90.味見
2本くらいは分かったけど、これ以上は目が滑るので、本を閉じる。ダメダメですね。テーブルに並べた草もしまう。出した意味無かった。
とりあえず判明した草の説明をみてみる。
「美味しい草はカップ草、匂い草はサン草。カップは魔素が豊富な野菜の一種。サンソウは魔素が含まれる料理の匂い付けに使われると。カップはそのまま食べても美味しいのか」
俺は、カップ草を取り出して食べてみた。独特の草の生臭さと渋味、微かに甘味がある感じがする。でもやっぱり不味い。サン草も食用みたいだし食べても大丈夫そうだな。
サン草も口にいれてみる。
「ゴホッ!うぇ!」
匂いがきつすぎて、思わず口から出してしまった。
きったな!自分でやったくせに汚いと引く。
吐き出したそれを拾って、とストレージに突っ込んだ。あ、汚染されたってかかれてる。止めろ!俺がまるでバイ菌みたいじゃないか!全く失礼な。でも、まぁ、人の食べたものと一緒に混ぜられても嫌か。
サン草は匂いがヤバイ。これなら煙管の煙の方がまだマシだ。どこかで嗅いだことあるような気がするけど、全然わからない。
「そうだ、煙管吸ってから食べてみれば違うかも?」
煙管を吸ってからカップをまず食べてみる。臭いと渋味が軽減されて、甘味が少し出たような気がする。うん、食べられなくはないな。
次はサン草も食べてみる。ピリリと舌が痺れて、匂いが鼻を通る。あ、これは山椒では?
「煙管だけでかなり舌も変わるんだな」
あ、これはレッリドも美味しいんじゃ?俺はレッリドも食べてみる。
赤い実が口の中で弾ける。酸っぱい!でも、そのあとに少し甘い。最初に味わったときとは全然違う。うん、美味しい。これなら料理の味見も出来るな。
料理するなら、もう少し図鑑も読み進めた方がいいかもな。料理できるものは増やしたいし。
でも、今は図鑑の方じゃなくて、冒険者の心得っていうの方を読んでみようかな。薄っぺらいし、読みやすそうだ。図鑑の方はまだ目が滑りそう。
"冒険者の心得"
その1、知らないものを食べてはいけない
その2、知らない人についていってはいけない
その3、知らない魔物を攻撃してはいけない
その4、装備は万全に
その5、森の中で大声を上げてはいけない
その6、夜に動いてはいけない
その7、ゴミは捨てない
その8、緊急時の要請には応じること
その9、依頼には忠実であること
その10、命は大切にすること
それぞれの心得を詳しく説明しているページが1ページずつあり、全部で10ページぐらいしかない。あー、俺、結構やっちゃってることあるな。
知らないもの食べてるでしょ。
知らない人には···ついていってはないかな。先生だから知らない人じゃない。
知らない魔物は、攻撃してる。いや、しちゃった?
装備は万全じゃない。
森の中で大声を出しては、ないかな?
夜に行動はまだしてない。
ゴミは捨ててない。
緊急時の要請はきてない。
依頼はとってない。
命は大切にしてはいるけど、出来てるかな?出来てると思おう。
うん、なんか、勉強になったなぁ。全部読み終わって、ふぅとため息をついた。




