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混ざり会う世界~テイマーになったらテイムされた~  作者: からかさ


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26.宝石と初テイム

驚く事があるとたちまち停止してしまうこのポンコツな頭は、またもや動かなくなった。

大きさがまちまちの宝石が木箱一杯に詰め込まれている。そこに両手を突っ込んで掬い上げると、こんもりと山が出来る。


「うっは」

謎の高揚感で胸が一杯になる。きれい、きれいだ。正に夢のようだ。

エリマキに、にゃっと尻尾で叱るように肩を叩かれた。肩がビクッとはねあがる。


「えっとこれ、どうしよ」

ハッと我に帰ると、高揚感が一気に不安感へと変わる。これは盗品なのだろうか?どうしよう、こんなのどうすれば良いんだ?王国に申し出る?でも、俺が盗ったなんて言われたら?匿名?いや、バレるだろ。


「ミャオ」

グルグルと頭の中でネガティブな問答をしていると、いつの間にかエリマキは宝石の上に座っていた。鼻先でチョンっと黄色の小さな宝石を転がし、俺はその宝石を拾った。キラキラと輝くそれは、内側から光を放っているようだった。


ジーっエリマキがそれを見つめている。左に動かせばそれを追って視線は左に動き、右に動かせば右に動く。面白がって上下左右、円を描けば、怒ったように俺を睨んだ。その怒りにびくっと体が震え、ゴメンと謝った。少し調子に乗り過ぎたようだ。

ところで摘まんだのは良いが、これをどうしろって言うんだ。渡せばいいのか?うん?

とりあえず、エリマキの前に差し出した。


宝石をカリカリと上手に歯で噛み砕いていく。時々、舌が舐めてくるのでくすぐったい。

もしかして、エリマキのご飯は宝石なのか?それならば、金めっちゃかかるな。いや、ここに山ほどあるのがラッキーというかなんというか。

綺麗に食べ終わり、エリマキは俺の顔を見上げ、ようやく彼の瞳が金色に輝いていることに気づく。チリっと頭の奥が焼けるような感覚がして、息が一瞬止まった。


彼が(こうべ)を垂れ、俺は頭を撫でる。嬉しそうに喉を鳴らす。

もっと食べたいと、彼が思っている気がしたので黄色の宝石を探し口元に持っていってやる。美味しそうに、嬉しそうに食べていく。何度も何度も繰り返し、彼が満足するまで食べさせてやった。

にゃんと鳴いてお礼を言うと、腕から伝うように登り、俺の首に巻き付いた。俺も同じように嬉しくなって、そっと彼に触る。その行動は彼の愛情表現なのだろう。


そこで俺は疑問に思った。なんでエリマキの思っていることが分かったんだ?

今もエリマキを気にかけると彼が何を思っているのか、何となくだが伝わってくる。今は幸福らしい。

少し悩んだ後、1つの可能性が頭に浮かんだ。もしかして、そう思いステータスを開く。



カカオ((シモベ)) Lv.1

主人  先生

種族  鬼人族

職業  テイマー Lv.1

HP   25

MP  15

SP    0

STR  12

VIT  15

DEX   8

AGI  12

INT   8

MND 14

LUK   1

職業スキル 餌付け  Lv.2

通常スキル 気配探知 Lv.4

      料理上手 Lv.1

特殊スキル 念話

従属者(じゅうぞくしゃ)   エリマキ


やった!なんか、書いてあるぞ!従属者(じゅうぞくしゃ)?ほー、なんだそれ?

説明文には、主人に忠誠を誓い、魂を捧げる者と書いてあった。魂を捧げる?(しもべ)とは違うのか。どう違うのかよくわからないけどな。

それにしても、ステータス確認してようやく分かるってなんか不便。スキル発生する時みたいに音なってくれたら良いのに。

さらにエリマキのステータスを開こうとしたが出来なかった。


とりあえず、エリマキに命令してみる。

『頭に上ってみろ』


一瞬にして頭に上られると、スゴく重い。重すぎて首に力をいれてしまった。あっと思ったが既に遅し、力が抜ける。このポンコツ、これも駄目だったか。

くたりと体が崩れ落ちる。ついでに箱の上からも。さすがのエリマキも驚いたのか、にゃー!と叫んだ。


『逃げろよ』

巻き込んで、痛い思いをさせるのが嫌だった。どうせ俺は痛みもわからんし、これもある意味、自業自得だしな。もしかしたら、ちゃんと着地するつもりなのかも知れないが、保険で命令する。

エリマキが戸惑っているのが分かる。それでも、命令通り俺の頭から飛び退いた。


指の一本も動かせなくなって、床を眺める。床に叩きつけられた時にでもダメージが入ったのだろう。このDWMというゲームはなんてシビアなんだ。出来るならこの残念感とともに床をローリングしたくなった。きっと、この小さな体はよく回るだろう。


ふと、日の光が差し込む草原を思い浮かべた。草原とかの坂でモフモフ達とゴロゴロ転がっていくのも良いな。うん、そのうちしよう。


寝転がったまま動かない俺を心配してエリマキがペロペロと顔を舐めてきた。あぁ、なんと愛い、愛い奴じゃお主という猫は。出来ることならば良い子良い子してあげたい。でも、俺の体は動かない!なんてポンコツなんだ、この体は!


あー、早くレベル上げなきゃ。そう思いながら、ログアウトの時間までエリマキと戯れた。

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