71.付き人(8日目)
朝、目が覚めて美味しそうな匂いにお腹がすく。
俺は昨日のことを思い出す。あー、そういえば太郎さんに朝ご飯を頼んでたんだっけ。
付き人の役割はプレイヤーの衣食住を整え、ストレス無く過ごす為の存在らしい。そこで、俺は試しに、ご飯と掃除を頼んだ。そして、太郎さんは、今日ご飯をつくってくれたということだ。
太郎さんという人物の変更もできるし、太郎という名前も変更出来るというなんか不思議仕様。
俺は目を擦りながら、寝室から出る。
「おはようございます」
「カカオ様、おはようございます」
挨拶すれば、返事がすぐに返ってきた。
太郎さんの服装は昨日と同じ神官みたいな服だった。やっぱり、布のせいで顔がよく見えなかった。この服が太郎さんの制服ってことなんかな。俺だったら恥ずかしくて無理だな。
「今日の朝食は白米とワカメの味噌汁、鮭です。飲み物は玄米茶です」
告げられたメニューに俺は良し!と思う。THE朝食、シンプルイズベスト!
炊きたてのご飯もツヤツヤしていて、美味しそうだ。料理を作るのは好きだけど、人に作って貰うのにこしたことはないな。
「あ、顔を洗ってきます」
「わかりました」
洗面台にいって顔を洗い、タオルでゴシゴシと水気を取る。拭いたタオルは洗濯カゴにいれる。
俺を待っていた太郎さんは、俺を見るなり椅子を引いて座るよう促した。表情は冷静を保っていたが、内心では興奮していた。
うおぉおぉおお!なんか、今の俺、金持ちみたいじゃね!?ご飯まで作ってくれて、俺が座りやすいように椅子を引いてくれるなんてやられたことないんですけど!すげえぇ!
俺が座ると、太郎さんは横に来て訪ねる。
「昼食のリクエストはございますか?」
「えっと、お任せで」
「わかりました。それでは、失礼します」
俺が答えると、太郎さんは部屋を出る。俺が他人がいると食べにくいということを気遣って、部屋から出ていってくれる。俺が食べ終える頃にまた部屋に入ってきて、片付けや掃除をしてくれるみたいだ。
お茶を一口飲んで口を潤し
「いただきます」
手を合わせて、用意された朝食を食べる。
最初は、白米を口にいれる。
「あ、うまい」
次は、味噌汁に口をつける。うん、こっちも美味しい。丁度良い、濃さだ。意外と味噌汁の濃さって難しいからな。丁度良いって言うのが凄い。鮭も塩辛くなく、身が柔らかい。
「お店のクオリティだな、これ」
このレベルを無料で食べていいんですか!少し、罪悪感が出てきた。
黙々と朝食を平らげる。
「ごちそう様でした」
食器の片付けもしてくれるらしいのでそのままにしておく。
美味しかった朝食に昼食も楽しみになる。
「よし、今日もゲームをしますか!」




