラックに黒猫が轢かれそうになっていてそれを助けたんです。そして轢かれたと思って目を開けたらここにいて…」
「……おおがたとらっく…?」
「…?…はい。」
沈黙。
何故か三人の頭の上に「???」が見えた。
嫌な予感がする。お約束の展開になりそうだ…。
「貴方はどこから来たのだ?なんと言う国だ?」
「え…?日本です。」
「ニホン…?」
「………あの、ここはどこですか?」
「サングランツ王国の城の中だ。」
「…っ!?」
やっぱり、お約束展開きたー!
これ異世界トリップパターンだぁー!
聞いた瞬間、頭をかかえてしまった…。
こんな喪女とイケメンを会わせてはいけません!