50.街に帰ってきた
3時間くらいで漸く、街が見えた。
フレッドは森の中で下ろすと速やかに奥へと消えていき、そこからは街まで歩きだ。
ゆっくり歩いているとエリマキは、にゃんと鳴いて街の方へとかけていく。器用に街を囲んだ壁を登り、あっという間に街の中へと入っていった。彼を止める間もなかった。
「あー、行っちゃった」
結局一人になってしまったが、仕方がない。とぼとぼと歩き、門番に金を支払い、城門をくぐる。
「わぁ」
俺は感嘆の声を上げる。初めて見た大通りよりもずっと活気づいて人が和気藹々としていた。
この街のイベントが進んでいることが分かる。まぁ、それもそうだよな。あれだけのプレイヤーいて、進まない訳がない。
そう、始まりの神殿の込み合い具合を思い出した。
とりあえずは、最初に行くべきは冒険ギルドかな。うん、金がなくちゃ買い物も買えないしね。
記憶を元にギルドに向かう。
「売るのは、草(?)でしょ、草ァ!でしょ、魔石でしょ」
草草言ってるとなんだか可笑しく思えてくる。
「あと、果物は調べて貰おう」
売れたら、売る方向で。
どのくらいになるかな。櫛に瓶に装備系、そうそうシンディさんの弓矢も買わなくちゃ。足りたら良いな。
そうだ、お金が足りないのを想定して、優先順位を作ろう。
先ずは櫛。これは絶対。当たり前。もふもふの為だ。
次に瓶。まぁ、これは待ってもなくてもって感じかな。保留ってことで。
装備系は、ピンからキリまであるだろうしって、あ!先生のおパンツ買わなくちゃ。あー、忘れるところだった。裸コートのままってヤバイもんな。これも絶対だな!
シンディさんの弓矢は、必ず買っておこう。でも、お金と相談してっと。
あー、そうそう町から出るときのお金と、今日は1泊してから帰るからその宿代も考えなくっちゃいけないじゃん。
なんか、頭痛くなってきた。とりあえず、1番は、宿をさがそうだな。
いつの間にか、ギルドの前についた。ギルドの中も程よく賑わっていた。おー、最初に期待していたRPGの定番のおねぇちゃんもいるではないか。やっぱこれがRPGの醍醐味だよな。うんうん。
最初に見たときに印象的だった酒飲みの男共は、部屋に隅で賑わってる奴等を恨めしそうに見ていた。
「あの、すみません。これ、買い取って欲しいんですけど」
ギルドのカウンターに魔石を30個と、草(?)10本と草ァ!を3本置いた。
残りの草(?)は24本、草ァ!は残り2本。全部売っちゃおうっかなとも思ってたけど、やっぱ止めた。手元に残しておきたい貧乏性のせいで全部を手放すのは無理だった。
「あら?ボウヤこんにちわ」
対応してくれたのは、色っぽいお姉さんだった。最初にあった時の人とは違い、色気がある。
冒険者カードの提出を求められ、彼女に渡すと、ふぅんと一瞥した。
「スライムの魔石が30個で、魔草が10本、魔薬草が3本ね。全部で、8150ゴールドよ。それにしても、ボウヤは運が良いわね。魔薬草まで見つけるなんて、ここの近くじゃなかなか見つからないのに」
お姉さんは金貨を8枚と銀貨を1枚、銅貨を5枚と冒険者カードを渡してくれた。
運ねぇ、運は無いんだよね。1しか。そう言ったら、お姉さんど驚くかな?なんて考えたけど、アハハと笑って済ました。
「あと、これって何の果物かわかりますか?」
二つの果物をカウンターに置く。
「あー、アーチにレッリドね。アーチはよく見る果物ね。レッリドは森の獣人族の輸入品だけど、最近じゃあ、仕入れも難しくなっているはずなの。どう見つけたの?お姉さんに教えて?お願い」
ぐいぐいと来る彼女に嫌気がさし、カウンターに果物を置いたまま逃げるようにギルドを急いで。とは、いっても走れないので、思いっきり眼をそらしつつ踵を返して出口に向かった。
後ろで呼び止められるような声が聞こえたが聞こえないフリをする。




