85.吸う、吐く練習
エリマキを思う存分、もふる。その行動を見たエリマキ達は、少しほっとしたようにみえた。
心配かけてごめんなぁ。
うろから出て、フレッドを見る。
「やっぱ、でかい」
そのままやると力抜けそう。草を食べるか、····いや、待てよ。俺はあれの存在を思い出した。そう、煙管だ。
「練習してみるか」
上手く使えないなら、宝の持ち腐れだから。
煙管をストレージから取りだし、煙硝草をつめる。このぐらいでいいかな。煙硝草の説明には、着火材、爆弾の材料って書いてあるけど無視無視。煙硝草の上に小さい魔石を置く。魔石はどんなものでも良いのかな?適当に黄色いものにした。
煙管を口につけて、吸う。すぐに煙は口にいっぱいになった。
「げほっげほっ」
煙は肺に届き、むせた。すぐに煙管を外し、咳をする。酸素を奪われたように苦しい。そのかわり、体は軽い。咳き込む俺に心配そうにエリマキがこちらを見た。大丈夫、大丈夫、そう思ってエリマキを撫でる。本当は大丈夫じゃないけど。これ、ヤバイ。よくあのお婆さん平気で吸ってたな。
もう一度、吸って、吐く。今度は、あまり煙を口に入れないように。
「げほっ」
やっぱりむせるけど、さっきよりはましだ。吸う、吐くを繰り返す。徐々に咳き込まなくなり、煙の味もわかるようになってきた。
甘い、ハチミツの薄くしたような味みたい。体も何をしたときよりも軽い。
今度は、息を吐くのを鼻でしてみる。いちいち、口から外すのは大変だから。
鼻に煙が行き、しみる。痛い。なんか、鼻に水が入ったみたい。それでも繰り返せば、それすらも慣れていく。
「走ってみようかな」
煙管をくわえながら、ちょっと走ってみる。おぉ!楽!これで思う存分、もふれる!
体に当たったら危ないので煙管を右手に持って、フレッドのお腹に突撃して、摩擦熱が出るレベルで頭を擦り付ける。
「いたぃ」
フレッドの毛はチクチクしてた。あと、臭い。そうだ、まだブラッシングしてない。ブラッシングしなきゃ。
「早くモフモフになろうな」
そう言って、フレッドを見ると、フレッドは俺を残念そうな目で見てた。なんだ、その目は。
俺はフレッドの視線を無視して、櫛で解かしていく。勿論、煙管はくわえて。今度は、ながら喫煙ですよ。マナー違反だが、灰も火も落ちないので大丈夫です。これが意外に難しい。手を浮かすと、息も止まってる。気がついて、煙管も吸うと手が止まる。···うん、ポンコツだな。
それを繰り返していると音がなった。
ピコン
あ、この音は久しぶりにスキルが出てきた音だ!
確認してみると、愛煙家と表示されている。愛煙家の取得条件は特殊な煙を多く吸う。いや、スキルさん。そこまで吸って1日目ですよ?そこまで吸ってないですよね?
スキルさんは無視して、ブラッシングを再開する。いやー、フレッドの体が大きくて中々終わらない。そして、同時進行は出来てない。出来なさすぎて逆にながく息を止めてみたり、ながく吸って見たりと色々試した。
ピコン
音が聞こえた。出たスキルは息こらえ。あぁ、なるほど。呼吸を我慢してると出てくるスキルなのね。
これだったら、潜水とか、素潜りとか出てきそう。湖もあるし、そのうち挑戦しようかな。あ、でも、煙管無きゃダメじゃん。いや、草でいけるかも?




