69.きらびやかなぱーてぃ2
太郎さんは俺の前のテーブルに俺の好きそうな料理を置いていく。
「ステーキ、ガーリックバターライス、コーンスープ、サラダです」
ステーキの付け合わせは、ニンジンのグラッセとジャガイモ丸ごと。コーンスープにはちゃんととうもろこしの粒が入ってる。これが無いところがあるんだよな。サラダにはクルトンが乗っていて、白いドレッシングがかかっている。
「美味しそう」
「それは良かったです。カカオ様はコースよりもこっちの方がお好きだと思いましたから」
確かに凝った料理よりもこっちの方がうれしい。こうガツンと来るの好きです。でも、回りの雰囲気とは合わないな。
「デザートは、フォンダンショコラです」
おぉ、最高かな?
このラインナップだと今日が特別な日に思えてくる。
「いただきます」
俺はナイフとフォークを手に取った。
それと同時にどこからか、音楽が流れてくる。オーケストラが弾いてるクラシックのような音楽。それにあわせて、回りの美男美女たちは席を立ち、開けた真ん中のほうへ歩いていく。
音楽に合わせて、クルクルと踊っていく。
わぁ、すごい。居心地悪い!俺がいて良い場所じゃないんじゃね?ナイフとフォークの音とか、邪魔になるんじゃね?
そわそわと俺が見渡していると、ノイズの音が聞こえた。一瞬のノイズ音の後に、声がした。
『ハ、じメま、しテ。わタくしのナマエはえーあいノえ、ぇエルどともオシます。』
その声は、歪さと機械さがおり混じっていた。聞いていると、何故だか悲しくなる。
テーブルの上の料理が置いていない空間に映像が流れる。スクリーンも無いのに浮かび上がる映像が不思議だ。
写ってる映像も不思議、というかファンタジーだった。DWMの世界を移したような空間が流れている。音楽やホールで踊ってる美男美女達がより一層雰囲気を異世界観を醸し出している。
『あ、さってカラショッピングもーるがかいせつされます。どうぞご利用ください』
エルドさんの声が徐々に修正されてまるで人の声のようになっていく。声は俺にとって、懐かしく感じるようなものだった。
ショッピングモールね。行かないかもね。俺が買うものなさそうだし。
『ご予約頂ければ、ショッピングモールにご家族や友人様をご招待頂くことも可能です』
へぇ、呼んで良いなら一緒に行ってみたいな。
俺は母や妹弟達を思い浮かべる。きっと喜んでくれるはずだ。
『今後、タブレットの画面上にAIのアイコンが表示されます。そこから様々な機能が利用が可能になりますので活用ください』
機能?って何が出来るようになるんだろ。
『これで私は失礼いたします。どうぞごゆっくりとお食事を楽しんでくださいませ』
丁度、流れていた映像とともに、声も聞こえなくなった。
あとでタブレットで確認してみよう。
料理は少し冷めていたが美味しかった。




