表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
混ざり会う世界~テイマーになったらテイムされた~  作者: からかさ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

58/189

53.牽制

男は、この小さな子供の名前を聞いていなかった事を思い出した。


「そう言えば、おめぇさん、名前は?」

「あ、俺の名前はカカオって言います」

「そうか。俺はポーターだ。よろしく」

「よろしくお願いします」


ポーターは静かに子供を観察する。細い体に痩せこけた頬。どう見ても健康とは言い難かった。けれども男はこういう子供を今までたくさん見てきたので、彼に同情はしていない。


「んで、どーする?今から買いにいくか?」

「いえ、少し休ませていただきたいんですけど、良いですか?」

「まぁ、良いけどよ。ベッド、使うか?そっちの方が休めるだろ?」


ポーターはベッドから立ち上がり、退こうと思ったが、子供は頭を振って断った。


「大丈夫です。あ、この椅子は借りても良いですか?もし、ダメなら部屋の隅でも良いんですけど」

「そんなんで、休めんのか?」

「はい大丈夫です」


そういうと、子供は器用に椅子の上で膝を抱える。パチリパチリと、ゆっくりと瞬きをするとプツリと動かなくなった。

この子供は、神殿から出てきた者の中で男が最初に接触した者だ。穏やかな性格の彼は好ましかったが、後から出てきた者達には性格に難がある者達ばかりでポーターは少し疎ましく思っていた。それでも、子供に手を貸したのは、彼らに味方についてもらわねばならなかったからだ。そして、もし彼らが敵対したとして、その際の弱点も見つけなければならなかった。

この子供であれば、それらの事が容易そうだった。


「にゃぁ」


背後からのその一鳴きに身震いした。

振り向くと、小さな生き物がこちらをじっと見ていた。まるで、見定めているかのようだった。

よく覚えているこの似た感覚を。これは····。


「魔物····」


しかも、上位種だ。何故、それがここにいるのか。

男はその生き物から目が離せなかった。生き物はゆっくりと歩き、子供が座ってる椅子の近くに腰を下ろした。尻尾が床をタンと叩く。


もしこの魔物と争えば、黙ってやられるつもりはないが無事ではすまされないだろう。それにこんな所では、他に被害が出てしまう。まぁ幸い、この魔物はこちら側に危害を加えるつもりはないようだ。


この国で魔物狩りとして生きてきたポーターは、負けるつもりは無かったが、決して勝てるとは言いきれなかった。


「俺は敵対するつもりはねーよ」


上位種であればあるほど、人の言葉を理解する。

その言葉に魔物はポーターからフイと目をそらし、真ん丸に踞った。


「もしかして、坊主の言った"いろいろ"ってコイツの事じゃあるめぇーな」


ガシガシと頭を力目一杯に掻き、これからを思うと嫌になった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ