72.買ったもの
ログインしてみると、小屋の中の椅子に寝かせられていた。
「おはようございます」
体を起こすと、反対側にシンディさんが座っていた。
「おはようございます」
シンディさんは丁度、朝食だったようだ。やっぱり、スープみたいなのと、パンを食べている。味、飽きないのかな。ポーターさんから本を貰ったし、色々森で取ってこようかな。
「おはようございます」
俺は雑貨屋で買ってきた弓矢をテーブルに置く。
「頼まれた物、買ってきました」
簡単に弓矢の説明をする。というか、簡単にしか覚えてないけど。弓の方は長距離の弓と、矢は何回でも使える物だと伝える。
シンディさんは、食事する手を止めて、弓を持つ。あ、もしかして、食事が終わってからの方がよかったかな。
確かめるように弓をなぞる。小さく、何かを呟いたが聞こえなかった。
立ち上がり、弓を構える。最初に弦を軽く弾いた。ピィンとなる弦はまるで楽器のようだった。今度は、力一杯に引く。
シンディさんが手を離すと
キャーーン
涼やかな高い音色が辺りに響いた。さっきの音とは違うものに俺は驚く。
「良い弓ですね」
その音を聞いてシンディさんは、一言呟いた。
「このお礼は必ず返します」
俺の方を見て、シンディさんは笑った。その後すぐに、置かれていた矢を手に取り
「ちょっと打ってきます」
そう言って、小屋を出ていった。あー、なんか新しくゲームを買ってもらった弟を思い出すなぁ。テンション上がって、すぐに部屋に込もってたんだ。多分、シンディさんもそう言う感じなんだろな。
「にゃん」
シンディさんが出ていったドアをボーッと見つめていると、エリマキがいつのまにか、椅子に座っていた。
良し、俺はエリマキの毛並みを整えようかな!
買ったものの中で一番高かった櫛を取り出す。
「エリマキ、ちょっと背中向いて」
俺の言う通りに、エリマキは背中を向ける。俺は櫛で優しく丁寧に解かしていく。
「良い子、良い子、エリマキは良い子」
エリマキは気持ち良さそうに、徐々に体制を崩す。ぺったりととろけていく。
「んなぁー」
ゴロゴロと喉を鳴らしている。うん、買って良かった!




