88.歩こう(9日目)
朝食を食べてすぐにログイン。今日は何をしよっかな。やっぱり、レベルアップ?んー、採取でも良いよな。
だったら、小屋に帰るついでに森を探索しようかな。煙管のおかげで充分普通に動けるようになったし。フレッドについててもらえば、危ない事もないだろ。
俺はなるだけ湖の回りの草や花を広い集めてから、エリマキ達に声をかけた。
「エリマキ、おいで。フレッド、小屋までの案内よろしくね」
エリマキを首に巻き付いてもらって、フレッドは少し首をかしげた後に、ワオンと吠えた。それは了承したってことで良いんだよな?エリマキの感情は分かるが、残念ながら、フレッドは先生のものだからよくわからんけど、まぁ、歩き出したし大丈夫だろ。
前の時は、背にのって走ったから回りを見る事は出来なかったんだよな。少し立ち止まりながら、目に見える植物を適当にストレージに突っ込んでまた歩く。出会ったスライムは、倒して経験値に変える。
俺は機嫌良く、ふんふんと歌う。ここでの選曲は、超有名なアニメの、歩いて元気な私が出てくる歌だ。もちろん、煙管は吸っている。力が出なくなっちゃうからね。
「フフフーフフフーン」
時々テンポが間違うのもご愛敬って事で。
いつの間にか近寄って来てたウィルが、俺の鼻歌に合わせてスキップのようなものをしている。器用だな。さらにウィルは合いの手をしているような気分らしく、風を起こしながら、木をぶっ倒している。その度に俺がビックリしては歌を止まると、全員の足も止めてこちらを見てくる。
ウィルがその場で足踏みして、鼻歌を催促しているように見える。木を倒すは止めてくれないかな。ビックリするんだけど。多分言ってもやるんだろうから、心の内にしまっておく。
仕方がないので鼻歌をしながら、スキップしてみるが、俺には器用じゃなかった。スキップしようとしたら転んだ。さすが、ポンコツ。
倒れたままでいると、フレッドが襟をくわえて起こしてくれた。エリマキは転んだ瞬間から逃げていなかった。首が寂しくなる。
ウィルは、転んだ俺を真似してヘソ天しながらゴロゴロしてた。うん?馬鹿にしてんのか?クソ可愛いから許すけど!後でたっぷりブラッシングしやるからな!
蜘蛛の巣と時々出くわすので、木の棒でクルクルと、巻き取る。蜘蛛はエリマキが····。考えちゃいけない。そう俺は見てもないんだ。でもお腹壊しちゃうかな?いや、大丈夫だろう。ゾンビ食ってたし。積極的に食べてるから、ワンチャン美味しいのかも?
「エリマキ、それ美味しい?」
ついつい、俺は尋ねてしまった。そうしたら、フレッド達がギョッとしたような目でこちらを見た。エリマキは食べてみる?というような目でこっちを見てる。
フレッドはふぅとため息をのように息を吐き出した。
「ウォン」
「ワン」
多分、フレッドとウィルが会話しているのだろう。俺は二人のやり取りを顔を動かしながら、見ていた。
何かが決まったのか、フレッドは地面に座った。じっと観察していると、ウィルが俺の襟をくわえて持ち上げフレッドの背中に乗せた。
なんだこの悪戯っ子は抱っこしちゃいましょう感。え、あの発言ダメだった?やっぱり蜘蛛はまずかったか。現実だったら言わないけど、ゲームだったから、美味しい可能性があったんだけど、やっぱダメか。俺も現実だったら、弟が言ったら引くし、ため息つくわな。
エリマキは、フレッドの前脚で頭をコツンとやられていた。ウィルは少し興味を持ったのか、蜘蛛を食べようとしてフレッドに焼かれていた。焼かれたといっても、少し毛が焦げつくぐらいだったけど。




